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絵心がない人でも、プリセットで用意されている 3D キャラクターを使い、簡単にマンガが作成できる コミPo!。軽快な動作と直感的で分かりやすいインターフェイスで、初心者にも扱いやすい同ソフトの使用感を、基本機能からオリジナルデータの読み込みまで、プロの 3DCG 制作者の視点からレビューしていく。
※本レビューはバージョン1.56にて一連の検証を行いました


コミPo! とは?

コミPo! は、絵を描くのが苦手だが、漫画で話を表現したいという希望を叶えてくれるツールだ。
背景、人物、フキダシ、漫符、カキモジなどがプリセットで用意されており、ドラッグ&ドロップで配置するだけで簡単に漫画が作れてしまう(余談だが製品名は「3Dでポッとマンガが作れる」というコンセプトに由来する)。
もちろん、プリセットだけでは足りないことも多いが、その場合は、オリジナルの画像や 3DCG データを読み込んで、自由に表現できるようになっている。

ただし現状では、ベースになるキャラクターが男女1体ずつしか用意されておらず、このキャラの髪型、服装、目鼻立ちを変えることで、違う人物に作り変えなければいけない。
出来れば「ちょいデブ」「スーパーデブ」「ガリガリくん」など、体型等の変化が付けられると表現の幅も広がるのだが......。

作例

絵を描かないで、画像のような漫画を作成することが可能

インターフェイス

インターフェイスを見てみると、アプリケーションの操作性としては上手くまとめられている印象がある。左側の素材リストは、グラフィカルな表示でアイテムを直感的に選ぶことができ、右側のプロパティメニューとレイヤーウインドウも、視覚表現が判りやすくて良い。もちろん、上部のメニューからもアクセスできる仕組みになっており、ユーザーへの配慮を感じる。

そして、一番の長所は、ツールの反応速度が良く、ストレスなく動いてくれるという点だ。さらに、自動バックアップ機能も付いているので、不意のシャットダウンの時でも、少し前の状態から作業が続けられ、折角途中まで描いたのにシステムエラーで全部消えてしまった......なんてことにもならない。
実際に著者も、席を離れたスキに PC が再起動していて頭が真っ白になったことがあったが、コミPo! を起動すると「前回保存しないで終了しています、続きから始めますか...」というようなダイアログが出て「おぉぉ!」と感心してしまった。

インターフェイス

コミPo! のインターフェイス。グラフィカルでわかりやすいメニューと、快適な反応速度が魅力

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表現の自由度

現行の コミPo! バージョン 1.60(※2011年10月末現在)では、まず 「はじめにストーリーありき」 で使い始めると、オリジナル素材をたくさん用意しなければならず、その手間に「無理!」と投げ出したくなる。
そのため、予め用意されている基本キャラを眺め回し、キャラのテイストを頭に入れてから話を作り出さないと「ポッ!」っと作れるようにはならないだろう。つまり「何でも作れるわけじゃない」ということだ。まずは作りたい話と使える素材を、どう構成させるかを考えなくてはいけない。

ただ、使ってみて良いと感じたのは、ポーズやレイアウトなど、やり直しや差し替えが簡単で、紙面の構成が楽しくなる点。何度か試しているとカット割りの練習にもなり、漫画の構成の学習ツールとして使えるのではないかと思った。漫画を授業で扱っている専門学校で教材として使うと良いかもしれない。

表情選択

表情変更ボタン(=ファンクション [F5] キー)をクリックして、顔の表情を選ぶ。表情はリアルタイムに確認することができる

ポーズ選択

ポーズ変更ボタンをクリックして、ポーズを選択。顔の向きは、パネル下部にあるスライダーを使って設定する

パーツ変更

パーツ変更ボタンをクリックして、体のあちこちに取り付けることが可能。ここではユーザーデータも扱える

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オリジナルデータの読み込み

コミPo! でオリジナルの表現を、それこそ"商品"として成り立つような作品を作ろうと思うのであれば、オリジナルの 3DCG データを活用する必要がある。コミPo! はバージョン1.55 で、Metasequoia で保存したデータファイル(.mqo)の読み込みに対応した(詳細は こちらを参照)ので、その使い勝手を試してみた。
[メニューバー→ファイル→ユーザー3Dデータの読み込み] を選択後、さらに[素材リスト→ユーザー3Dデータ→フォルダアイコン]をクリック(ショートカットキーは [F4])して、読み込みたいファイルを選んで開くと、読み込む際の設定パネルが開く。この時、サムネイル画像を指定しておくと、どんなデータだか判別しやすい。今回はサムネイル画像に、事前に Metasequoia でレンダリングした画像を使用した。画像サイズは 84×84 ピクセル がベストのようだ。

<b><b>コミPo!</b> </b> の作業画面

使いたいデータをコミPro! に読み込んでいく

オリジナルデータを使う時の注意事項として、6万頂点(2万ポリゴン)以下という制限があるが、恐らく、それほど使うことはないと思うので、問題ないだろう。
その他、3D データ作成時に注意しなければならないのは、テクスチャで影や形を表現する必要があること。つまり、3D の持つレンダリングによる立体感は一切生成されないので注意してほしい。
また、3D によるライン生成は、切り離されている部分にラインを生成するタイプと、全体のアウトラインのみを生成する2タイプある。一番、自由度が高くオススメの方法としては、全体のアウトラインのみ生成し、ラインが必要な部分はテクスチャで描いておくのが良いだろう。

モデルデータを保存

オリジナルデータは Metasequoia のモデルデータ(.mqo)として保存

設定パネル

3D データを読み込む際の設定パネル

サムネイル画像の指定

データを読み込む時、サムネイル画像を指定しないと全て同じアイコン表示になってしまうので要注意

コミPo! で Twitter

Twitter 機能が簡単に使える 「マンガでツイッター」 も、とても便利でユニーク。出来上がった作品を、ボタンひとつでササッとアップロードでき、気軽にツイート出来てしまう。
ただ単に、文字ばかりつぶやいているよりは、楽しく Twitter できるので、漫画好きな日本人には、面白い選択ではないだろうか。

作例

LightWave で作成したベースモデルを使い、菅前首相を作ってみた......が、なんだか目が大きくなり困った

マンガでツイッター

コミPo! で作った作品は、簡単に Twitter で共有できる

総括:軽快な操作性で広がる活用の場

コミPo!」は、CGのスキルがなくても手軽に遊べるツールだ。
さらに、知識のある人にとっては、同ソフトを使うことで、サクッと思いつきでショート漫画が作れるので、ブログや Twitter で使用すると、面白く活用できるのではないだろうか。まずは 無料版 で遊んでみてはどうだろう。


Metasequoia から 3D データを読み込み、作成したマンガをツイートするまでの手順を動画にまとめてみた。余談だが、BGMは自分で弾いている (^∇^)

コミPo! マーケットプレイス紹介

コミPo! では、作成したマンガやユーザーが制作した 3D データのマーケットプレイスが用意されている(無料で提供されているものも多い)。ユーザー数が相応に増えてくれば、3DCG 制作者にとっては新たなビジネスチャンスが期待できるかもしれない

TEXT_市川佳孝

<b>コミPo!</b>製品パッケージ

コミPo!

対応 OS:日本語版 Windows XP(32bit 版)、Vista(32bit 版)、7(32bit 版・64bit版)
希望小売価格:9,700円(パッケージ版)/6,700円(ダウンロード版)※動作環境の詳細は コミPo! 公式サイト を参照のこと

問:株式会社ウェブテクノロジ・コム

「コミPo! 学園マンガセット・スターターパック」製品画像

「コミPo! 学園マンガセット・スターターパック」
2011年12月2日(金)新発売!

発売開始1周年を記念して「コミPo!」に追加データとガイドブックをセットにした新しいパッケージ版「コミPo! 学園マンガセット・スターターパック」が発売される。コミPo! 本体に、追加データ4パッケージと、さらに公式ガイドブックがセットになった大変お買い得なパッケージだ。
希望小売価格:12,800円
発売日:2011年12月2日(金)
※詳細は プレスリリースページ を参照のこと

こみぽちゃんイラスト

スターターパックを3名様にプレゼント!!

12月2日に発売される 「コミPo! 学園マンガセット・スターターパック」3名様にプレゼント します! プレゼントご希望の方は、今回のレビュー記事に対するご感想を下記アドレス宛にメールしてください。皆さんのご応募お待ちしています!!

応募先:CGWORLD.jpプレゼント受付係
締切:12月2日(金)(日本時間24時まで)
※件名に「『コミPo!スターターパック』プレゼント希望」必ず お書きください
※本文にはこのレビュー記事のご感想と、ご住所、お名前、電話番号を併記の上、ご応募願います
※プレゼントの発送は2011年12月中旬を予定しています(プレゼント当選者の発表は、発送をもって代えさせて頂きます)