Beamm Technologies社は10月16日(木)、iPhone用アプリ「Simulon」をリリースした。iPhoneで撮影した実写映像にフォトリアルな3DCGをシームレスに合成するインカメラVFXを実現できるアプリで、ダウンロードは無料。機能の利用には有料サブスクリプションへの加入が必要で、月30ドル(約4,500円)のCoreプランほか3種類のプランが用意される。

「Simulon」は、撮影から最終レンダリングまでのVFX制作全工程をiPhoneアプリと連携するデスクトップ機能で完結できるソリューション。iPhoneでの実写撮影中は、iPhoneのビューファインダー越しに、配置した3Dアセットが合成された状態をリアルタイムでプレビュー可能。また、iPhoneを使って空間をスキャンし、正確なスケールの3Dメッシュを再構築可能なほか、撮影現場の光環境を分析して360°のHDRI生成もできる。撮影データはSimulonのクラウドにアップロードされる。

撮影データやシーンデータなど、Simulonのクラウドにアップロードされたデータは、デスクトップアプリ「Simulon Hub」(macOS版、Windows版)を介してPCにダウンロード可能。

▲Simulon Hub

さらに、撮影したシーンを編集するための「Simulon Link」と、Blenderで作成した3Dモデルやアニメーションを、Simulonアプリ用に最適化してSimulon Hub経由でアップロードする「Simulon Asset Preparation」という2種類の専用Blenderアドオンが用意されている。

▲Simulon Link
▲Simulon Asset Preparation

クラウドレンダリングは 最大4K解像度、後処理用のレイヤー別データ(Multi-layer EXR)の書き出しにも対応する。

▲出力したCryptomatteをNukeに読み込んだところ
▲対応するレンダーパス一覧

プランと価格

アプリのダウンロードは無料で、3日間の無料トライアルが提供されている。機能の利用には、月額制の有料サブスクリプション登録が必要。月30ドル(約4,500円)のCoreプラン、月50ドル(約7,500円)のProプラン、月200ドル(約30,000円)のStudioプランが用意される。プランの主なちがいは、クラウドレンダリングに使用するレンダークレジットの量、最大解像度、アセットのアップロード上限など。

■Simulon(App Storeプレビュー)
https://apps.apple.com/jp/app/simulon/id6670765943

■Simulon公式サイト
https://simulon.com/

■Simulon Hub(Simulon Docs、英語)
https://docs.simulon.com/hub/

CGWORLD関連情報

●ブラウザで動作するVFXツール「EbSynth V2」リリース! 1フレームのペイント/編集だけで動画全体にスタイルを自動適用、無料版あり

Secret Weaponsがブラウザ上で動作するVFXツール「EbSynth V2」をリリース。動画の1フレームに適用された編集に対して、元動画の動きを精密に解析してキーフレームを細かく分解した後、フレームごとに再構築することでVFXを生成する。手描きアニメーションや実写映像の絵画風変換、動画レタッチやカラー化などの作業を効率化する。ブラウザから利用できる無料版と、4K出力に対応する有料版が用意されている。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202509-EbSynth-V2.html

●動画生成AI「Wan 2.5-Preview」リリース! 新アーキテクチャ採用によりテキスト・画像・動画・音声のより強力なモーダルアライメントを実現、1080p・10秒・24fps出力対応

アリババグループが動画生成AIモデル「Wan 2.5-Preview」をリリース。新しいアーキテクチャの採用により、音声と映像を一体で生成し、高度な画像編集や顔・スタイルの一貫性維持を実現。1080p・10秒・24fpsのアウトプット、音声からの動画生成などにも対応する。オープンソースのWan 2.2とは異なり、Wan公式サイトやAPIを通じて利用できる。公式サイトでは、FreeプランでもWan 2.5-Previewを用いた生成は可能だが、待ち時間が発生する。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202510-Wan-25-Preview.html

●動画生成AI「Kling AI 2.5 Turbo」リリース! 一貫性・安定性向上、価格30%引き下げ、ノードベースのワークスペース「Kling Lab」も全ユーザーに開放

快手が動画生成AI「Kling AI 2.5 Turbo」をリリース。プロンプトの忠実性と時間的制御の向上、ダイナミックなシーンでの流動性と安定性の向上、多様なスタイルとの一貫性維持などを実現している。また、ノードベースのワークスペース「Kling Lab」が全ユーザーに公開され、2.5 Turboがサポートされた。
https://cgworld.jp/flashnews/01-202510-Kling-AI-25-Turbo.html