記事の目次

    こんにちは。アニメーションアーティストの南家 真紀子です。第4回 前篇では、セガの鈴木こずえさん(CGデザイナー)に、以下の3つのトピックについて伺いました。

    トピック1:【悩み】「夫婦どちらかが早く帰る」「先輩がいない」
    トピック2:【行動】「産休育休ロードマップ」「働き方タスクフォース」
    トピック3:【変化】「時短勤務にもフレックスタイム制を適用」「在宅でのリモートワーク」

    前篇に引き続き、後篇では以下の3つのトピックについて伺います。

    トピック4:【共有】「コミュニティの広がり」
    トピック5:マインドマップトーク「家の話」
    トピック6:子供に勧めたい作品

    ※本記事は、取材時(2021年2月)に伺った情報を基に執筆しています。

    TEXT_南家 真紀子 / Makiko Nanke(makiko-nanke.mystrikingly.com
    EDIT_尾形美幸 / Miyuki Ogata(CGWORLD)



    ▲【左】鈴木こずえさん/【右】南家 真紀子(ZOOMにて取材に応じていただきました)

    トピック4:【共有】「コミュニティの広がり」

    南家 真紀子(以下、南家):トピック3の【変化】に続き、ここからは、コミュニティの詳細や活動の広がりについて、【共有】をテーマにお聞きします。まず、グループ各社の【共有】の場であるワーキングペアレンツコミュニティはどんな存在ですか?

    鈴木こずえさん(以下、鈴木):Teamsのコミュニティ内で意見を出し合うと、ひとりで悩んでいたときには想定していなかった解決策が見えてきます。また、意見をロジカルにまとめることで、悩みが「見える化」され、会社に伝えやすくなります。ひとり、ひとりが単独で行動するのではなく、同じ境遇の人々が集まるコミュニティの一員になることで、会社の中で安心して働けるようになったり、意見を伝えるチャンスが生まれたりするんです。

    そもそも、私個人は特に大きなアクションを起こしたわけではないんです。コミュニティ内の小さなアクションの積み重ねが、会社の制度に影響を与えるほどの大きな力に成長したんです。様々な悩みや課題を解決してきたのは、コミュニティの力なんです。

    南家:コミュニティでは、どのような悩みや課題が共有されていますか?

    鈴木:子育て用品・おもちゃ・子供服などの「リサイクル「あげます!」のお部屋」というスレッドはとても活用されています。「習い事・塾・受験等」というスレッドも、中学受験や高校受験の話題で盛り上がっていますね。コロナ禍が本格化する前にランチ会を開催した際には、子供の中学受験を経験した情報通のワーキングファーザーがアドバイスをしてくれました。

    ▲セガサミーグループのMicrosoft Teams内にある、ワーキングペアレンツコミュニティの「リサイクル「あげます!」のお部屋」スレッドの様子(プライバシー保護のため、部分的にモザイクをかけてあります)


    「保育園・学校・学童・PTA」のスレッドも重要です。例えば「入園前に一時保育に預けると、保育実績ができて入園選考で優位になりますか?」といった突っ込んだ質問や、それに対する回答が満載です。「病気・予防・治療」のスレッドも貴重です。「この症状はアレルギーでしょうか?」「同じ症状の人はいますか?」「良い病院を知りませんか?」などの質問への回答に加え、同じような症状の子供をもつペアレンツからの「こういう治し方もありますよ」といったアドバイスも共有されています。

    女性特有の不安な症状も、気軽に相談できます。ワーキングペアレンツコミュニティは「WM/WPコミュニティ(ワーキングペアレンツのコミュニティ)」と「WMコミュニティ(ワークングマザーだけのコミュニティ)」の2種類に分かれていて、WM/WPコミュニティでは話しづらい「婦人科系の病気」や「不妊治療」などの話題は、WMコミュニティで相談できるようになっています。こんな風に「ちょっとした不安を、気軽に相談できる場」って貴重だと思うんですよね。

    南家:参加者は実名で登録しているのでしょうか?

    鈴木:所属会社のメールアドレスで登録します。誰でもアクセスできるインターネット上の質問箱ではなく、グループ各社の社員限定のコミュニティですから、お互いの素性がわかっており、安心感があります。実名でも質問しやすい場になっていると思います。

    南家:グループ各社の社員限定とはいえ、約180人(当時)という規模ですから、質問や意見も多様性がありそうですね。

    鈴木:立ち上げ当初は人数が少なく、私と、もう1人の女性社員とで管理していたので、全ての質問に2人で答えていました。人数が増えてくるに従い、自然にやりとりが活発になり、意見の幅も広がり、管理者も楽ができるようになりました。今は私と、もう1人の男性社員の2人で管理していて、やる気あふれるワーキングファーザーで助かっています。保育園児の子供がアレルギーをもっていて、アレルギー情報に詳しいので、とても頼りにされています。最近は、Zoomを使ってワーキングファーザー限定の交流会も開催しています。妻とのパートナーシップなど、ワーキングファーザーだけで話したいトピックがあるそうです。こっそり聞いてみたいですけど(笑)。

    南家:今後の展望も教えていただけますか?

    鈴木:「リモートワークという選択肢の定着と拡充を働きかけたい」という願いがあります。その実現に向けて、コミュニティ内で意見を取りまとめ、要望として会社に提出したいです。現在のリモートワークはコロナ禍への対策として行われているので、コロナ禍が収束すれば従来の働き方に戻る可能性があります。でも、ワーキングペアレンツが抱える悩みや課題を解決する上でも、リモートワークという選択肢は有効なのです。コロナ禍が収束しても、当たり前にリモートワークが選択できるように働きかけていきたいです。

    南家:同業他社との【共有】についてもお聞かせください。トピック2では、社内のネットワーク上で公開していた「産休育休ロードマップ」の評判が同業他社にまで広がり、複数社に共有することになったと伺いました。同業他社との【共有】のきっかけは何だったのでしょうか?

    鈴木:CEDECへの登壇ですね。ワーキングペアレンツたちの働き方を共有し、新しい行動につなげるセッションを実施したのをきっかけに、Facebook上に会社の垣根を越えたワーキングペアレンツのグループがつくられ、交流が始まりました。さらにCEDECの登壇者とはSlackチャンネルでもつながっており、今も情報交換を続けています。その交流の一環で、バーベキュー会を開催したりもしました。今は開催を自粛していますが、コロナ禍が収束したら再開したいです。

    ▲バーベキュー会の様子。複数のゲーム会社のワーキングペアレンツと、その子供が集まり、それぞれの育児事情を楽しくシェアできたそうです


    南家:セガサミーグループのワーキングペアレンツコミュニティのような場が、同業他社の中でも生まれていくと良いですね。

    鈴木:実際「当社でもコミュニティを立ち上げました!」という嬉しい報告をいただいています。ゲーム業界内のワーキングペアレンツのコミュニケーションの場は、以前よりも拡充しているように感じます。ただ、あるゲーム会社の開発者からは「ワーキングマザーのコミュニティを立ち上げたけど、全然活性化しない」という相談を受けたことがあります。そのときは「マザーだけでは不十分です。ファーザーも入れましょう!」とアドバイスしました。

    ゲーム業界は男性の占める割合が圧倒的に高いので、ワーキングマザーだけではできることに限界があります。ワーキングファーザーに入ってもらうと、コミュニティが活性化し、意見の多様性も生まれます。コミュニティを広げるためには、男女に囚われることなく、ペアレンツとして連携することが不可欠だと、経験を通して確信しています。

    南家:鈴木さんに「ワーキングペアレンツコミュニティを立ち上げるためのワークショップ」の実施をお願いしたい方々もいそうですね。

    鈴木:ご要望があればぜひ! ご自分が所属する会社において、子育てしながら働く環境や制度が整っていない場合は「コミュニティをつくること」をお勧めしたいです。ひとりで抱え込まず、数名でも良いからコミュニティをつくり、情報共有をしてください。環境が整っていない会社では、情報を共有する仕組みがないので、当事者に子育ての制度が伝わっていないケースが多いです。総務や人事の担当者によくよく聞いてみると、「それを使えば楽だったのに!」というような制度の存在が明らかになったりします。まずは社内で情報を共有するしくみをつくり、他社とも共有できるようになっていくと、各社のノウハウが共有され、相乗効果で子育てをしやすい会社が増えていくはずです。

    子育てをしやすい会社が増えることは、ゲーム業界全体の発展を後押しすることにもつながると私は考えています。


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    マインドマップトーク「家の話」

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    トピック5:マインドマップトーク「家の話」

    南家:このインタビューに先立ち、鈴木さんにつくっていただいたマインドマップについてもお伺いします。現在の「ワーク&ファミリー」のイメージを見える化してもらったわけですが、「仕事」「家族」「コミュニティ活動」と同列に、「家」がありますね。この「家」について、ぜひ教えて下さい。

    ▲本連載では以前から取り入れてきたマインドマップを鈴木さんにも作成していただきました。このワークでは、ひとつのテーマを決め、5分の制限時間内で、思いつくトピックを、思いつくままに書き出していただきます。「まとめよう」「整理しよう」という意識は不要です。美しいマップをつくる必要はありません。思いついたトピックから連想して別のトピックを書き出し、さらにまた連想を広げていく、という風にどんどん枝を増やしていきます。結果的に、そこにはオリジナリティ溢れるツリー構造が生まれるわけです。このワークには、混沌としていたり、ぼんやりしていたりする目の前の状況や自分の考えを見える化する効果があります


    鈴木:まさに今、家の住み替えを実行中です。コロナ禍による生活の変化が主な理由ですね。現在の家は、子供が産まれた直後、今から10年ほど前に購入した1LDKのマンションです。リモートワークはコロナ禍が始まる前からテスト的に行なってきましたが、その頻度は週1回程度でした。それが突然「長期的、かつ夫婦共に自宅でリモートワーク」になり、問題が発生しました。夫も私もリビングで仕事をしているので、ミーティング中であっても子供が乱入してきます。2人のミーティング時間が重なってしまうと、お互いの声が混ざって集中できません。ほかにも様々な問題に直面し、もっと広い家への住み替えを考えるようになりました。

    南家:私はもちろん、読者の中にも共感する方々がいると思います。

    鈴木:しかもこのタイミングで、子供が「猫を飼いたい」と言うようになりました。夫も私も猫は大好きなので、できることなら飼いたいのですが、今のマンションはペット不可なんです。リモートワークの長期化、猫のこと、住んでいるマンションの築年数が約20年であることなどを考慮して、住み替えようという結論にいたりました。

    少し前から、夫も「ちょっと狭いな」と感じていたようです。近くの新築物件のチラシがポスティングされると、それをちょくちょく私に見せてくれていました。そのチラシの中に「ここ良いんじゃない?」という物件があったんです。なんと「近所で、広めの3LDK、ウォークインクローゼット有り」。リモートワークで重要となる通信環境も問題ありませんでした。

    南家:「リモートワークに適した家」として、通信環境以外に、どんな条件を求めていましたか?

    鈴木:単純に、夫婦それぞれと、子供部屋で、個室が計3つ。リビングもあって、さらに収納が今より増えたら有難いなって考えていました。一方で「寝室をどうするのか?」という課題があるので、3部屋をどう活用するか、今から考えています。ただ、1LDKの現状よりは改善されるはずです。

    私は今の街に20年ほど住んでいて、地元のお祭りが大好きなんです。「遠くへ引っ越すと、お祭りの神輿がかつげなくなる」という理由で、近所の物件を探していました。近所であれば、子供の学区変更も不要で、そのまま通学できますしね。子供が住み替えにとても乗り気なことも後押しとなりました。猫が飼えることに加え、自分の部屋をもてることが楽しみでたまらないようです。毎日呪文のように「早く引っ越したい」「待てない」とつぶやいています(笑)。

    そんなながれで、あっさり住み替え先が決まりました。心配だったのは「住んでいるマンションが売れるかどうか?」でしたが、売りに出した当日に「内見希望のご夫婦がいます。明日OKですか?」と不動産会社から連絡がありました。2日後には「すごく良かったから、購入を決めました」と連絡がきて、その即決っぷりに驚きましたね。「住み替え先のマンションの完成まで待ってくださるか」などの条件面もOKでした。おそらく、同じように住み替えをするご家庭が増えているのでしょうね。時流を感じます。

    南家:ワーキングペアレンツコミュニティで、家が話題になることはありますか?

    鈴木:家について相談する「住宅・リフォーム」スレッドがあって、私は「住み替えについて相談したいよ!」というトピックを立ち上げました。家のリフォームや住み替えには専門知識が必要なので、情報共有できる場があると本当に助かります。「一戸建ての利点は?」「マンションの選び方は?」「団体信用生命保険(団信)はどうする?」「○○区は子育てしやすい?」などの情報は大変参考になります。

    ▲前述のワーキングペアレンツコミュニティには「住宅・リフォーム」スレッドもあり、鈴木さんは住み替えについて相談したそうです(プライバシー保護のため、部分的にモザイクをかけてあります)


    南家:コミュニティの中でも、住み替えを検討する人は増えていますか?

    鈴木:家に関心が向いている人は増えてきましたね。「部屋数が足りなくて、ウォークインクローゼットで仕事をしている」「住み替えを考えたいけれど、コロナ禍の収束や、リモートワーク継続の可否を考えると踏み切れない」「このまま自宅にいられるなら、ペットを飼いたい」といった声が挙がっています。「働き方が変わったので、家の環境も変えたいけど、この状況がいつまで続くかわからないから躊躇している」という人が、潜在的にたくさんいると感じます。

    南家:鈴木さんのリモートワークは継続できる見通しですか?

    鈴木:コロナ禍が始まってからのリモートワークの拡充で、様々な実績が生まれました。私はリモートワークの恒久化を強く願っていますし、そのためにコミュニティから意見を上げていきたいです。

    南家:両親の働き方が変わったことで、子供に変化はありましたか?

    鈴木:子供は当初、両親がずっと家にいる状況を見て「働いていない」と思っていたようです(笑)。学校が再開しても自宅にいる両親のことを「ずっとサボっている」と思っていたらしく、「ずるい、ずるい! 私は学校に行くのに」と言っていました。

    そんな感じだったので、学校の休校中はよく仕事の邪魔をされて困りました。「私は仕事をしているんだよ」「コロナ禍で働き方が変わったんだよ」と何度も説明を繰り返しましたが、理解が難しかったみたいです。コロナ禍以前、子供は19時半以降しか両親に会えませんでした。それが突然「一日中、両親が家にいる」という特殊な状況に変わったわけです。異常にテンションが上がって、不安定になっていました。

    さらに休校中は、学校が大量の宿題を家庭に丸投げしてきて、めちゃくちゃ大変でした。先生たちが仕事として取り組んできた役割を親が肩代わりしつつ、従来の仕事もやる必要があり、完全にキャパオーバーでしたね。未曾有の事態ですから、会社に説明しても、なかなか理解が得られず、ただ耐えるしかありませんでした。私はコロナ禍が始まる前からリモートワークをお願いしてきましたが、学校の休校は想定外でした。

    あのときは本当に辛かったですが、子供も徐々に状況が理解できるようになり、今はすっかり落ち着いています。そうなると、今の状況の良い面も見えてきました。以前の夕食は、帰宅が遅くなる日は外で買ったり、デリバリーに頼ったりしていたのですが、最近はほぼ自宅で用意しています。これまでは平日に家族3人で食事をする機会はなかったのですが、今は毎晩家族で食事ができています!

    トピック6:子供に勧めたい作品

    南家:インタビューの最後に、ご自分が子供の頃に影響を受けたものと、子供に勧めたいものについてお聞かせください。

    鈴木:小学生の頃は、両親から「ゲームを1日30分以上やっちゃ駄目。目が悪くなる」と言われ、かなり制限されていました。そんな中で、一番最初に買ってもらったゲーム機がSG-1000(1983年発売/セガの家庭用ゲーム機第1号)でした。

    弟と私は、ファミコン(ファミリーコンピュータ)をお願いしていたのに、「ファミコンは売り切れてたから、セガのにした」って、両親が勝手に買ってきたんですよ(笑)。「なにそれ! ファミコンじゃない!」と、そのときは思いましたね。SG-1000をもっている友達はいませんでしたから、ゲームソフトの貸し借りもできなかったんですよ。

    でも、セガグループに入ってからその話をすると、「オレもそうだった!」って仲間がけっこういたんです。嬉しい驚きですよね。大人になって思い返してみると、SG-1000用のゲームのビジュアルは、テクノ感があって、かなりオシャレだったんです。小学生の私は「これじゃない」ってしょんぼりしていましたが、ときを経てデザイナーとなった今は「センスのあるデザインだったな!」としみじみ感じています。

    ▲鈴木さんはSG-1000で『フリッキー』『ロードランナー』などをプレイしていたそうです。上の画像は『フリッキー』(アストロシティミニ版) 


    南家:デザイナーとしての鈴木さんの原点に加え、セガグループとの素敵なご縁も感じます。本やアニメーションについてはいかがでしたか?

    鈴木:ゲームをプレイできる時間は限られていたので、ほかの時間は読書をして過ごしました。学校では毎年図書委員をやるほど読書が大好きで、「図書室の本を全部読もう!」と端から順番に読んでいました。特に興味のなかった鷺(さぎ)の本を、急に手に取って読んだりもしました。特に大好きだったのは『ナルニア国物語』(1950〜1956)です。クローゼットを開けるとナルニア国に行けるというストーリーにドキドキして、何回も読んでいました。『ドリトル先生』シリーズ(1922〜1952)も「動物の言葉が全部喋れるなんてすごい!」とワクワクしました。バッタが月に行くシーンがあったり、描き方にとても夢があるんです。

    私の子供も当時の私と同じ年頃(小学校4年生)になったので、最近は家で一緒に読んでいます。子供は特に『ドリトル先生』シリーズが大好きで、何度も「読んで! 読んで!」と言われます。『ナルニア国物語』はまだそんなに響いていない様子なので、もうちょっと経ってから、また一緒に読んでみようと思っています。

    アニメーションは、映画館で見た『風の谷のナウシカ』(1984)が好きでした。『ルパン三世』のTVシリーズ(1971〜)も好きで、よく見ていましたね。『風の谷のナウシカ』は、私の子供にはちょっと難しい部分もありますが、既に見せています。もう少し成長したら『AKIRA』(1988)も見せたいなと思っています。こうして思い返すとメジャーな作品ばかりで、特筆できるような話題はないですね。私はどこにでもいる普通の小学生でした。

    南家:とんでもないです。どれも、私も大好きな作品です。私の子供たちにも『AKIRA』を見せたいのですが、バイオレンスな表現が気になります。レイティングについては、どのように考えていますか?

    鈴木:子供への影響は、夫も私も気にしています。特にネット配信の場合、うっかりすると怖いものが混じっていますしね。例えば、最近流行っている『鬼滅の刃』は子供も私も好きですが、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2020)はPG12(12歳未満は、保護者の助言・指導が必要)ですね。「残酷な内容について、親がきちんと解説&フォローしてあげればいい」ということだと理解して、親子で楽しんできました。

    最近のゲームに関しては、皆さんのご家庭と似たような状況だと思います。Nintendo SwitchやPlayStation 4のゲームをよくやりますが、強いてお勧めするなら、アストロシティミニで『ぷよぷよ』をやるのが面白いですよ!


    南家:鈴木さんのポジティブ&パワフルなお話をお聞きして、私も気分が前向きになりました。きっと読者の皆さんも力をもらえるはずです。ありがとうございました。

    鈴木:皆さん、ぜひコミュニティをつくってつながりましょう。1人で悩まないで、一緒に協力して業界全体を改善していきましょう。私たちがこの業界に入った時代って、徹夜仕事が当たり前でしたよね。でも最近はかなり改善されて、ホワイティになりました。それでも世間から見ると「ゲーム会社の仕事は大変ですね」という印象が強いんです。私たちのような現場の人間が率先して声を上げて、改善の輪を広げていきたいです。私たちとつながりたい方や、コミュニティづくりに興味がある方は、ぜひお声がけくださいね。



    プロフィール

    • 南家 真紀子
      アニメーションアーティスト

      アニメーションに関わるいろいろな仕事をしているフリーランスのアーティストで、3人の息子をもつ親でもあります。
      〈仕事内容〉企画/デザイン/アート/絵コンテ/ディレクション/手描きアニメーション。アニメーションとデザインに関わるいろいろ。
      makiko-nanke.mystrikingly.com

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