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Vol.119 東京

Vol.119 東京

今年の『画龍点睛』のテーマは日本の良さ「和クリエイティブ」です。そんな今回のモチーフは「東京」。日本の首都である東京に願いを込めて制作しました。

※本記事は月刊「CGWORLD + digital video」vol. 265(2020年09月号)からの転載となります。


TEXT_早野海兵 / Kaihei Hayano(画龍)
EDIT_三村ゆにこ / Uniko Mimura(CGWORLD)

Method 1:街の進化

かつては苦労してあまり正確ではない「街」をごまかしつつ制作していたのですが、今回のテーマ『東京』をつくりながら、「なぜこんなに簡単にできてしまうんだろう?」という言葉がつい口から漏れてしまいました。技術の進歩は素晴らしいと思うと同時に、知らなければこれほど損をするのだなと実感。「CGにおいて情報は本当に大切」、そんなことを改めて考えさせられる作品となりました。さて、長くCG制作をしているといくつかのループ制作物に遭遇します。ループ制作物とは、制作頻度の高いモチーフということと、つくるたびに技術の進歩や力量、知識によって進化していく制作物のことで、例えばこれまでに何度かとりあげた花や木、海などの大きな枠組みのモチーフなどです。そして今回は街。山、海、森などと同様に、エンバイロンメントアーティストにとって、日常茶飯事なモチーフのひとつでもあります。街の制作は自然物とちがってごまかしが利かず、手間がかかる作業という印象がありますが、映像や場面描写においてこれほど1カットで説得力のあるモチーフはありません。このカットがあれば、「あ、東京だな」と誰しもひと目で判断できるわけですからね。



Method 2:制作前のアプローチと街並み


▲地図アプリで真っ先に思いつくのはGoogle Mapですが、以前にも紹介したGoogle Earth Studioを使ってアングルの参考にしようと考えました。


▲見ているうちに「これでレンダリングすればいいのでは」と思いましたが、著作権なども考慮すると再調整する余地があまりないので、アングルを決めた後はしっかりとCGツールで作成することにします。


▲後述しますが、Blenderのアドオンを使用して街並みを作成しました。


▲Blender で入手したデータを3ds Maxにもってきました。なかなか細かい。


▲テクスチャを貼ると、これだけでもかなり見映えがしますね。

Method 3:ゼネラリストの強みを活かしたシーン作成

1:配置はアナログで


▲ビルのテクスチャは、適当なビル素材を探してきて割り当てました。


▲遠景の背景は画像1枚だけでやったりもしますが......。


▲やはり、街並みにきちんとしたモデルがあると、存在感もリアリティも全然ちがいますね。


▲最終的なシーン。雲も写真ではなく立体感を出してみました。


▲レンダリングした画像をAfter Effectsにもってきます。この時点ではカラコレしていません。


▲アップで見ても、かなり詳細な部分まで迫力があります。モデルでつくって良かったです。


▲ディテールを追加するためにエレメントは欠かせませんね。これは反射のエレメント。


▲カラコレはちょっとズルをして、LUTを利用してみました。世の中にはこんなに素敵なLUTがたくさんあるのか(笑)


▲最終的にはこのような感じのLUTを適用しました。


▲もう少しだけ微調整したいので、トーンカーブを大きくして細かい調整をします。

2:素材を分けてコンポジット


▲空撮の雰囲気を出すために、うっすらとフレア素材を乗せています。


▲最終的に調整して、シネマティックな雰囲気を演出してみました。

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