Maxon Computer社は4月3日(木)、デジタルスカルプト&3Dペイントツール「ZBrush」のiPad版「ZBrush for iPad 2025.3」をApp Storeでリリースした。デスクトップ版で定評のあるZModelerやナノメッシュ、UVマスターが搭載され、スカルプト機能がより強力になった。アプリは無料で、アプリ内課金の有料サブスクリプション(月1,500円または年13,000円)がある。なお、Maxon OneユーザーとZBrushユーザーはサブスクリプションに含まれる。

ZModeler

▲ZModelerのイントロダクション
▲ZModelerのプリセット
▲ZModelerのダイナミックサブディビジョンとクリース
▲ZModelerのポリグループと選択範囲

ローポリゴンモデルやハードサーフェスモデリング、ベースメッシュ作成に便利なブラシベースのZModelerツールがiPad版でも利用可能になった。UIはiPad向けに設計されている。

ナノメッシュ

インスタンス化されたジオメトリをモデルの領域に配置できるナノメッシュもiPad版に搭載。パターンや衣服・構造物のテクスチャ作成などを行う際に、ポリゴン数を増やさずに効率良くディテール豊かなモデルを作成できる。

UVマスター

簡単にUV展開が行えるUVマスターも搭載。ジェスチャーペイントを使用したUV展開も行える。

VDMブラシ

ブラシに保存された3D形状に基づいてトポロジーを変形し、複雑な形状を作成できるVDM(Vector Displacement Meshes)ブラシを搭載。複雑な形状を繰り返しスカルプトしたい場合に便利なブラシだ。

■Whats New in ZBrush for iPad: 2025.3 Features(Maxon Help、英語)
https://help.maxon.net/zbp/en-us/?_gl=1*ydvlh2*_gcl_au*MTA1NDYxMzUzNy4xNzQzNzM3Njg1#html/0_ZBrush-ipad-whats-new.html?TocPath=_____2

ZBrush for iPad無料プランと有料サブスクリプションのちがい

ZBrush for iPadの無料プランでは、ブラシ28種類とダイナメッシュ、SculptrisPro、Zスフィア、Zリメッシャーなどのツールを利用できるが、ツールには機能制限が含まれるほか、1メッシュあたりの最大ポリゴンが2,000万に制限される。また、データのエクスポートはできない。

無料プランと有料サブスクリプション、ZBrushCore、デスクトップ版との機能比較はこちら。

■おすすめのプランは? ツールを比較(Maxon ZBrush Plan Options)
https://www.maxon.net/ja/zbrush-plan-options

デスクトップ版ZBrush 2025.2の更新内容

デスクトップ版ZBrushもバージョン2025.2にアップデートされ、ZModelerへのプリセット追加、アクション選択モード追加、エッジループの挿入スナッピング追加を実装。

また、Redshiftとの連携が強化され、新しいRedshiftマテリアルが追加されたほか、ZBrushから直接Redshiftによるコンセプトレンダリングを作成できるようになった。その他、モバイル版とデスクトップ版、Cinema 4Dとのシームレスなワークフローも実装されている。

▲新しくRedshiftのカラーマテリアルプリセットが追加(一覧最下段)

■ZBrush 2025.2.0 リリースノート(Maxon 日本語ヘルプセンター)
https://support.maxon.net/hc/ja-jp/articles/15780513877788-ZBrush-2025-2-0-%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88

▲ZBrush 2025デモリール

その他のMaxon製品、Cinema 4DやRed Shiftなどもアップデートが実施された。

▲Maxon One 2025年4月のリリース内容紹介動画

■Maxon 2025年春のリリース(Maxon Japan公式note)
https://note.com/maxonjapan/n/n5da9df9337db

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