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第6回:3DCGソフトのカラーマネジメント設定(Maya編)

第6回:3DCGソフトのカラーマネジメント設定(Maya編)

こんにちは、パーチ の長尾です。前回(第5回)Autodesk 3ds Max のカラー設定について解説しました。設定自体は非常に簡単で、拍子抜けするほどでしたね。ただ、モニタの調整が適切に行われていないと、色が合わないことも判ってきました。この連載でもなるべく設定などを先に書きたかったのですが、それだけでは色を合わせることができないので、設定時の問題を理解するのに必要な知識を先に伝えるようにしました。さて、今回は主要 CG ソフトのもう一翼を担う Autodesk Maya です! バージョン 2011 からカラーマネジメント(以下、カラマネ)に対応した Maya の設定について解説していきます。いつも通り 「一番大事なポイントを絞り込んで、難しいことをわかりやすく」 してありますので、最後までお付き合いください。

 

Maya 2011 以降のカラー設定:基本的な設定

Autodesk Maya は、バージョン 2011 からカラマネに対応しました。素晴らしいですね! ここでは、基本的な設定と注意点についてお伝えします。

Maya には基本的な設定をするところが2カ所あります。

<その1> レンダー設定/共通/カラー管理

<その2> レンダー ビュー/ディスプレイ/カラー管理

<その1> のカラー管理は、テクスチャなどの画像を入力する時と、レンダリングした画像を出力する時の管理をしてくれます。それと、レンダリング時のデータにも影響します。ワークフローに合わせて入力と出力のプロファイルを設定してください。どのプロファイルを選ぶかは、第3回の「業種別 推奨カラープロファイル 一覧表」 を参照してください。

カラマネに対応するモニタの代表は EIZO ColorEdge シリーズ ですが、最近発売された機種には 内蔵キャリブレーションセンサー が搭載されるようになりました。

前々回(第4回)「カラーマネジメントに適したモニタの秘密」 でお話ししたように、カラマネには 「測色機を使ったキャリブレーション」 が必要になります。そのため測色機を別途用意しますが、それが本体に内蔵されると、測定の簡易化と自動化が可能になるのです。
また スケジュール機能 を利用すれば、夜間に自動でキャリブレーションするといったことができるので、管理者の負担は格段に減るでしょう。私も定期的(月に1回程度)に全てのモニタを調整していますが、少し間が開いてしまったり、忙しい時は面倒だったりするので、この作業から解放されるのはありがたいですね。この内蔵キャリブレーションセンサーについては、ナナオ公式サイトに、実際の動作が判る動画 があるので確認してみてください。

Maya 2011:[カラー管理を有効化]にチェック

[カラー管理を有効化] にチェックを入れると ON になり、以下のプロファイルが有効になる
 

Maya 2011:[カラー管理]ON/OFF 比較

「カラー管理」の ON/OFF でレンダリング結果が異なります。ON にした場合は、モニタの影響(ガンマがかかる)を加味して色補正するので、現実世界に近い結果になる。Maya が行なった計算結果を正しく反映したと言える
 

入出力の画像管理は、その都度行うこともできます。ただし、特別な理由がない限りレンダー設定のカラー管理と同じものにしてください。不一致になると本来の色が再現されなくなります。テクスチャ画像を取り込む時に、カラー管理で設定できるプロファイルと同じものを指定できます。また、一度設定した後でも変更することができます。基本になっている [デフォルト入力プロファイルを使用] を選ぶと、レンダー設定のカラー管理で選んだ [デフォルト入力プロファイル] が使用されます。

Maya 2011:平面オブジェクトにビットマップ画像を貼り込んだ状態の比較

平面オブジェクトにビットマップ画像を貼り込んだ状態。「カラー管理」は入出力ともに sRGB を設定。マテリアルに貼り込んだ画像を指定している「ファイルアトリビュート」内の「カラープロファイル」を指定することで、入力画像の色管理ができる。下部3点のプレビュー画像は、sRGB の色空間で制作した画像を入力した際に、設定を変えてレンダリングした結果

「リニア sRGB」 は、逆ガンマがかかっている画像をリニアとして取り込んだため明るくなった
「sRGB」 は、適正に表現された
「Rec.709」 は、sRGBよりガンマ値が低いので、レンダリング設定のカラー管理で設定した sRGB と不一致となり、少し明るくなった
 

レンダリング画像を保存する際にもプロファイルを選ぶことができます。この場合も、特別な理由がない限り「カラー管理」と同じものを選んでください。

Maya 2011:レンダリング画像の保存時の設定画面

レンダリング画像の保存時の設定画面。[カラー管理イメージの保存] を選ぶと、カラー管理の出力プロファイルが効いた適切な画像が保存できる
 

レンダー ビュー/ディスプレイ/カラー管理

<その2> のカラー管理は、レンダー ビューの表示に関する色管理をしてくれます。レンダリング結果の見た目の画像を管理しているので、基本的にはレンダー設定のカラー管理と同じものにしてください。「この画像を HDTV で見たらどうなるだろう?」といった時のシミュレーションとして有効な機能と言えるでしょう。

Maya 2011:レンダー ビューのメニューバーから[ディスプレイ→カラー管理]を選択

レンダー ビューから設定を呼び出します。ディスプレイから「カラー管理」を選ぶと、[defaultViewColorManager] アトリビュート エディタ が開きます。[イメージのカラー プロファイル] はレンダリングしたデータの色を変更し、[表示カラーのカラー プロファイル] は見た目の色を変更します
 

Maya 2011:「カラー管理」で sRGB に設定してレンダリングした画像の見た目を変更した例

「カラー管理」で sRGB に設定してレンダリングした画像の見た目を変更した例。
<上>:[表示カラー プロファイル] を「リニアsRGB」に変更
<下>:[イメージのカラー プロファイル] を「リニアsRGB」に変更
 

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