Dédouze氏は11月28日(金)、アニメーション制作Blenderアドオン「Simple animation graph」のアップデートをGumroadでリリースした。アーマチュアやオブジェクトグループなどのアニメーションに対応し、単一のボーンやオブジェクトを正確な軌跡でアニメーションさせる機能も搭載。対応するBlenderのバージョンは4.1以上(5.0対応)、価格は16ユーロ(約2,910円)。

This is a big upgrade in our animation tool that brings the 2d time chart to 3d animators. Now you can animate full poses, for armatures or objects groups. The addon also has features to animate single bones and objects with precise trajectories, and still with hand drawn timing.


これは、2Dのタイムチャートを3Dアニメーターへともたらす、私たちのアニメーションツールの大型アップデートです。
これにより、アーマチュアやオブジェクトグループなどの「フルポーズ」をアニメーション化できるようになりました。さらに本アドオンには、手描きのタイミング操作はそのままに、単一のボーンやオブジェクトを正確な軌跡でアニメーションさせる機能も搭載されています。


▲大型アップデートで追加された機能を中心に、キャラクターの全身ポーズ(アーマチュア)や複数オブジェクトをまとめて制御する、高度なアニメーション作成方法を解説
▲アドオンのインストール方法から、単一のオブジェクトやボーンに対して手描きで軌跡とタイミングを設定し、アニメーションさせる基本的な操作手順までを解説した動画
▲「Simple animation graph」の初期リリース時に公開されたコンセプト動画。2Dアニメ制作の「タイムチャート」を3D空間で再現し、直感的に動きを付けるというツールの基本概念を紹介

「Simple animation graph」は、2Dアニメーション制作で用いられる「タイムチャート(タイミングチャート)」の概念を3Dアニメーター向けに導入したツール。3Dビューポート上にグリースペンシルで直接ラインを描くことで、アニメーションの軌跡とタイミングを制御できる。描かれた線上の交差する目盛りがキーフレームとして認識され、その間隔によって動きの緩急が決まる仕組み。間隔が狭ければ動きは遅くなり、広ければ速くなるといった直感的な操作が可能で、グラフエディタのような複雑なカーブ操作を必要とせず、0手描き感覚でモーションを作成できる。

今回のアップデートではフル3Dポーズのアニメーション作成に対応。具体的な使用手順としては、まずオブジェクトモードでオブジェクトを選択するか、ポーズモードでボーンを選択した状態でAnnotateツールを起動する。タイムチャートの描画場所は、ビューポート上の任意の位置、3Dカーソル位置、あるいはオブジェクトのサーフェスなど、状況に応じて設定できる。描画時は、ポーズAからポーズBへの方向を示すラインや、オブジェクトの回転や移動軌跡を示すラインを描き、そこにタイミングを決める小さな目盛りを書き加える。

続いて、アドオンパネル内の「Animation Graph」を使用してアニメーションを実行する。アーマチュア全体やオブジェクトグループを動かす場合は「Animation Graph - Pose to pose」パネルを使用し、選択した全ボーンやオブジェクトに対して手描きのタイミングを適用する。一方で、単一のオブジェクトやボーンの移動・回転を制御する場合は「Animation Graph - Follow Trajectory」パネルを使用し、「Animate Position」や「Animate Rotation」を実行することで、描かれた軌跡に沿ったアニメーションを生成できる。

▲①オブジェクトモードでオブジェクト、またはポーズモードでボーンを選択、②Annotateツールを選択し、状況に応じて描画基準(View、3D Cursor、Surface)を設定、③動きの軌跡や方向をラインで描く、④タイミングを決めるための目盛りを書き込む、⑤右「Animation」タブからアドオンパネルを開き、ポーズアニメーションなら「Animation Graph - Pose to pose」パネルを、単一オブジェクトのアニメーションなら「Animation Graph - Follow Trajectory」パネルを開き、アニメーションを生成

高度な設定として、生成されたアニメーションの速度や補間方法の調整も可能。速度は全体の総フレーム数、またはキーフレームごとのフレーム数(ステップ)で指定できる。補間設定(Interpolation)では、滑らかな動きを作るリニアやベジェのほか、「Constant」を選択することでストップモーション風のアニメーションの作成も可能だ。

▲速度や補間方法の調整

■Simple animation graph (Blender Addon)(Gumroad)
https://dedouze.gumroad.com/l/fsbdw

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