3Dモデル生成AI「Tripo」を手がけるアメリカVast社は5月31日(土)、Webブラウザで動作するAIネイティブな3Dモデル制作ワークスペース「Tripo Studio v0.1」を一般公開した。Tripo 2.5で実現済みの3Dモデル生成に関わる機能群に加え、パーツの自動分割やリトポロジーによるローポリ生成、AIテクスチャリング、自動リギング機能を統合している。

アカウント登録のみの無料プラン(ベーシックプラン)でもTripo Studioの基本機能にアクセスできるが、マルチビューからの3Dモデル生成、バッチ3D生成、非公開モデルの生成、パーツ分割機能やスマートローポリ生成機能の利用には、有料サブスクリプションが必要となる。

Tripo Studio v0.1時点でのキーテクノロジは4つ。


「インテリジェントセグメンテーション(Intelligent Segmentation)」は、ワンクリックで複雑な3Dモデルを意味のあるパーツに自動的に分割する機能。各パーツの個別微調整やデザインのディテールコントロールにも対応する。

▲インテリジェントセグメンテーション

「スマートローポリ生成(Smart Low-Poly Generation)」は、ゲームやxR、リアルタイムアプリケーション用に用意された、ハイパフォーマンスなローポリ生成機能。シルエットと重要なディテールを保持しながらモデルを簡素化する。

▲スマートローポリ生成

「テクスチャ生成用マジックブラシ(Magic Brush for Texture Generation)」は、AIドリブンのテクスチャ生成機能。モデルを任意の視点で固定してテクスチャパッチを生成し、モデル表面に直接テクスチャペイントが行える。

▲マジックブラシ(右)

「多様なキャラクター向けUniRig(Uni-Rig for Diverse Characters)」は、Tripoが論文で発表したUniRigを実装したもの。人間や動物、ファンタジー世界のクリーチャーなど、多様な形状・サイズのキャラクターに対して、数秒で自動的にスケルトンリグをバインドする。

▲自動リギング
▲Tripo Studioベータのワークスペース

ワークスペースは「生成」、「概要」、「セグメンテーション」、「リトポロジー」、「テクスチャ」、「リギング」、「スタイル変換」という7つで構成され、タブを切り替えて生成作業を行う。

  • ▲「生成」タブ。黄色の王冠マークが付いている機能へのアクセスには有料サブスクリプションが必要
  • ▲パーツ分割機能の利用には有料サブスクリプションが必要
  • ▲スマート低ポリゴン機能の利用には有料サブスクリプションが必要だが、四角または三角ポリゴンによるリトポロジーは無料アカウント(ベーシックプラン)でも利用可能
  • ▲「テクスチャ」タブでは、HDテクスチャの生成には有料サブスクリプションが必要だが、その他の機能、AIドリブンでモデル表面にペイントできるマジックブラシやPBRジェネレーターなどは無料アカウントでも利用可能
  • ▲UniRigによる自動リギング機能は無料アカウントでも利用可能
  • ▲無料アカウントでも利用可能なスタイル変換機能。レゴやボクセル、ボロノイスタイルへの変換が可能だ

■Tripo Studio
https://studio.tripo3d.ai/home

■Introducing Tripo Studio: Your Next 3D Workspace with AI(公式ブログ、英語)
https://www.tripo3d.ai/blog/introducing-tripo-studio

■トリポスタジオ チュートリアル(公式日本語チュートリアル)
https://www.tripo3d.ai/blog/tripo-studio-tutorial-japanese

プランと価格

有料サブスクリプションはプロフェッショナル、アドバンスト、プレミアムの3種類を用意。商用利用やマルチビューからの3Dモデル生成、バッチ3D生成、非公開モデルの生成、パーツ分割機能やスマートローポリ生成機能などが利用可能となる。また、6/30まで利用可能な50%オフのクーポンコード「TRIPOSTUDIO530」も用意されている。

CGWORLD関連情報

●「Tripo」のVastが自動リギング技術「UniRig」をオープンソースで公開! BlenderとMaya用プラグインの無償提供も予定

Vastと清華大学の研究チームが自動リギング技術「UniRig」をオープンソースプロジェクトとしてGitHubで公開。スケルトンの階層構造をトークン化する新手法、大規模自己回帰(Autoregressive)モデル、ボーンとメッシュ頂点のクロスアテンション、14,000超の幅広い3Dモデルのリギングデータでトレーニングした大規模データセットなどにより、人型キャラクターから動物、鳥、魚、メカに至るまで、高精度の自動リギングを実現するという。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202505-UniRig.html

●3D生成AIプラットフォーム「Catalyse」リリース! 独自エンジンによりテキストプロンプトから360°のスカイボックスを高速生成

CatalyseがAIドリブンの3D風景生成プラットフォーム「Catalyse」をリリース。現在、アカウント不要でWebブラウザから利用できる「Catalyse Ai」が提供されているほか、アートワークのコントロールが可能となるアプリ「Catalyse app」が近日リリース予定とのこと。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202506-Catalyse.html

●Tencentの3Dモデル生成AI「PrimitiveAnything」オープンソースで公開! 複雑な形状をプリミティブに分解して構築するモデル

Tencent AIPDと清華大学の研究チームが、3Dモデル生成AI「PrimitiveAnything」をオープンソースで公開。人の手によって分解されたモデルデータを10万以上学習し、AIが人間らしい分解の傾向を習得することで、複雑な形状を、人間が直感的に理解できるプリミティブの組み合わせに分解して構築する。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202505-PrimitiveAnything.html