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第3回:カラーマネジメントに適した機材とは?

第3回:カラーマネジメントに適した機材とは?

こんにちは、パーチの長尾です。前回(第2回)は、カラープロファイルについてお伝えしましたが、いかがでしたか? カラーマネジメントを意識し始めたら必ず出てくるのが カラープロファイルガンマ ですよね。何がどう違うのか? どんな意味があるのか? が分かってきたのではないでしょうか。

今回は、カラーマネジメントを導入するために必要な機材について解説していこうと思いますが、ちょっとその前にカラープロファイルの続きで、自分が採用すべき色基準(プロファイル)のことを決めておきましょう。それでは、今日も一番大事なポイントを絞り込んで、"難しいことをわかりやすく" の精神で頑張ります。最後までおつきあいください!

代表的なプロファイル どれを基準にすべきか?

現在のカラマネ(カラーマネジメントシステム)は、 ICCプロファイル というものが主に利用されています。プロファイルは機材の色特性を測って記述したファイルですが、機材を測らずに理論的に定めたプロファイルがあり、その中で最も有名なのが、私たちがよく耳にする 「Adobe RGB」と「sRGB」 に加え、「Rec. 709」「DCI」 などの各種団体が定めた規格が挙げられます。

なぜこのようなものが必要かというと、例えば「ある人が使用しているモニタ」を測定したプロファイルを基準にした場合、モニタ同士の性能差もありますし、さらにモニタは時間経過と共に色が変わっていく( "経年劣化" と言います)ため、数ヶ月後には基準色が変わってしまいます。そこで考え出されたのが理論的なプロファイルを使った管理方法で、「特定の機材を基準にせず、1つの理論的なプロファイルに機材の方を合わせる」 という手法が使われるようになりました。そのために定められたのが、上述の標準色空間とそのプロファイルです。カラマネを導入してパイプラインを作る時は、基準プロファイルを決めて、そのプロファイルに全ての機器とソフトウェアを合わせる方法を採ります。また、モニタ、プリンタ、スキャナなどの機材メーカーさんも、この基準プロファイルに合わせて製品を作っています。だから「Adobe RGB 対応モニタ」 といったような表記がされるわけですね。

それでは、あなたはどの基準を採用しますか? 選びやすいように、職種別にお勧めをまとめてみましたので、これを参考に決めてみてください。一覧表には業種ごとに利用する出力機器と、その機器の代表的なプロファイル、そしてお勧めのプロファイルを載せました。

業種別《推奨カラープロファイル》一覧表

業種別《推奨カラープロファイル》一覧表
 

基本的には 1 つの基準プロファイルを設けることをお勧めしますが、出力機器が複数になるために基準プロファイルを複数持つことになる場合もあります。

カラーマネジメントに適した機材を選ぶ

3DCG を制作する際に最も重要な機材は、やはりモニタですよね。1 日の大半をモニタと一緒に過ごす、そんな方が多いのではないでしょうか。そして、この連載を読んで頂いている方の中には、物体(建築素材、モデル、製品の塗装サンプルなど)を CG で再現する場合もあると思いますが、そうした場合はモニタの他に、スキャナ・カメラ・プリンタ・照明などの機材が必要となります。そこで今回は、既にカラマネ導入が始まって 10 年が経つ、印刷・写真業界で評価が確立された製品を紹介しますので、複数の機材を購入テストする手間とコストを削減してください。

その前に、1つアドバイスがあります、私がカラーマネジメントに関わって 10 年が経ちます。その間、非常に多くの機材に触れ、必要に応じてワークフローへの導入を行なってきたのですが、その時に大きな誤解というか思い込みによって、いらない手間をかけてしまいました。それは、「元々の特性が良くない機材を調整するには限界がある」ということでした。「当たり前じゃないか!」と笑わないでくださいね。「モニタに測色機を使ってプロファイルを作れば、どんなモニタでも色が合う」と思っていたんですが、いくら調整しても色が合わない、何でだろう? と泥沼にはまってしまいました。それまで意識したことがなかったのですが、モニタは機種によって大きく発色特性が異なっていて、色再現が歪んでいるのですよね。
新規導入時には "元々の特性が良いものを購入" し、既存の機材については "調整作業によって補正できる幅を決めておく"、この2点が大事なポイントだと意識しておくとカラマネ導入がスムーズになりますよ。

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