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第11回:どんな管理が必要? 管理を楽にするポイント

第11回:どんな管理が必要? 管理を楽にするポイント

こんにちは、パーチ の長尾です。前回(第10回)は、「導入にまつわる問題」 について、モニタを導入して初めて気がつくポイントを解説しました。今回も導入にまつわる問題についてお話しします。導入した機材と、ソフトの調整には「管理」が必要になります。このとき気になるのは、「実際にどんな管理が必要になるのか」で、現場で思うのは「管理に手間を掛けたくない、楽になるポイントが知りたい」というところですよね。今回はそうした部分を解説していきます。それでは、いつも通り 「一番大事なポイントを絞り込んで、難しいことをわかりやすく」 してありますので、最後までおつきあいください。

 

管理するもの《管理は2つの軸に分ける》

カラーマネジメントに必要な機材には、時間が経つにつれて色が変化するモニタやプリンタのような物があります。また、パイプラインの変更に伴った基準の変更や、より効率的な機材や仕組みの導入によりカラーマネジメントの仕組みを変更するケースもあります。この 2 つはそれぞれ管理・調整する箇所が異なりますので、分かりやすく一覧にしてみました。

モニタの違いによる《品質》《調整の手間》の比較

「管理一覧表」 ※クリックで拡大
2 つの軸に分けて、管理するものをまとめたもの(管理内容と管理する頻度付き)。
Ⅰ軸《定期メンテナンス》:使用時間と共に変化するデバイスと、不意に変更してしまいがちなソフトウェアの定期管理
Ⅱ軸《仕組みの変更》:業務内容の変更か、確認用デバイスの変更があった際にのみ行う管理

Ⅰ軸《定期メンテナンス》
使用時間と共に変化するモニタ等のデバイスと、ソフトウェアの定期管理です(モニタの「経年劣化」については、第 4 回第10回 をご確認ください)。現物確認をする方は、確認用に利用する「色評価用蛍光灯」の定期交換が必要になります。ソフトウェアは経年劣化等はありませんが、3DCG ソフトならシーンファイルによって設定が変わる、ポスト処理をするソフトもファイルによって設定が変わることがあります。また、カラーマネジメント関連の設定を間違えて変更してしまうことがあります。これらを防ぐために定期的に設定を確認してください。

Ⅱ軸《仕組みの変更》
業務内容の変更や、確認用デバイスの変更がある場合があります。その際には、カラーマネジメントの設定が必要なケースがあります。主な変更例を表にまとめてみました。ゲームはスマホ・タブレットなどの携帯デバイスの増加、デザインビズ(広告・建築・製品開発など)も色々なデバイスで表示するケースが多くありますので、これらの変更例をまとめてあります。一方で、CM・映画制作は仕組みを変更することは少ないと思います、機材の変更やより良い仕組みに入れ替える場合くらいでしょうか。

基準となるカラープロファイルと、最適なモニタ

「業種別 カラーマネジメント設定の変更例」 ※クリックで拡大
ゲーム開発、デザインビズという業種に分けて、カラーマネジメント設定の主な変更例をまとめたもの

管理責任者を任命しましょう


当社の管理責任者は私です。広告関係の仕事が多いので、モニタ確認・Web・印刷の 3 種類の仕事の度に切り替えています。また最近ではスマホ関連の仕事が増えてきたので、iPad での表示も確認する必要性を感じてきました。
この記事を読んでくださっている方は、会社に勤務されている方や、個人の方など様々だと思います。しかし、カラーマネジメントを利用する人数にかかわらず、管理責任者を 1 名任命しましょう(利用者が100名以上の場合は、複数名の管理者が良いと思います)。これまでカラーマネジメントを導入した多くの会社を見てきましたが、

上手くいったケース = 決まった人が管理を行なっている
×上手くいかなかったケース = 明確な管理者がおらず、制作者に管理を任せている

という状況でした。これには実に顕著な差が出ました。

画面のムラを補正する技術

「カラーマネジメント導入後のクリエイター」 ※クリックで拡大
導入後によく聞く言葉と行動を図示してみた。いずれもカラーマネジメントに対する理解不足と、管理不足から起こる現象である

管理問題で頭が痛いのは、クリエイティブ業務を行っているハード・ソフトを業務中に管理する難しさだと思います。カラーマネジメント導入後によく聞こえてくるクリエイターの生の声をイラストにしてみました。ちょっとコミカルに感じるかもしれないですね。でも導入してみるとこのままの声が聞こえてくると思いますし、皆さん自身もこのように感じると思います。これは、カラーマネジメントのメリットと仕組みについての理解不足が原因で起こる現象ですので、関連スタッフには社内セミナー等を開いて理解してもらいましょう。また、個人で導入する際にはこの連載・書籍・セミナー等で理解を深めると良いと思います。

その他に、制作中にも管理が必要なことが問題となります。モニタ等の色調整を業務中に行うのは難しいという問題です。「Ⅱ軸《仕組みの変更》」 の場合は、いったん仕事の区切りが良い時に実施することが多いので、やりやすいかもしれません。ですが、「Ⅰ軸《定期メンテナンス》」 は、区切りを待っていると数ヶ月経ってしまうことになるので、一定期間で行なっていくことをお勧めします。

管理者には大変ですが、対象となる機材を使うスタッフがいない時間帯を狙うか、少し休憩をしてもらうかして、合間を縫っての管理となります。そのため、管理が行き届かない機材や、長期間管理できない機材などが出てくるケースが多くなります。
モニタについては、自動管理ツールもあります。EIZO ColorEdge CG245W同 CG275W はモニタ本体に測色機を内蔵していて、設定したスケジュールに沿って自動で管理を行ってくれます。例えば、【第 1 週・日曜日の深夜 2 時に実行】と指定しておけば、その時間に測色と調整を行なってくれます。お忙しい皆さんでも、さすがにこれぐらいの時間なら大丈夫でしょうか? ちなみに、深夜作業が押してしまい、カラマネ予定日時の深夜2時を過ぎてしまったとしても、上述した 2 製品の場合は、モニタをスリープした段階からスタートさせるといった設定もできたりします。

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