映像制作スタジオACT iii(アクト・スリー)社のクリエイター・大串映二氏は10月24日(金)、Blenderを用いたパース付きコンテの作成方法を同氏Xに投稿した。この手法には、グリースペンシルを用いることで必要なパース歪みをリアルタイムで確認でき、どんなカメラワークを適用しても、画角内の線幅を一定に保てることから、コンテやストーリーボードのクオリティが安定するという利点がある。この投稿は話題を呼び、国外からのコメントも多数寄せられている。

▲話題のきっかけとなった10/21の投稿。テキストはなく、動画のみの投稿だが、リポストは1,000を超え、英語によるコメントが多数付いた
▲先の投稿の反響の大きさに応えて10/24に投稿されたポストツリー(以下)

おそらくお察しの通りだと思いますが、大雑把に。
こんな感じでBlenderシーン内にパースのアタリを置いて、グリースペンシルで描いて、3DPANしてます。難しい事はしてません。#blender #b3d (続)


あ。赤い立方体を描いたのはもう一回人を描くのが面倒だったからです。


アタリは、例えば7頭身のキャラなら7等分したキューブ等を置いておくと解りやすいと思います。比率に関してはあればキャラ表とか、ルーミスさんのアレとかを参照すると良いと思います。(続)

パースガイドも入れておくと背景等に便利だと思います。
このパースガイドは中心(ピボット)をレンズと同じ位置について来るようにしておきます。何故かというと、消失点やアイレベルの見え方はカメラの移動には影響を受けず、回転や焦点距離の影響を受けるからです。(続)


最後にバラバラのストロークを平面に投影していますが、これで一枚絵として必要な歪みが解ると思います。
あと当然ですが投影前後で画角内の絵が変わらないのも解ると思います。(続)


つまり3D空間のどこにどんな描き方をしてもカメラが移動しない限り、画角内の絵は平面と同じという事で、気が楽になりますね。(カメラが移動する場合はもうひと手間かかります)(続)


詳しくないのですが、同じ様な事はアフターエフェクトや他のアプリ、紙に描いた絵でも出来ると思います。
Blenderを使う利点は、グリースペンシルのおかげでアプリを行き来する事なく必要な歪みが判り、どんなカメラワークでも画角内の線幅を一定に保てるという点にあると思います。(続)


かなり大雑把ですがこんなところでしょうか。
皆さんもやってみて下さい!


また、10/24にはこの手法について八蛇氏が手描きで概念図を用意し、3D空間の遠近を2D絵に対して自然に投影できる理由を考察。この投稿も1,000を超えるリポストで話題となっている。

▲その後10/31に投稿された動画

大串氏は自身のnoteでBlenderの各種スクリプトも公開している。

■大串映二氏のXアカウント
https://x.com/e_ohkushi

■大串映二 / ACT iii(note)
https://note.com/e_kushi

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