Robert Poole氏は9月4日(月)、Blenderでブーリアンモディファイアーを使用して、2D風にスタイライズされた“口”のメッシュを作成するチュートリアル動画をXに投稿した。口のオブジェクト作成からマテリアルのセットアップ、リギング、アウトラインの追加、ジオメトリノードの構成までを1分42秒の動画にまとめている。またPoole氏は、動画の補足情報としてGoogleドキュメントも公開している。
Here's how to make this neat style of mouth I sometimes use, which I think has a really good 2D appeal despite being 3D.#Blender #b3d pic.twitter.com/6P6G0SwV52
— Poole (@robert00poole) September 4, 2025
動画ではまず、ローポリの円柱(Cylinder)から始め、スケールやエッジループを用いて整形。続いて頭部メッシュに対してブーリアンモディファイアーを追加し、タイプを「Difference」に設定して、シリンダをブーリアンオブジェクトのターゲットとする。ソルバーは「Fast」にし、円柱のオブジェクトをビューポートで非表示にすると、頭部に口の空洞が作成される。

リギングは、口用のアーマチュアを作成し、円柱の前面エッジの頂点ごとに1本ボーンを追加。さらに中央に1本の「マスター」ボーンを追加し、全てのリムボーンをこれに親子付けする。そして、表情をコントロールするために口の内部に1本ボーンを追加。円柱をアーマチュアに「Empty Groups」で親子付けし、手動でウェイトを割り当てる。

続いて、円柱のアーマチュアモディファイアーをサブディビジョンサーフェス(Subdiv)モディファイアーの上に配置。これにより、ボーンを動かすと口が動的かつスムーズに変形するようになる。さらに、マスターボーンと内部ボーンをキャラクターのメイン頭部ボーンに親子付けすることで、口が頭部の動きに追従しながら変形可能となる。

2D風のスタイライズ感を出すため、ジオメトリノードを使って口周りにエッジラインを作成する。ジオメトリノードエディタでは、「Mesh Boolean」ノードを追加して「Intersect」に設定し、エッジを抽出する。続いて、口のブーリアン(円柱)と頭部メッシュ用の「Object Info」ノードを接続し、「Separate Geometry」ノードを追加して「Edge」モードに設定。さらに、両方のブーリアン出力をプラグインして口のエッジループを分離、「Mesh to Curve」ノードを追加してエッジをカーブに変換。そして「Curve to Mesh」ノードを追加し、プロファイルを「Curve Circle」に設定。これはラインの太さの半径となる。

最後に、頭部メッシュを複製してブーリアンモディファイアーを削除、オブジェクト名を「HeadFake」とする。ジオメトリノードで、頭部のObject Infoを「HeadFake」に置き換える。必要に応じて元の円柱を非表示にすると、毎回ブーリアンを再計算することなく、変形に対してアウトラインが追従するようになる。

■Boolean Mouth Additions(Poole氏による本手法の詳細を記した公開Googleドキュメント、英語)
https://docs.google.com/document/d/19GCiDWmPhWbQOnAxZaHf83HAXHdxw2iNKHNkNN6E-Js/edit?tab=t.0
■Robert Poole公式サイト(Weebly)
https://0poole.weebly.com/
■Robert Poole(Gumroad)
https://0poole.gumroad.com/
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