キャラクターアーティストのLouis Squara氏は8月11日(月)、騎士のヘルメットのバイザーデザインと3D化までのワークフローを1枚の画像にまとめたチュートリアルをXに投稿した。ZBrushとPhotoshop、Substance 3D Painterを組み合わせて木の枝のような複雑なデザインをバイザーに施す方法をステップバイステップで紹介している。

※本投稿のオリジナル画像はツールパネル細部の文字まで確認できる2480×3508ピクセル。細部が見えない場合、「新しいタブで画像を表示」(PC)や画像を長押しして「4Kを読み込む」(スマホ)を実行する

Step1:モデルのUVを展開(Give Your Model UVs)

ZBrushでモデルのUVを展開する。UVが歪んでいるとテクスチャがずれてしまうため、ダイナメッシュの解像度を上げるなどして綺麗なディテールを確保する。

Step2:デザインを描く(Draw Your Design)

展開したUVに応じてPhotoshopで白黒2値の線画を作成する。

Step3:Substance 3D PainterでWarp projectionを適用(Import Both To Painter)

モデルとデザインの白黒テクスチャをSubstance 3D Painterにインポートし、Warp projection(ワーププロジェクション)を利用して2Dのデザインを3Dモデルに投影する。

■Warp projection | Substance 3D Painter(Adobe Help、英語)
https://helpx.adobe.com/substance-3d-painter/painting/fill-projections/warp-projection.html

Step4:ZBrushでテクスチャからマスクを作成(Add New Texture To Model In ZBrush Texture > PolyPaint > Groups > Masks)

ZBrushに戻り、インポートしたテクスチャをPolyPaintとして適用し、Groups > Maskでデザインに基づいたマスクを作成。黒い部分をマスクし、白い部分を露出させるように調整する。

■Texture Map(ZBrush Docs、英語)
https://help.maxon.net/zbr/en-us/#html/reference-guide/tool/polymesh/texture-map/texture-map.html

■PolyPaint(ZBrush Docs、英語)
https://help.maxon.net/zbr/en-us/#html/reference-guide/tool/polymesh/polypaint/polypaint.html

Step5:マスクからメッシュを作成し削ったメッシュと統合する(Extract Mask > Dynamesh Sub > Remesh By Union)

サブツール内のExtractツールを用いて、マスクからメッシュを作成し、新しいサブツールを作成する。ExtractではS Smt(滑らかさ)を5、Thick(厚み)を2、Double(両面メッシュ)、TBorde(抽出したメッシュの周りにクリースを適用)に設定。次に、ダイナメッシュのSubオプションで元のメッシュを削り、Remesh by Unionでメッシュを統合する。

■Extract(ZBrush Docs、英語)
https://help.maxon.net/zbr/en-us/#html/reference-guide/tool/polymesh/subtool/subtool.html

■Dinamesh: Inserting negative meshes (Sub)(ZBrush Docs、英語)
https://help.maxon.net/zbr/en-us/#html/user-guide/3d-modeling/modeling-basics/creating-meshes/dynamesh/methods/methods.html

■Remesh by Union(ZBrush Docs、英語)
https://help.maxon.net/zbr/en-us/#html/user-guide/3d-modeling/modeling-basics/gizmo-3d/deformers/list-of-deformers/list-of-deformers.html#union

Step6:結果をクリーンアップ(Clean Up The Result Using Smooth Groups Or The BevelPro Smooth)

生成されたメッシュをSmooth GroupsやBevelProのBevel Smoothnessで滑らかにする。さらに、BevelProで複雑なカットアウト部分に対してChamfer(面取り)を適用。これにより、エッジがシャープになり、リアルな金属感が出る。

■BevelPro(ZBrush Docs、英語)
https://help.maxon.net/zbr/en-us/#html/user-guide/3d-modeling/hard-surface/bevelpro/bevelpro.html

Step7:完成(All Done)

「Go Make Something Cool」

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https://cgworld.jp/flashnews/01-202504-ZBrush-for-iPad-20253.html