記事の目次

    こんにちは。アニメーションアーティストの南家 真紀子です。第2回 前篇では、「マインドマップ」ワークを通してプラネッタの箱崎秀明さん(代表取締役/プロデューサー) 、中西優衣さん、Tさん(共にアーティスト)の思考を見える化し、ワークを通して引き出された以下の5つのトピックについて伺いました。

    トピック1:仕事をどんどん任せたい
    トピック2:子供の睡眠時間が短い
    トピック3:仕事の時間が限られている
    トピック4:自分の適性、自分の年齢、子供の成長
    トピック5:経営者から見た、仕事と育児の両立

    前篇に引き続き、後篇では以下の3つのトピックについて伺います。

    トピック6:働きやすさ、実際どうですか?
    トピック7:アレルギー・発熱・謝り疲れ
    トピック8:子供に勧めたい作品、与えたいもの

    ※本記事は、取材時(2019年12月)に伺った情報を基に執筆しています。

    TEXT_南家 真紀子 / Makiko Nanke(makiko-nanke.mystrikingly.com
    EDIT_尾形美幸 / Miyuki Ogata(CGWORLD)

    ▲左から、南家、中西さん、箱崎さん
    (Tさんは、ご本人の希望で、本名と顔写真は非掲載とさせていただきます)

    トピック6:働きやすさ、実際どうですか?

    南家 真紀子(以下、南家):トピック5では、スタッフの誰もが働きやすい雰囲気になるよう、箱崎さんが「新人は、入社1年目は残業NG」「育児にまつわる事情をあえてスタッフにも伝える」「遅刻や早退、休みの連絡を入れる際に『すみません』と書かない」などの取り組みをしていることを伺いました。中西さんやTさんは、働きやすさについて、実際にはどう感じていますか? スタッフとして、ワーキングマザーとしての意見をお聞かせください。

    中西優衣さん(以下、中西):とても働きやすいと感じています。一番ありがたいのは、勤務時間を融通していただけることです。私は12月に出産して、産後4ヶ月目にあたる4月に復帰しました。復帰直後は10時〜17時の時短勤務で、定時より2時間早く退社していましたが、すぐに「自分のやりたい業務が思うように回らない」という課題に直面しました。加えて、給与額が時短勤務で3/4になったのですが、子育て中ということもあり、余裕のある状態ではありませんでした。

    • 6月頃、社長の箱崎に「フルタイムに戻りたい」と相談し、定時より2時間早い8時出社、17時退社にすることで、フルタイムと同等の勤務時間を目指しました。社長はそれを許可してくださったんです。おかげで、充分に考える時間を確保できるようになり、焦ることなく、やりたい業務を正常に回せるようになりました。


    休みやすい雰囲気があるのも、当社の良いところだと思います。育児にかかわらず、各々の事情に合わせて勤務時間を細かく調整してくださるので、休みやすく、働きやすくもある環境です。

    箱崎秀明さん(以下、箱崎):従業員20名未満の規模なので、勤務時間の調整は難しくありません。ただ、産休後に復帰するのは中西が初めてのケースでしたし(※)、納期が迫ってくると、8時前に出社して前倒し残業をすることもあり、大丈夫かなあと注意深く見守っていました。

    ※Tさんの出産はプラネッタへの入社前。

    中西:どうしても仕事が間に合わないときは残業していますが、残業をすると翌日のパフォーマンスが落ちるんです。そのため、残業が必要なときは、なるべく休日前の金曜日にするなどの工夫をしています。

    南家:自身の体調や状況と付き合いつつ仕事を調節しないと、体力がもたないですよね。今は妊娠中ですが、仕事はどうなさっていますか?

    中西:体調が不安定な時期なので、残業は難しく、朝も遅れがちです。なので社長に逐一相談しつつ、仕事を調整しています。社長の席が近くにあるので、さっと行ってすぐに話ができるし、相談の時間をつくってもらいやすいことも、当社の良いところだと思います。Tをはじめ、ほかのスタッフにも相談しやすい雰囲気なので、例えば子育て関係の申請書類の書き方などはよく相談しています。

    箱崎:中西は朝早く来るので、落ち着いて話ができるという利点があります。「昨日休んでたけど、大丈夫?」といった個人的な内容でも、ほかのスタッフがいない時間なら話しやすいです。Tも比較的早く出社するので「昨日こんなことがあったんだよ〜」「それうちもあったあった!」「この病気が流行ってるみたいだから、気をつけてね」など、育児のこともよく話します。

    中西:ノロウイルス、手足口病、インフルエンザなど、子供がよく感染する病気や、季節ごとに流行する病気の話題は盛り上がります。「そちらの園ではどうですか?」といった情報共有が本当に大事なんです。子供が病気になって会社を休むときには「皆さんも気をつけてください!」という気遣いのメールを送りあったりもします。

    • 子供の病気って、子供だけでは済まなくて、親も感染してかなりつらい症状が出る場合もありますよね。だから私も気をつけなきゃいけないし、社内での感染も避けたいと思っています。以前、子供と同じ病気を時間差で夫と私も発症してしまい、本当に大変でした。


    南家:私もノロウイルスに家族全員が感染して、つらい経験をしたことがあります。自分の意識が朦朧としている中で子供のケアをするわけですから、本当に地獄のようなつらさですよね。社内で子供の病気のことを気軽に相談できるのは素敵な環境だと思います。Tさんはいかがですか?

    Tさん(以下、T):私も同意見で、話しやすく、相談しやすいと感じています。相談したことに対してきちんと対応もしていただけるので、ありがたいです。一方で、時間内に終わらなかった作業は、子育てなどの事情を抱えていない若いスタッフにお願いすることになるので、彼らの働きにも本当に感謝しています。私は入社直後から時短勤務をしており、いずれフルタイムで働こうと考えていたのですが、体調を崩してしまいました。それでも、自分の体調や働き方について気軽に相談でき、臨機応変に対応していただける環境だったので、今も時短勤務を続けています。

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    トピック7:アレルギー・発熱・謝り疲れ

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    トピック7:アレルギー・発熱・謝り疲れ

    南家:さて、次のトピックは中西さんが選んでください。子育てのあるあるトークをしましょう。

    中西:「ご飯」はどうでしょう? 息子の良いところは、ご飯をよく食べることです。先日は、夫用に買ってあったケーキを全部食べちゃったんです。次は何を食べさせようかな? 何を食べたら喜ぶかな? と考えるのが本当に楽しいです。生で食べるものや、アレルギーの可能性があるものは、最初に与えるタイミングを慎重に考えなきゃいけないんです。どの食材を、どの時期に、どんな調理方法で与えるか、息子の食事について考えることが今の楽しみになっています。

    箱崎:蕎麦は食べさせました?

    中西:食べました! 大好きですよ!

    箱崎:うちはまだ試してないんですよね。今年の年越し蕎麦(※)は一緒に食べられないんじゃないかな。「新しい食材を子供に食べさせるときは、万が一を考えて病院が開いている時間に」という指導を受けたのですが、共働きなので平日は難しく、試せるタイミングは土曜日しかないんですよ。でも土曜日って意外と予定が入ってしまい、蕎麦を試すタイミングを逸しています。

    ※2019年12月取材のため、同年末の年越し蕎麦について語っています。

    T:私はそこまで気にしなかったですね。息子と一緒に外食したときにうどんを食べたのですが、お店では、うどんも蕎麦も一緒に茹でているケースが多いですよね。そこでアレルギー反応が出なかったので、大丈夫かなと思ったんです。息子の保育園の対応がしっかりしていて、アレルギーが心配される食材を提供するときには事前確認があったので、心配が少なかったです。一度、魚を食べたときに唇がすごく腫れて心配しましたが、それ以来同じことは起きておらず大丈夫そうです。

    南家:中西さんの息子さんは、食事に関する心配事はまったくありませんでしたか?

    中西:今は健康優良児ですが、心配な時期もありました。乳糖不耐症でずっと下痢が続き、看病のために出社できない日が続いたんです。ただ、育児の先輩であるTが、入園後の最初の6ヶ月くらいはいろいろなトラブルが待ち構えていて、半月以上出社できないような事件も容易に発生すると事前に教えてくれました。その助言があったから、子供の看護が長引いても「Tさんの言った通りだった!」と驚きつつも受け止めることができたし、焦らず子供の体調に寄り添うことができました。そんな私の状況を、社長やスタッフも理解してくださったので、なんとか乗り越えられました。

    T:入園当初は、新しい菌を挨拶代わりにもらってくることがよくあるんですよね。治ったと思ったら次の病気、みたいな(笑)。

    中西:そういう大変な時期を経て、今は本当に健康に育っています。

    南家:子供の病気などで急なお迎えや欠勤が発生した場合は、どうなさっていますか?

    中西:たまにかかってくる、保育園からの「発熱しました」という電話は怖いです。仕事に集中していた気持ちが、急激に動揺してしまいます。

    箱崎:仕事のスケジュールも吹っ飛びますしね。

    中西:基本的に、私が迎えに行くようにしています。息子にとっては私の方が落ち着くようなので。ただ連日の看護は難しいので、初日は私が担当して、2日目は夫が担当するなど、交互に仕事を休んで、お互いの仕事に大きな影響が出ないようにしています。融通の効く時期であれば私が多めに休み、多忙な時期であれば「今、会社を休むことは無理」と夫に伝えて交渉します。社長は、保育園から電話がかかってくると、ご自分で迎えに行きますよね。

    箱崎:はい。妻の職場は保育園から遠く、私の方が近いからです。お迎え後の看護は、仕事の状況によって、妻と分担しています。例えば、私がお迎えに行ってから帰宅し、遅れて帰宅した妻に看護をバトンタッチして、再び会社に戻る場合もあります。子供の看護は試行錯誤しないとやっていけないですね。こういった発熱やお迎えの対応も含め、私もTから事前にいろいろ教わっていたのでありがたかったです。

    南家:経験豊かなTさんの存在は大きいですね。

    中西:そうなんです。Tから事前に聞いていた事象が、実際に発生することが多くて、その度に「お聞きしていたことが起きました!」と報告しています(笑)。

    箱崎:私がそれを実感したのは「ゲップ」ですね。「ゲップが出たんだか、出てないんだかわからなくて、悩んでしまった」という話を事前にTから聞いていたので、実際に自分がその立場になったとき「こういうことか!」と納得しました。

    T:生まれたばかりの時期って、ゲップひとつに悩み、体重が減ったと医師に言われては悩みと、気を使いますよね。

    南家:皆さんは、以前からよく話す間柄でしたか?

    箱崎:自分が子供をもってから、会話をする機会が増えましたね。身近にTの存在があったので、「ほかのご家庭はどうだったんだろう」と聞いてみたくなり、話しかける頻度が増えました。後日、その会話に中西も加わった次第です。

    南家:3人の会話をお聞きしているだけで、普段からよくお話されている雰囲気が伝わってきました。アレルギーや発熱への対応は、子育ての大きな心配事ですよね。育児の経験を共有してくださるTさんの存在はもちろん、社長が「蕎麦は食べさせました?」と気軽に聞いてくれたり、あえて「すみません」と書かないよう心がける環境って、本当に大切だと思います。

    箱崎:以前、Tと「謝り疲れ」の話をしたんですよね。

    T:子供が泣いたら「すみません」、電車に乗っても「すみません」、抱っこしてる子供の足が当たったら「すみません」、いつもいつも「すみません、すみません」。とにかく人に気を使って謝らなければいけない機会が多すぎて、どこか誰もいない場所に行きたいと思うことがある、という話をしました。

    箱崎:そうなんですよね。「なんでこんなに謝ってるんだろう?!」と感じます。特に女性は「責められている」と感じる機会が多いようです。私が「男の子だから、多少騒いでも、こんなもんじゃないかな」「まあいいか」と思うような状況でも、妻は私よりずっと気を使い、静かにさせようと一生懸命努力してくれます。

    T:世間的には、お父さんが子供の世話をしていると「微笑ましい」と感じる空気があります。でもお母さんが子供の世話をすることは当然で、少しでも目を離すと「母親のくせに何やってんの!」と叱責されますよね。

    中西:確かにそうですね。

    箱崎:そうなんですか? じゃあ私はそもそも育児能力レベルが「低い」と見られているのかなあ。

    南家:育児において「夫(父親)」の立場を下に見る風潮に対し、私も疑問を感じることがあります。家事育児に参画しない夫へのアプローチとして「ご主人を褒めて伸ばしてあげましょう」「ダンナを手玉にとる方法」などの言葉を目にしますが、この言い方がそもそも対等じゃないですよね。パートナーなんだから普通に話せばいいのになと思います。男女の役割に対する固定観念は困ったものですね。箱崎さんは、男性として、そういう風調が気になることはありますか?

    箱崎:ありますね。保育園からの連絡帳には、大抵の場合「ママへ」と書かれているんです。でも、家庭への連絡だから私も読んでいるんですよ。なぜ「パパ・ママへ」と書かないのかと疑問に感じています。

    • それから子供の通院時に、私のようにパパ1人が付き添うケースは少ないんです。大抵、ママが付き添うか、パパがいてもママの付き添いという感じです。ママ同士は初対面でも「何ヶ月ですか〜?」というように会話が弾むのですが、私との間には見えない壁があって、男性が1人で子供を抱えていても、誰も話しかけてこないんです! だからこちらも気を使ってしまい、さっさと用件を済ませて帰るのが常ですね。自分自身、なんとなく男性が女性に子育ての話をふるのは変なのかな? と感じており、自分から話しかけることができないんです。


    南家:そんなとき、女性は箱崎さんに話しかけてもいいということですか?

    箱崎:全然いいです! 私から女性に話しかけることもOKでしょうか? 変じゃないですか?

    中西:全然いいと思います。

    T:女性・男性関係なく「親」ですもんね。

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    トピック8:子供に勧めたい作品、与えたいもの

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    トピック8:子供に勧めたい作品、与えたいもの

    南家:最後に、皆さんが子供の頃に見て感銘を受けた作品や、子供に勧めたい作品、与えたいものをお聞きしたいです。その人の創造性のルーツや、子育ての考え方が見えてくるので、大変興味があります。

    箱崎:すごく悩ましいです。思い浮かぶ作品は本当にたくさんあるのですが、なんとか2つに絞りました。1つめは漫画の『聖闘士星矢』(1986〜1990/作者:車田正美)です。私自身は、親の影響で子供の頃は漫画をほとんど読んでおらず、大人になってから読み始めました。でも自分が読んで面白かった作品は、子供にも読んでもらいたいなと思っています。小学生になったらこれ、中学生になったらこれ、というように子供の年齢に合わせて徐々に勧めていきたい作品がたくさんあるので、それらを集めた「こども文庫」を自宅に設けたいと考えています。その中に入れたい作品の筆頭が『聖闘士星矢』です。

    余談になりますが、息子は蟹座なんですよ。出産予定日は7月後半だったので獅子座になれると思ったのですが、出産が早まることになり「蟹座と獅子座とでは、全然ランクがちがう!」と焦ったものの、妻には「まったく意味がわからない」と一蹴されました。

    南家:デスマスク(蟹座)は、台詞が「い~かげんにしろっぴ!」や「あじゃぱー!」だったり、黄金聖衣に見放されたりと、散々な扱いでしたからね(笑)。

    箱崎:ただ、スピンオフ作品の『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』(2006〜2011/原作・原案:車田正美/作画:手代木史織)のマニゴルド(デスマスクの先代)は、同じ蟹座でも扱いがすごくいいので「蟹座でもいいじゃん!」と思い直したんです。後日、妻から「蟹座のことはもういいの?」と聞かれたときには、「全然いいんだよ。だって教皇の直弟子だからね」という、通じない返答をしました(笑)。本作の黄金聖闘士は、大人の目線で見ても格好良いと感じるし、夢中になれると思うんです。私が根っから好きな本作を、息子が読んだらどう感じるのか、聞いてみたいと思っています。

    南家:私、なんだかすごく面白いものを引き出してしまった気がします(笑)! 2つめはなんですか?

    箱崎:『スーパー戦隊シリーズ』です。でも、私の幼児期に放送していた本作は、怖くて見ていませんでした。出渕 裕さんが参画され、デザインがシュッとしてきた『超電子バイオマン』(1984〜1985)の頃から見られるようになったんです。すでに小学生になっていましたが、自分もやっと同年代の友人たちの仲間入りをしたような、嬉しい気持ちでした。

    その後、大人になってからは見なくなっていたのですが、友人が「最近のスーパー戦隊は変身シーンのCGがすごいよ」と教えてくれて、30歳くらいから再び見始めたら面白くて、今は息子と一緒に見ています。まだ息子は2歳なのでストーリーが理解できていませんが、わかる年齢になったら、一緒に見ながら話をしたいなと楽しみにしています。ヒーローショーにも連れて行ったことがあり、今は女の子のファンも結構来ていますね。

    南家:そうみたいですね。『忍者戦隊カクレンジャー』(1994〜1995)で鶴姫(ニンジャホワイト)が初の女性リーダーとして登場したり、『獣電戦隊キョウリュウジャー』(2013〜2014)で白人男性のロバート・ボールドウィンがラミレス(初代キョウリュウシアン)を演じたりしたのを見て、スーパー戦隊の世界にも多様性がやってきたなと思いました(笑)。

    箱崎:ブルーを女性が演じることもありますしね。同じ放送枠で長年継続してきた番組なので、今年はどういうアイデアを出してくるのか? と期待できて楽しいんです。いつも突き抜けた斜め上の発想がすごいなと思っていて、大好きなので、今後も息子に勧めたいです。同じ特撮番組でも『仮面ライダーシリーズ』は、子供が怖がって泣いちゃうこともあると聞きますよね。『仮面ライダーシリーズ』は『スーパー戦隊シリーズ』よりもターゲットの年齢層が高いので、小さい子供にはちょっと難しいんだと思います。「作品にはそういう事情もあるんだよ」というような制作者側の話も、息子が理解できる年齢になったらしてみたいですね。

    南家:中西さんは、息子さんに勧めたい作品はありますか?

    中西:私は「特にこれを見せたい」と思うような映像作品はないんです。息子自身の自発的な興味を引き出したいと思っているので、息子が気になっているものや、好きなものがわかったら、それを徹底的に与えてみて「さてどういう反応をするのかな?」と観察するようにしています。今は、映像作品ではなく、ブロックや、型はめパズルなどの玩具を集中的に与えています。息子は『アンパンマン』が好きなので、ブロックを一生懸命に組み上げて、「アンパンマン」や「ばいきんまん」をつくっちゃうんですよね。

    南家:すごいですね! 2歳ですよね?


    中西:さすがに立体的な形はつくれないのですが、「アンパンマン」や「ばいきんまん」と同じような配色になるよう、たくさんあるブロックの中から自分で色を選んで、並べる順番を考えて、それっぽいものをつくる作業に熱中しています。そうして出来上がったら、「これは『アンパンマン』、これは『ばいきんまん』」と教えてくれるんです。息子のその発想力を見ていると、息子だけでなく、私自身もすごく楽しくなります。

    なので、息子が自分で考えてクリエイションできるものを与えるようにしています。最初から「これがいいよ」と決まったものを与えるより、素材だけがたくさんある状態を用意してあげて、「さあ自由に遊べ!」という環境をつくるよう心がけています。

    南家:なるほど。それはとても素敵なことですね!

    中西:ひょっとしたら、将来キャラクターモデラーになれるかもしれませんね(笑)。ちなみに、プログラミングは英才教育をする予定です。夫がプログラマーですしね。たぶん小学生になる頃には、自分でゲームをつくれるようになっているんじゃないかと思います! プロシージャルモデリング(※)なんかも使ってね。

    ※数式などを利用して3Dモデルを生成すること。植物、建築物、流体など、何らかの規則性をもった物体や現象の表現に適している。

    T:自分の学費を自分で稼げるくらいになってたらすごいですね! 「あ、ちょっと納期なんで」みたいな会話をしてそう(笑)。

    箱崎:ひえー、レベル高ぃ〜。

    南家:Tさんの息子さんは、どんなものに興味がありますか? 勧めているものはありますか?

    T:私の息子もヒーローものが好きで、夫と気が合うようで、半世紀くらい前の、父親世代の作品の主題歌を2人でお風呂で熱唱していますね(笑)。実は、私自身が子供の頃に影響を受けた作品をあまり思い出せないんです。ただ、絵本の『モチモチの木』(1971/作:斎藤隆介作/絵:滝平二郎)が怖かったというのは記憶しています。でも名作なので購入して息子にも与えましたが、やはり息子も怖かったようで「これはいらない」と言われました(笑)。

    小説に関しては、星 新一が好きだったので、息子も興味をもったらいいなという気持ちはあります。でも、自分の趣味を押し付けたくないんです。だから家のどこかにそっと置いておこうかなと。いつの日か息子がそこにたどり着き「面白かったよね」と感想を共有できる日が来たらいいなと思います。

    南家:そんな日が来るといいですね。本日はいろんなお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

    プロフィール

    • 南家 真紀子
      アニメーションアーティスト

      アニメーションに関わるいろいろな仕事をしているフリーランスのアーティストで、3人の息子をもつ親でもあります。
      〈仕事内容〉企画/デザイン/アート/絵コンテ/ディレクション/手描きアニメーション。アニメーションとデザインに関わるいろいろ。
      makiko-nanke.mystrikingly.com

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