【サイコム】ホロラボが数値的にも立証。独自の水冷システムがリアリティキャプチャの効率化にも貢献する|Boost with Sycom #04
水冷方式によるパフォーマンス向上を数値化できるのか? 第4回では、リアリティキャプチャのスペシャリストであるホロラボの藤原 龍氏が、フル水冷システムを採用した「G-Master Hydro Extreme X870A」を使い、この問いに挑んでくれた。
全てが高負荷のリアリティキャプチャを支えるPCとは?
ホロラボで3Dビジュアライゼーションスペシャリストとして活躍する藤原 龍氏は、一貫して建築ビジュアライゼーションの分野を歩んできた。
「最初はCGパースから始め、シミュレーションデータの可視化やUnityを用いたXRコンテンツへと広がっていきました」。
物理空間の3Dデジタルアーカイブに取り組み始めたのはホロラボ入社とほぼ同時期で、2019年には初の広域フォトグラメトリー『銭洗弁天VR』を制作。さらにはユーザーコミュニティを通じたリアリティキャプチャの啓蒙活動など、多彩なフィールドで活躍中だ。
現在はフォトグラメトリーや3D Gaussian Splatting(3DGS)などを駆使して現実空間を3Dデータ化している。リアリティキャプチャでは、一連の処理を通してPCの全要素にハイスペックが求められるという。
「フォトグラメトリーも3DGSも、どれか1つの工程で完結するものではありません。写真データのRAW現像、レーザースキャン点群の位置合わせ、3DGS生成、各プロセスごとのノイズ除去、レンダリングと多くの処理が連なり、そのいずれもが高負荷です(苦笑)。工程ごとにCPU中心とGPU中心の処理に分かれるため、CPU、GPU、メモリ、ストレージの全てに高いレベルが求められます」。
フォトグラメトリスト/3Dビジュアライゼーションスペシャリスト
「フィジカルとデジタルをつなげ、新たな世界を創造する」というミッションの下、XR技術と空間コンピューティング、フォトグラメトリーや3D都市モデルなどの3D空間データを融合させ、最先端の体験を追求するテクノロジー集団。また、今回の検証に用いたXGRIDS製のレーザースキャナやソフトウェアの国内正規販売代理店でもある。
hololab.co.jp
水冷は、コストパフォーマンスにも優れた確実な選択肢
現在使用するマシンでGPUにNVIDIA GeForce RTX 5090を選んだのも、VRAMを重視したためだ。
「大規模の3DGSデータ生成では写真データを数千枚、ときに1万枚以上扱うこともあります。処理能力的にはRTX 5080でも対応できるはずですが、VRAMが32GBの5090ならより多くの画像を処理できるので」。
膨大なデータを柔軟に扱うにはストレージの速度や容量も重要で、ローカルで真価を発揮するハイスペックPCが不可欠だという。そんな藤原氏が今回検証したのが、CPU、GPUともに水冷化したG-Master Hydro Extreme X870Aだ。
「冷却性能が安定動作や静音性だけでなく、マシンパワーも着実に高めてくれると実感できました」。
サイコム独自のデュアル水冷シリーズ最上位モデル|G-Master Hydro Extreme X870A
G-Master Hydro Extreme X870Aは、CPUとGPUの両方を水冷化したデュアル水冷システムの最上位モデルだ。
GPUに搭載される「Hydro LC Graphics Plus GeForce RTX 5090 32GB」は、ドイツの新興冷却メーカーLynk+との協業により独自開発された水冷グラフィックスカード。GPUは水冷、ビデオメモリや電源周りは空冷とする従来のハイブリッド式とは異なり、銅プレートでPCB全体を覆うことで、GPU、ビデオメモリ、電源周りを全て水冷化。これにより、優れた冷却性能と静音性を両立。CPUクーラーにも、Asetek製の最新世代高性能水冷ユニットを標準装備する。
〈検証1〉「LCC Studio」の処理時間〜GPU処理中心〜
まずは、点群・画像データを3DGSベースのフォトリアルな3Dモデルへ自動変換するXGRIDSの「LCC(Lixel CyberColor)Studio」の処理時間を計測した。
ホロラボでも正規販売代理店として取り扱うレーザースキャナ「LixelKity K1」で取得した大規模シーンを用い、サイコム評価機、現行マシン、以前使用していたマシンの3台で比較。結果は、旧マシンが80時間39分、現行マシンが49時間52分、評価機が45時間38分となった。現行マシンと評価機はいずれもハイエンド構成ながら、評価機ではサイコムオリジナル水冷システムの冷却性能を含む構成最適化により、4時間14分、約8.5%の短縮を実現した。
「同等のデータ処理を5回行えば約20時間の差。業務レベルでは大きなちがいです」。
〈検証2〉1,453枚のRAW現像〜CPU処理中心〜
続いて、写真データのRAW現像処理時間を計測した(Adobe Camera Rawを使用)。旧マシンが1時間9分、現行マシンが54分、評価機はわずか29分という結果に。
現行マシンと評価機の差は25分、短縮率は約46%に達した。両者のCPU、GPUがほぼ同スペックでありながら、水冷化を含むシステム全体の最適化により、GPU処理中心のLCC Studioでは約8.5%、CPU負荷の高いRAW現像では約46%の処理時間短縮を確認した。水冷によってサーマルスロットリングが抑えられ、高クロックを維持できた効果といえる。
「GPUの水冷式と空冷式の価格差は7万円程度。メモリやSSDの高騰が続く今、確実な性能向上を見込める水冷化は、コストの面でも有力な選択肢です」。
ご購入に関するお問い合わせ
株式会社サイコム
TEL:048-994-6070
e-mail:pc-order@sycom.co.jp
平日10時~12時、13時~17時(土日祝祭日はお休み)
www.sycom.co.jp
CGWORLD関連記事
●【サイコム】サイコムが誇る柔軟なカスタマイズ性がKhakiのクリエイティブを支える|Boost with Sycom #03
サイコムには、強いこだわりをもつユーザーが多い。今回は、CM・MVから映画まで数多くのハイエンドVFXを手がけるKhakiのCGディレクター横原大和氏が、長年のサイコムユーザーとしての視点から「Aqua-Master」シリーズの魅力を語る。
cgworld.jp/special-feature/202605-sycom-khaki-03.html
INTERVIEW & EDIT_NUMAKURA Arihito
PHOTO_弘田 充/Mitsuru Hirota