中国テンセント(Tencent)社は9月25日(木)、3Dアセット生成AI「Hunyuan3D」の応用技術「Hunyuan3D-Part」をオープンソース(独自ライセンス)で公開した。3Dモデル全体を一度に生成するだけでなく、テキストプロンプトの指示により、特定のパーツだけを自由に編集・追加できるフレームワークとなる。軽量モデルはHugging Faceで、フルバージョンはHunyuan3D Studioで利用できる。

We are introducing Hunyuan3D-Part: an open-source part-level 3D shape generation model that outperforms all existing open and close-source models.
Highlights:
・P3-SAM: The industry's first native 3D part segmentation model.
・X-Part: A part generation model that achieves state-of-the-art results in controllability and shape quality.
Key-features:
1)Eliminates the use of 2D SAM during training, relying solely on a large-scale dataset with 3.7 million shapes and clean part annotations.
2)Introduces a new automated segmentation pipeline in 3D without user intervention.
3)Implements a diffusion-based part decomposition pipeline utilizing both geometry and semantic clues.


オープンソースのパーツレベル3D形状生成モデル「Hunyuan3D-Part」をご紹介します。このモデルは、既存のあらゆるオープンソースおよびクローズドソースのモデルを凌駕する性能を誇ります。
主な特徴:
・P3-SAM:業界初のネイティブ3Dパーツセグメンテーション(パーツ切り分け)モデル
・X-Part:制御性と形状品質において最先端(SOTA)の結果を達成したパーツ生成モデル
技術的な特徴:
1)学習時に2Dのセグメンテーションモデル(2D SAM)を使用せず、370万の形状とクリーンなパーツ注釈を持つ独自の大規模データセットのみを利用
2)ユーザーの操作を必要としない、新しい3D自動セグメンテーションパイプラインを導入
3)ジオメトリ(形状)情報とセマンティック(意味)な手がかりの両方を活用する、拡散モデル(Diffusion Model)ベースのパーツ分解パイプラインを実装


■Hunyuan3D-Part(GitHub)
https://github.com/Tencent-Hunyuan/Hunyuan3D-Part

P3-SAMとは

P3-SAMは、3Dモデルを構成する個々のパーツを自動的に認識し、切り分ける(セグメンテーションする)ために開発された、業界初のネイティブ3Dパーツセグメンテーションモデル。従来技術が2Dの画像認識技術に頼っていたのに対して、P3-SAMは膨大な3D形状データ(370万形状)と、それに付与されたクリーンなパーツ注釈(アノテーション)を持つ大規模データセットという3Dデータのみから学習を行う。これにより、3D本来の形状や構造情報を失うことなく、高精度なセグメンテーションを実現する。

▲P3-SAMのネットワークアーキテクチャ

パーツ分解パイプラインは、ジオメトリと意味情報(セマンティック)の両方を活用する拡散モデル(Diffusion Model)に基づき実装。これにより、モデルは単なる形の切り分けだけでなく、「意味のあるパーツ」として分解することができる。

▲パーツ分割パイプライン

■P3-SAM: Native 3D Part Segmentation(プロジェクトページ、英語)
https://murcherful.github.io/P3-SAM/

X-Partとは

X-Partは、Hunyuan3Dの一部として開発された、テキストプロンプトに基づいて3Dモデルの特定のパーツを高忠実度かつ構造的に正しく生成・編集することに特化したAIモデル。X-Partのフレームワークは、主に「Part-level Instruct-3D-to-3D(プロンプトに基づく3Dモデルのパーツ編集)」と「Part-level Text-to-3D(テキストからのパーツ生成)」という2つのタスクを実行できる 。

▲X-Partの手法概要

モデルの学習には、約1万点の高品質な3Dアセットと、それに対応する6万件以上の「パーツレベルのテキスト指示」で構成された大規模データセット「PartInstruct」を使用している。学習は、最初にテキストからパーツを生成する基本能力を学習し、次に3Dモデル全体との文脈を理解しながら部分編集を行う能力を学習するという2段階で行われる。

また、3D形状の表現には「Tri-plane Gaussian splatting」という手法を採用。これにより高品質な3Dモデルを効率的に表現・レンダリングでき、少ない計算コストで忠実度の高い形状生成が可能になる。

▲X-Partはパーツ編集やパーツに配慮したUVアンラップなどに活用できる

■X-Part: High Fidelity And Structure Coherent Shape Decomposition(プロジェクトページ、英語)
https://yanxinhao.github.io/Projects/X-Part/

CGWORLD関連情報

●3Dモデル生成AI「Hunyuan3D 3.0」リリース! 精度3倍、36億ボクセル、1日20回まで無料生成可能、AI搭載3D制作ツール「Hunyuan 3D Studio」クローズドテストもスタート

テンセントが3Dアセット生成AI「Hunyuan3D 3.0」をリリース。公式ワークスペースのTencent Hunyuan 3D AI Creation Engineで利用でき、1日20回まで無料で生成が行える。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202509-Hunyuan3D-30.html

●3D生成AI「Meshy」でシーンを画像と動画に変換! 他社製画像・動画生成AIモデルと連携する生成機能をベータ実装

Meshyが3Dモデル生成AI「Meshy-5」に、構築したシーンからの画像生成機能「3Dから画像へ(3D to Image)」と、生成した画像からの動画生成機能「画像から動画へ(Image to Video)」をベータ機能として追加。画像生成機能はFreeプランでも利用可能だが、動画生成にはProプラン以上の有料サブスクリプションが必要となる。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202509-Meshy-ItoV.html

●3D生成AI「Tripo 3.0」ベータ版リリース! アルゴリズム刷新でジオメトリ&テクスチャ品質向上、自動リギング、パーツ分割、ブラシによるテクスチャ修正機能など

Vastが3Dモデル生成AI「Tripo 3.0」ベータ版をリリース。新アルゴリズム(3.0)の搭載によりジオメトリとテクスチャの処理方法が刷新されたほか、忠実度を高めた「ウルトラモード」、Flux/GPT-4oとの連携、スケッチからの生成、Tポーズモデルと自動リギング、より直感的な編集が可能になったMagic Brush 2.0、スマートなパーツ分割機能などを備える。Webアプリ「Tripo Studio」と「Tripo ライト版」、そしてAPIプラットフォームで利用可能。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202509-Tripo3beta.html