シカゴ大学の研究チームは8月15日(金)、テキストプロンプトの指示だけでBlender内で3Dモデルを生成・編集できる、オープンソース(MITライセンス)のシステム「LL3M: Large Language 3D Modelers」を発表した。コードはGitHubにて近日公開予定。

「LL3M」は、テキストプロンプトから編集可能な3Dアセットを生成する、LLM(大規模言語モデル)を活用したAIエージェント。入力テキストからPythonスクリプトが生成され、そのスクリプトがBlender内でジオメトリノードやシェーダノードを組み、3Dモデルを構築する。生成されたモデルはLL3Mとユーザーの両者が形状のデザインからルックまでプロシージャルに変更できるほか、複数パーツで構成されるアセットは自然な親子関係まで構築される。

▲LL3Mによる生成サンプル

LL3Mは3つのフェーズで3Dアセットを生成する。「初期作成(Initial Creation)」フェーズでは、指示を細かいタスクに分解し、関連するコードの断片を検索・取得する。「自動改良(Auto Refinement)」フェーズでは、AI(批評家役)が問題点を見つけ、修正が上手くいったかを検証する。そして最終の「ユーザーによる誘導(User Guided Refinement)」フェーズでは、ユーザーからのフィードバックを通じて、繰り返し編集を行う。

▲LL3Mのパイプライン3つのフェーズ
▲3つのフェーズでのモデルの変遷例
▲物体の「スタイル」の変更にも対応
▲マテリアルの変更
▲指示を追加することでモデルを改良していくこともできる

また、LL3Mが生成するPythonスクリプトは、ユーザーによる改良を効率的に行えるよう、構造が明確で、詳細なコメントが付与されるほか、直感的な変数名を用いる。これにより、ピアノの鍵盤の幅のような単一パラメータの微調整や、キーボードの配列パターンのようなアルゴリズムのロジック変更などもしやすいという。

■LL3M: Large Language 3D Modelers(プロジェクトページ)
https://threedle.github.io/ll3m/

■LL3M: Large Language 3D Modelers(GitHub)
https://github.com/threedle/ll3m/

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