3Dアーティスト・Cartesian Caramel氏は11月18日(火)、同氏Xに「猫の粒子化」の動画を投稿し、話題を呼んでいる。Zhi Wang氏が開発した、Blender 5.0で動作するジオメトリノードを使ったリアルタイム4D Gaussian Splattingのデモファイル。公式サイトのDemo Filesセクションで公開されている。デモファイルはCC-BY(表示、クレジットの表示がある限り自由な利用を許可)で提供されている。

本デモファイルは、通常は専用ソフトが必要な4D Gaussian Splatting(時間軸のある3Dスキャン映像)をBlender内でネイティブに扱えるよう、Blender専用に構築されたカスタムパイプライン「UGRS(Universal Gaussian Rendering System)」(Blender-3DGS-4DGS-Viewer-Node)を使用したもの。PLY形式のガウシアンデータを読み込んで4D(時間軸のある)データの再生が行えるほか、EEVEE(リアルタイム)および Cycles(レイトレーシング)での描画が可能となる。

▲Blender公式サイト→「Demo Files」→「Geomerty Nodes」→「Real-time 4D Gaussian Splatting 1GB — CC-BY – Zhi Wang / Mediastorm + 4DV.ai」

デモファイルには、2つの作例が含まれている。「The Cat」は無限の鏡の部屋にいる猫のシーン。Cyclesによる、メッシュモードでの正確なレイトレーシング計算を推奨する設定となっている。

▲「The Cat」シーンデータを開いたところ

もうひとつは「Nunchucks」で、ヌンチャクのアクションをバレットタイムで表現したもの。EEVEEによる、パフォーマンス優先のポイントクラウドモードを推奨設定としている。

▲「Nunchucks」シーンデータを開いたところ

公式サイトのデモファイル表示には、開発者Zhi Wang氏は中国の映像制作チーム「影視颶風(Media Storm)」のテクニカルディレクターを務めており、本デモファイル用のカスタムパイプラインである「UGRS(Universal Gaussian Rendering System)」を開発。そして、4DGS技術開発とキャプチャ(撮影・データ化)は、ボリュメトリックビデオ(4Dビデオ)の技術提供を行う中国の企業「4DV.ai」によるもの。デモファイルを使用して作品を公開する場合、CC-BYライセンスに基づき上記コントリビューターのクレジット表記が必要となる。

■Demo Files: Geometry Nodes(Blender.org)
https://www.blender.org/download/demo-files/#geometry-nodes

■Blender-3DGS-4DGS-Viewer-Node(UGRS、Universal Gaussian Rendering System)(GitHub)
https://github.com/mediastormDev/Blender-3DGS-4DGS-Viewer-Node

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