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Vol.115 桜

Vol.115 桜

本稿の執筆時は何かと暗いニュースが多かったので、少しでも明るい気持ちになってもらえるように......、と気持ちが華やぐモチーフを選びました。また、この記事が店頭に並ぶ頃は、ちょうどお花見の季節ですよね。エンターテインメントの仕事は、幸せを与えることができる素晴らしい仕事だと思っています。

※本記事は月刊「CGWORLD + digital video」vol. 261(2020年05月号)からの転載となります。


TEXT_早野海兵 / Kaihei Hayano(画龍)
EDIT_三村ゆにこ / Uniko Mimura(CGWORLD)、山田桃子 / Momoko Yamada

Method 1:リアルタイムレンダリング

リアルタイムレンダリングはゲーム制作の独壇場ではありますが、ポツポツと映像業界にも新しい芽が出始めています。近い将来、「昔はレンダリングに何時間もかかってね」なんて、お茶を飲みながら話すことでしょう(笑)。新しい技術に対しては、躊躇せず親しみをもって受け入れていく。映像業界で生きていく上で、そういった柔軟な姿勢は必要ですね。さて、「和クリエイティブ」シリーズ第4弾となる今回は、季節に合わせたモチーフを選びました。日本は四季が豊かで、毎月何かしら季節のイベントや行事があります。4月といえば、日本の春を代表する植物「桜」ですよね。日本人にとって非常になじみ深いモチーフで、筆者も過去に何度も仕事で制作しています。今回は、そんな桜に人工的なモチーフと融合させてみることにしました。日本の伝統的な道具である「かんざし」にレトロなからくりを組み合わせて、自然と文化と未来の共生を表現しています。


Method 2:感覚のモデリング


▲今回はモチーフのポージング(シルエット)にこだわりました。シンプルなモチーフは、何よりもシルエットが重要です。


▲フリーハンドスプラインを使って、ラフスケッチのように納得するまで何度もくり返しラインを描きます。


▲スケッチが上手くいっても少し何かを付け足すとながれが止まってしまい、シルエットがまとまるまで何十回と描きました。そういえば、書道家は1枚の書を仕上げるのに何百枚も同じ字を書き込んで練習をするそうですね。


▲納得のいくラインが描けたら、そのラインにラフモデルを配置します。配置のバランスを見ながら決めていきましょう。

Method 3:ゼネラリストの強みを活かしたシーン作成

1:花を考える


▲ガラス細工のかんざしをつくろうと思います。まずはベースからつくっていきましょう。ここはあれこれと考えるより、まずは本物に忠実に。


▲デザインに雰囲気をもたせるため、表面にラインの模様を付け足します。


▲ラインの模様や細かい花弁は裏側にも付け足します。


▲本物のかんざしは針金のようなもので組み合わせていくのですが、今回はカラクリのような機械パーツで組み合わせてみました。


▲ちなみに、パスの変形をするとモデルが壊れるというエラーが突如発生。スムーズをかけると解消するのですが、不安なので一体化モデルはあきらめました(苦笑)。

2:模様にひと味


▲ガイドのローモデルに合わせてハイモデルを配置していきます。3ds Maxはこういった作業が得意ですね。


▲細かい重なりなどは手作業で微調整した方が早かったりします(笑)。


▲全体を配置してライティングします。

3:コンポジット


▲レンダリングしたままの画像をAfter Effectsにもってきます。色味はAfter Effectsで付ける予定でしたが、繊細な画なので被写界深度はレンダリング上で行いました。


▲素材を重ねて、全体的に明るく光の方向を強調しています。

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