Googleは2月12日(木)、科学、研究、工学における現代の課題解決に特化したAIモデル「Gemini Deep Think」の最新版「Gemini 3 Deep Think」の提供を開始した。アップデートのひとつとして、手描きのスケッチを読み取って複雑な3D形状を把握し、3Dプリンタで出力可能なデータを生成する機能を搭載する。Gemini 3 Deep Thinkは最上位の有料サブスクリプション・Google AI Ultraサブスクライバーを対象にGeminiアプリ内で提供されるほか、一部の研究者や企業向けにAPIを通じた早期アクセスも開始されている。

▲Google AI Ultraサブスクライバーは「Tools」の中から「Deep Think」を選ぶことで機能が利用可能となる

「Gemini 3 Deep Think」は抽象的な理論の構築だけでなく、日常的な工学分野での実用性も搭載。そのひとつに、手描きのスケッチから複雑なジオメトリ形状を推論・構築し、3Dプリンタ出力に対応するデータ生成の機能がある。本機能はAIが直接3Dメッシュを描画するのではなく、Gemini 3 Deep Thinkのプログラミング能力により、OpenSCADやPythonなどのプログラミング言語を用いて形状を数学的に定義するコードを記述し、それを実行して立体ファイルを出力する。これにより、従来の各種3Dモデル生成AIで課題となっていた、穴開き構造や面の異常な交差などの物理的欠陥のない3D形状を生成できる。

▲リファレンス画像とテキストプロンプトから3Dモデルを生成する

■上記画像の英文プロンプト

Transform the attached sketch into a high-fidelity, functional 3D laptop stand. Generate a single-file HTML using Three.js that procedurally generates a Gyroid Minimal Surface lattice constrained within the sketch's primary volume. Core Computational Logic: Gyroid Generation: Use the trigonometric approximation for a Gyroid surface. Structural Integrity: Calculate a wall thickness and lattice density sufficient to support a 3kg load without buckling. The geometry must be a manifold, "water-tight" mesh suitable for 3D printing. Aerodynamics: Ensure the gyroid porosity is tuned to maximize passive airflow for laptop cooling. Visuals & Interaction: Render the stand with a "Frosted Industrial Polymer" material using MeshPhysicalMaterial under a clean Studio HDRI lighting setup. Implement OrbitControls for a 360-degree inspection of the internal lattice.

Fabrication Utility: Critical Constraint: Generate only the stand geometry. Do not include a ground plane or environment. Export: Integrate a THREE.STLExporter function triggered by a "Download Print-Ready STL" button. UI: Use a minimalist, dark-mode overlay for controls and technical specs (dimensions, estimated material volume). Output: Provide the complete, self-contained HTML file.
■プロンプトの日本語訳

添付のスケッチを、忠実度が高く機能的な3Dノートパソコンスタンドに変換してください。Three.jsを使用して、スケッチの主要なボリューム内に収まるジャイロイド極小曲面ラティスをプロシージャルに生成する、単一ファイルのHTMLを生成してください。
コア計算ロジック:

 ・ジャイロイド生成:ジャイロイド曲面には三角関数による近似を使用してください。

 ・構造的完全性:座屈することなく3kgの荷重を支えるのに十分な壁の厚さとラティス密度を計算してください。ジオメトリは、3Dプリントに適したマニフォールド(多様体)で水密性のある(穴や隙間のない閉じた)メッシュでなければなりません。

 ・空気力学:ジャイロイドの多孔性を調整し、ノートパソコン冷却のためのパッシブな空気の流れ(自然空冷)を最大化するようにしてください。
ビジュアルとインタラクション:

 ・クリーンなスタジオHDRI照明セットアップの下で、MeshPhysicalMaterialを使用して「つや消し工業用ポリマー」マテリアルでスタンドをレンダリングしてください。

 ・内部のラティス構造を360度見渡せるようにOrbitControlsを実装してください。
製造ユーティリティ:

 ・重要な制約:スタンドのジオメトリのみを生成してください。グラウンドプレーン(接地面)や環境を含めないでください。

 ・エクスポート:「Download Print-Ready STL(印刷用STLのダウンロード)」ボタンによってトリガーされるTHREE.STLExporter機能を統合してください。

 ・UI:コントロールと技術仕様(寸法、推定材料体積)には、ミニマリストなダークモードのオーバーレイを使用してください。
出力:

完全で自己完結型のHTMLファイルを提供してください。

▲生成した3Dデータの簡易レンダリング結果。このモデルをSTLファイルとしてダウンロードできる
▲3DプリンタにSTLファイルを読み込み、プリント実行

■Gemini 3 Deep Think: Advancing science, research and engineering(Google公式ブログ)
https://blog.google/innovation-and-ai/models-and-research/gemini-models/gemini-3-deep-think/

Google AI Ultraプランについて

Google AI UltraプランはGoogle AIの最上位プランとして提供されている。月額36,400円、Gemini 3 Pro、Gemini 3 Deep Thinkが利用可能なほか、動画生成AI「Veo 3」や画像生成AI「Nano Banana Pro」の利用上限が最大化。また、30TBのクラウドストレージ(Gmail、ドライブ、フォト共通)、YouTube Premium、Google Home Premium Advancedが含まれる。

■Google AIのプラン(Google One)
https://one.google.com/intl/ja_jp/about/google-ai-plans/

CGWORLD関連情報

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https://cgworld.jp/flashnews/01-202602-ProjectGenie.html

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https://cgworld.jp/flashnews/01-202602-TencentHY3D.html