NVIDIA(NVIDIA Deep Imagination Research)北京大学スタンフォード大学からなる研究チームは6月11日(水)、3Dモデル生成技術「PartPacker」を発表、GitHubでソースコードを公開した。ライセンスは「NVIDIA Source Code License」で、非商用目的での使用のみに制限されている。

PartPackerは、既存の3Dモデル生成のほとんどが単一のメッシュを生成し、モデルを構成するパーツの編集や操作に制限があるという課題を解決するため、重要な意味を持つパーツ(semantically meaningful parts)からなる3Dオブジェクトを生成する手法。

本技術には、全部品を「パーツそのもの」「パーツの組み立て方または配置場所」という2つの補完的なボリュームに整理する「デュアルボリュームパッキング戦略(dual volume packing strategy)」が導入されている。これにより、個々のパーツをパーツとして完全な形状として生成しながら、全パーツがどのように配置されて3Dオブジェクトが完成するかを同時に考慮できる。

▲デュアルボリュームパッキングによって意味のあるパーツに分割
▲PartPackerのネットワークアーキテクチャ。入力画像に基づき潜在コード(latent code)のノイズ除去を行うVAE(Variational Autoencoder、変分オートエンコーダ)モデルとRectified Flowモデル(画像生成モデル)が含まれる。潜在コードは同時に2つ生成する
▲Vast社の「HoloPart」との品質比較
▲Vast社の「TripoSG」、ByteDance社らの「Hi3DGen」との品質比較

■PartPacker: Efficient Part-level 3D Object Generation via Dual Volume Packing(プロジェクトページ、英語)
https://research.nvidia.com/labs/dir/partpacker/

■PartPacker(GitHub)
https://github.com/NVlabs/PartPacker

■PartPacker: Efficient Part-level 3D Object Generation via Dual Volume Packing(Hugging Faceスペース、デモ)
https://huggingface.co/spaces/nvidia/PartPacker

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