漫画家の小沢かなです。私が描いた『ブルーサーマル-青凪大学体育会航空部-』というグライダーで空を飛ぶ部活漫画が、『ブルーサーマルVRーはじまりの空ー』(以下、『ブルーサーマルVR』)というVRの実写映画になり、7月5日(木)に公開されました。そんなわけで、これを機会にVRについて勉強し、ルポ漫画その1、その2を描きました。最終回となる今回は「VRの正体」を求め、東京大学大学院情報理工学系研究科 廣瀬・谷川・鳴海研究室の鳴海拓志先生と、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの簗瀬洋平さんに話を聞きました。
・これまでのルポ漫画は下記よりご覧いただけます
その1>>「で、最近よく聞くVRってなんですか?」
その2>>「で、VR映画と普通の映画のつくり方ってちがうんですか?」
COMIC_小沢かな(@kana_ozawa_blue)
EDIT_尾形美幸 / Miyuki Ogata(CGWORLD)
PHOTO_弘田 充 / Mitsuru Hirota
ここからは写真で解説
▲【左】左から、簗瀬洋平さん(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン)、鳴海拓志先生(東京大学大学院情報理工学系研究科 廣瀬・谷川・鳴海研究室)/【右】難しい話をわかりやすく解説してくださる鳴海先生と、その解説をさらに噛み砕いてくださる簗瀬さん。長らく共同研究をしてきたお2人ならではの、見事な阿吽の呼吸でした
▲手に持ったデバイスの形状を錯覚させるTranscaliburを体験する小沢。デバイスの重心が変わることで、本当に剣が鎌に変形したような気がしました
▲関連研究「Computational Design of Hand-Held VR Controllers Using Haptic Shape Illusion」の動画。詳細はこちらのWebサイトをご覧ください
▲Magic Tableを体験する小沢。手にデバイスを付け、四角形のテーブルを触りながら、その周りを歩いています。HMDに表示されるテーブルが四角形から三角形や五角形に変わると、本当にテーブルが変形したような気がしました。「視覚(HMDの映像)に触覚(手の感覚)が騙されてる!!!人間の五感ってこんなにいい加減なの!?」と、驚くやら呆れるやら......。とてもおもしろい体験でした
▲ハコスコとスマホでStratoJumpを体験する小沢。小沢がジャンプすると、たったの15秒で高度20,000mに到達する超高高度ジャンプ映像が表示されます。上昇から下降に転じた後は本当に怖くて、着地の瞬間は反射的に腰を落としてしまいました。「ユーザー自身のジャンプをトリガーにすることで、ユーザーは本当に自分が上昇・下降しているような錯覚を起こします。いきなり上昇が始まると、クレーンでつり上げられているだけのように感じてしまいます。このコンテンツの場合はジャンプをトリガーにすることで、『現実の感覚や体験と地続きの世界』を実現しているのです」(鳴海先生)
※StratoJumpの関連コンテンツは、アプリ『VR Jump Tour』として公開されています。
▲StratoJumpの紹介動画。本動画の0:38辺りで、小沢と同じように思わず腰を落として「着地」してしまうユーザーのリアクションを確認できます。読者の皆さんも、ぜひ体験してみてください
本連載は以上です。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
『ブルーサーマルVRーはじまりの空ー』関連情報
『ブルーサーマルVRーはじまりの空ー』の視聴方法については、下記をご覧ください。
bluethermal-vr.com
www.vrtheater.jp/
『ブルーサーマル-青凪大学体育会航空部-』関連情報
小沢かな/新潮社/BUNCH COMICS
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STORY
主人公の都留たまき(通称・つるたま)は恋愛をするために入学した大学でグライダーと運命的な出会いをする。"空飛ぶ部活"体育会航空部を舞台に、少年少女達の光り輝く青春ドラマが幕を開ける----。