ByteDance社のAI研究チーム・ByteDance Seedは10月25日(土)、3Dアセット生成基盤モデル「Seed3D 1.0」を発表した 。単一の画像から物理シミュレーションに対応可能な高品質3Dアセットを生成できる。Seed3D 1.0は同社運営の企業向けクラウドサービスプラットフォーム「Volcano Engine」で利用できる。

Thrilled to introduce Seed3D 1.0, a foundation model that generates High-Fidelity, Simulation-Ready 3D Assets directly from a Single Image!
Key Capabilities:
1)  High-fidelity Assets: Generates assets with accurate geometry, well-aligned textures, and physically-based materials.
2)  Direct Integration: Assets integrate into physics engines with minimal configuration, enabling deployment in robotic manipulation and simulation training.
3)  Scalable Generation: Beyond individual objects, scales to complete scene generation by assembling objects into coherent environments.
Seed3D 1.0 provides a foundation for advancing physics-based world simulators.


Seed3D 1.0 を紹介します。単一の画像から、高品質でシミュレーション対応の3Dアセットを直接生成する基盤モデルです! 
主な特徴:
1)高品質なアセット:正確なジオメトリ、ずれのないテクスチャ、物理ベースのマテリアルを持つアセットを生成します 
2)シームレスな統合:最小限の設定で物理エンジンに統合でき、ロボット操作やシミュレーショントレーニングに導入可能です 
3)スケーラブルな生成:個々のオブジェクトを超え、オブジェクトを組み合わせて一貫性のある環境を構築する、完全なシーン生成にも対応します
Seed3D 1.0は、物理ベースのワールドシミュレータを進化させるための基盤を提供します


Seed3D 1.0は、エンボディドAI(embodied AI、ロボットやスマートデバイスなど物理的な実体を持つAI)エージェントの開発における課題である、スケーラブルな訓練環境の構築を目指し開発された基盤モデル。従来のワールドシミュレータは、コンテンツの多様性に優れる一方で物理的フィードバックが欠如する動画ベースの手法と、物理的正確性は高い一方で手動でのアセット作成コストによりスケーラビリティに劣る物理ベースのエンジンとの間でのトレードオフを課題として抱えていた。本技術では、生成的モデリング(generative modeling)のスケーラビリティと、明示的な物理シミュレーション(explicit physics simulation)の信頼性を統合することで、この課題に対処するという。

Seed3Dは、ディテール豊かなジオメトリと最大4Kのフォトリアルなテクスチャ、そして多様なライティング条件下でリアルな相互作用を保証するPBRマテリアルを生成する。また、アセットは水密性(watertight)かつ多様体(manifold)のジオメトリを持ち 、NVIDIA Isaac Simのような標準的な物理エンジンに最小限の設定で直接統合可能。さらに本技術では、個々のオブジェクト生成に留まらず、VLM(視覚言語モデル)を用いたオブジェクトの空間的関係やレイアウトの理解・計画にも対応。生成したアセットを配置した室内環境や大規模な都市シーンといった一貫性のあるシーン全体を構成できる。

ジオメトリ生成は「Seed3D-VAE」(VAE=variational autoencoders、変分オートエンコーダ)が3D形状をコンパクトな潜在表現にエンコードし、続いて「Seed3D-DiT」(DiT=diffusion transformers拡散トランスフォーマー)が入力画像に基づいてこの潜在空間内でノイズ除去を行い、多様な3D形状を合成するという、2段階のアプローチを採用。

テクスチャ生成は、入力画像と生成された3D形状に基づいて視点一貫性のあるマルチビューRGB画像を生成する「Seed3D-MV」、生成されたマルチビュー画像をPBRマテリアルマップ(Albedo、Metallic、Roughness)に分解する「Seed3D-PBR」、マルチビュー画像からの投影時に生じるセルフオクルージョン(self-occlusion、自己遮蔽)や欠落領域を補完するため、拡散ベースのUVインペインティング(UV inpainting)を行い、完全なUVテクスチャマップを生成する「Seed3D-UV」という、3段階のシーケンシャルなパイプラインで構成される。

▲Seed3D 1.0による、1枚の入力画像から最終的なテクスチャ付きメッシュが生成されるまでのながれ
▲Seed3D 1.0 のデータインフラストラクチャの概要。上から、データプラットフォーム(Data Platform)、階層型ストレージ(Hierarchical Storage)、分散パイプライン(Distributed Pipeline)、異種エラスティックコンピュート(Heterogeneous Elastic Compute)の層から構成される

■Seed3D 1.0(公式ページ)
https://seed.bytedance.com/en/seed3d

■企業向けクラウドサービスプラットフォーム「Volcano Engine」ログイン画面
https://console.volcengine.com/auth/login/

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