上海AIラボ/上海人工知能研究所清華大学香港大学ハルビン工業大学北京理工大学香港科技大学(広州)からなる研究チームは8月21日(木)、ポイントクラウド(点群)データからBlenderで実行可能なPythonスクリプトを生成できるAI技術「MeshCoder: LLM-Powered Structured Mesh Code Generation from Point Clouds」を発表した。コードは11月にGitHubで公開される予定。

「MeshCoder」は、3Dスキャナなどで取得したポイントクラウド(点群)データを入力し、マルチモーダル大規模言語モデル(Multimodal Large Language Model、MLLM、画像やテキストなど複数の情報を扱えるLLM)がこれを解釈する。そして、その形状を再現するため、Blender Python APIに沿ったPythonスクリプトを生成する。生成されたスクリプトをBlenderで実行することで、高品質かつ構造化されたメッシュの3DモデルがBlender内で再構築(生成)される。


生成されるPythonコードは、単に形状を再現するのではなく、椅子であれば脚やひじ掛けなど、オブジェクトの意味に応じてパーツが整理される。これにより、ユーザーはコードを微調整するだけで形状編集やトポロジー変更を行うことができる。

▲MeshCoderが椅子のポイントクラウドから生成したPythonコードの一部。「leg」「arm」「back sofa board」など、椅子を構成するパーツごとにオブジェクトを生成するコードが生成されていることがわかる
▲コードの一部を変更することで形状編集が行える

また、MeshCoderが生成したコードは、GPT-4などのLLMが3Dオブジェクトの構造をより深く理解することを可能にする。生成されたコードをLLMが読み取ることで、パーツとその繋がりを識別し、説明することができるようになる。

▲MeshCoderが生成したPythonコードを他のLLMが読み取り、形状を理解することが可能

■MeshCoder: LLM-Powered Structured Mesh Code Generation from Point Clouds(プロジェクトページ、英語)
https://daibingquan.github.io/MeshCoder/

■MeshCoder(GitHub)
https://github.com/InternRobotics/MeshCoder

■MeshCoder: LLM-Powered Structured Mesh Code Generation from Point Clouds(Hugging Face)
https://huggingface.co/papers/2508.14879

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