ドイツの3Dアーティスト・Masoud Rezaei氏は11月2日(日)、ジーンズなど布地のほつれを再現し、アニメーションやUVをサポートするBlender用ジオメトリノードセットアップ「Cloth Ripper」をArtStationとSuperhiveでリリースした。対応するBlenderのバージョンは4.0〜4.5、価格は個人用ライセンスが12ドル(ArtStation)と14ドル(Superhive)。スタジオライセンスはArtStationでのみ提供され、42ドル。
「Cloth Ripper」はあらゆる布地をプロシージャルに引き裂き、破り、細断できるジオメトリノードのセットアップ。アニメーションオブジェクト、Alembic、リグをサポートし、ほつれが多いシーンであっても高速なパフォーマンスを維持するという。
エッジのほつれ(fray)と裂け目(tear)の制御は、デフォルトで「ripped」と「fur」という2つの頂点グループにより行う。任意のメッシュに対して、布がどのように、どこでほつれるかをダイナミックに制御できるほか、裂け目の強度や方向、エッジのほつれ、ノイズ、クランプ、カリング、ランダム性などを細かく調整できる。
また、ほつれた糸(ストランド)用には完全にアンラップされたUVが、オリジナルメッシュ用には更新されたUVが提供される。
なお、実験的機能として、ウェイトペイントで円や文字のような複雑な裂け目形状を指定した際に発生しうる問題を修正する「Fix Overhangs」オプションも実装している。
■Cloth Ripper(Superhive)
https://superhivemarket.com/products/cloth-ripper
■Cloth Ripper - Blender Geometry Nodes(ArtStation Marketplace)
https://www.artstation.com/marketplace/p/3xoVW/cloth-ripper-blender-geometry-nodes
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