テクニカルアーティスト・Shahzod Boyhonov氏は9月27日(土)、オブジェクト同士の境界線を滑らかにブレンドさせるBlenderアドオン「AutoBlend」をSuperhiveでリリースした。コンポジターとCryptomatteを利用して、疑似的なポスプロエフェクトのように機能する。また、10月5日(日)にはバージョン1.1をリリースし、ノイズマスクを使用したブレンドも可能になった。対応するBlenderのバージョンは4.5以降、価格は15ドル(約2,200円)。
AutoBlend 1.1 Update.
— Shahzod Boyhonov (@specoolar) October 4, 2025
Now you can use noise mask for blending to achieve more organic results. (Or you can create your own mask in Compositor)
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「AutoBlend」はポストエフェクトとして機能することから、シーンの複雑さやマテリアルの種類に依存しないだけでなく、透明なマテリアルを除くあらゆるオブジェクトのブレンドに対応する。レンダリングエンジンはEeveeとCyclesの両方に対応(ビューポートでのプレビューはEeveeのみ)。利用方法もシンプルで、どのマテリアルをブレンドするかを選択するだけで済む。ブレンドしたいオブジェクトのメッシュやマテリアルを直接編集する必要はない。
制限事項としては、ガラスや水のような透明・半透明のマテリアルのブレンドには非対応で、他のオブジェクトに隠れた部分はブレンド部分が消える場合がある。また、ブレンド距離を大きくしすぎるとちらつきや揺らぎが発生する可能性があるほか、ゲームエンジンへのエクスポート、ブレンド効果のベイクはできない。

アドオンのインストール後に現れるAutoBlendパネルで「Setup Auto Blend」を実行すると、シーンに必要な設定が自動構成され、コンポジットノードが組まれる。セットアップの終了後はパネル内容が変化し、ブレンドが利用可能となる。「Add」ボタンからブレンド対象のマテリアルを追加する。なお、AutoBlendはオブジェクトではなくマテリアルに対して割り当てが行われるため、同じマテリアルを使用している他のオブジェクトもブレンド対象となる。また、マテリアル名を変更した場合は、再度割り当て直す必要がある。

パネル内では、「Blend Distance」でワールド空間でのブレンド距離、「Max Size」で画面サイズに対するブレンド距離の最大値(%)、「Thickness Scale」で深度情報に基づくブレンドの度合い、「Mirror factor」でエッジをミラーリング(反転コピー)する程度を設定する。
■AutoBlend(Superhive)
https://superhivemarket.com/products/autoblend
Shahzod Boyhonov氏開発の他のBlenderアドオン

Boyhonov氏は現在、AutoBlendを含め7点のBlenderアドオンをSuperhiveで販売している。トップセラーはジオメトリノードを利用した流体シミュレーションアドオン「Cell Fluids」。昨年12月にバージョン2.0がリリースされた。
■Cell Fluids(Superhive)
https://superhivemarket.com/products/cell-fluids
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