>   >  いまどきCG業界のワーク&ファミリー:第2回:プラネッタのファーザー経営者&マザーアーティスト(前篇)
第2回:プラネッタのファーザー経営者&マザーアーティスト(前篇)

第2回:プラネッタのファーザー経営者&マザーアーティスト(前篇)

「マインドマップ」ワークで、各々の思考を見える化する

南家:もうひとつ「マインドマップ」ワークにもお付き合いください。「ワークライフバランス」をテーマに、5分の制限時間内で、自分が思いつくトピックを書き出していただきます。この後のインタビューでは、ワークを通して引き出されたトピックについて伺っていきます。そうすることで、各々の課題に寄り添ったインタビューにできればと思っているんです。「まとめよう」「整理しよう」と張り切る必要はありません。思いついたトピックから書き出して、どんどん枝を伸ばして、自分ならではのツリー構造にしてください。混沌としていたり、ぼんやりしていたりする思考を見える化することで、話のきっかけが得られれば充分です。

▲「マインドマップ」ワークに挑戦中のTさん。思い付いたトピックを、放射状のツリー構造として書き出していくので、思考の過程をたどりやすく、見落としがちな細かいトピックまで洗い出せます。パートナーにもマインドマップをつくってもらうと、相手の思考を理解しやすくなります。私は、産後鬱になっていたときに、産後ケア事業に取り組んでいるマドレボニータというNPO法人からマインドマップの使い方を教わりました。出産後の女性には、フィジカルなケアに加え、混沌とした思考を言語化するコミュニケーションスキルも必要だと教わり、目からウロコが落ちる思いでした


南家:さて、どんなトピックが出てきましたか?

中西:今すぐ考えなきゃいけないことがいっぱいで、現在進行形のトピックばかりが出てきました。「子供が生まれたらどうしよう!」「あれもこれも決まってない!」という感じで、課題がいろいろあるんです。

▲中西さんの「マインドマップ」ワーク。「ワークライフバランス」がテーマなので、中央にシーソーが描かれています。仕事のこと、家のこと、子供のこと、実家のこと。いろんな課題が山積していることが伝わってきます


T:あっちのトピックにも、こっちのトピックにも、「おかね」が出てきました(笑)。

南家:わかります!

▲Tさんの「マインドマップ」ワーク。四方に伸びるツリーの先に必ず現れる「おかね」というトピック。老後にしろ、子供にしろ、娯楽にしろ、仕事にしろ、蓄えが気になりますよね

トピック1:仕事をどんどん任せたい

箱崎:私の場合は「仕事をどんどんまかせたいな」というのが最初に出てきました。私が抱えている仕事をほかの人に渡すことで、各々の仕事量のバランスをとりたいという思いがあるのに加え、その仕事をやることで、任された人が成長し、次のステップに進んでくれればという思いもあります。どちらかというと、後者の思いの方が強いですね。会社がステップアップするためには、そこで働く人の成長が不可欠です。新しい仕事を任せることで、その人が成長できれば、会社も成長し、巡り巡って私自身のワークライフバランスの実現にもつながると思っています。

▲箱崎さんの「マインドマップ」ワーク。箱崎というお名前にちなんで「ハコ」からツリーを伸ばしたとのこと。「仕事をどんどんまかせたいな」「リーダーの育成」「社内の制度ととのえ、チーム作り」など、経営者ならではのトピックが目を引きます


箱崎:今は目先の仕事に時間をとられがちで、会社が抱えている本質的な課題に手をつけられずにいるんです。経営者として真っ先にやらなければいけない課題に早く着手するためにも、仕事を任せることが必要だろうと思っています。

南家:ご自分の仕事をほかの人に任せることで、会社の成長を促すと同時に、自身のワークライフバランスも実現させたいということですね。現在の箱崎さんは、ワークとライフ(ファミリー)のバランスにどんな課題を感じていますか?

箱崎:基本的に朝は私が子供の面倒を見ており、起床から、朝ご飯を食べさせて保育園に送り届けるまで、一通り担当しています。夜のお迎え以降は妻の担当ですが、南家さんは、この連載の第1回で「『迎え』の負担の方が大きい」と書かれていましたね。どちらかというと、朝はやることが少ない一方で時間に追われがちで、夜はやることが多い一方で時間の余裕はあるように思います。ただ、妻に週5日の「迎え」を任せきりにするのは確かに負担が大きいと思うので、週1日くらいは早く帰り、一緒に家事育児をすることを以前は心がけていました。

南家:「以前は」ということは、今は......。

箱崎:最近はちゃんとできていないなと、どうにかしたいなと、このインタビューをきっかけに認識を新たにしています(汗)。それに、昨日は実家に行った後、妻と2人で家事育児をしたので、万事がスムーズに進行しました。「週1日くらいは、これができると良いな」と改めて思いました。

南家:このインタビューが記事になることで「週1日は早く帰ってね!」というプレッシャーが、さらに大きくなりますね(笑)。

箱崎:そのくらいのプレッシャーがある方が、好都合です(笑)。2人で家事をやれば、早く子供を寝かしつけられて、2人の時間が確保できますよね。いつもよりゲームもできるかもしれない(笑)。ワークとライフのバランスをとるためには、自分が早く帰ることも必要なんだと思います。

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