リギングアーティストのGACCHI氏は10月8日(日)、X(旧Twitter)に「フリーレンファンムービー企画の裏話」としてMaya用オープンソースのリギングフレームワーク「mGear」の活用経緯を紹介するポストを投稿し注目を集めた。

事の発端は、CG制作会社に所属するキャラモデラーのヒロ氏が『葬送のフリーレン』のファンムービーを制作するため、主人公フリーレンのモデル制作についてXにポストをしたこと。その投稿を読み、リグ構築を引き受けたいと考えたGACCHI氏は、ヒロ氏にDMで打診し、制作への協力が決定する。

しかし制作作業を開始した段階で問題が発生した。ヒロ氏が本プロジェクトのレンダリングにPSOFT Pencil+ 4 for Mayaの体験版を使用していたため、マテリアルやライン設定の保存が行えなかったのだ。

そこでGACCHI氏は、オープンソースのmGearを活用することにした。mGearであれば、リグのビルドの基となるガイドデータとウェイトデータを共有できるため、mGearを導入している他のMayaユーザーの環境でもリグが再構築可能となる。GACCHI氏の機転により無事に問題は解決し、セットアップ済みのモデルが総勢18名のアニメーターに届けられた。

アニメーターたちが手分けをして制作を進め、ファンムービーがついに完成。ヒロ氏は9月29日(金)にYouTubeに動画を投稿、Xでも告知を実施した。半月ほど経った執筆時現在、YouTubeでの再生数は17万回、Xの投稿のリポスト数は2,900回超と話題を呼んでいる。

葬送のフリーレン アニメ公開記念ファンムービー

mGear Frameworkについて

Maya用のオープンソースのリギングフレームワーク。データはGitHubで公開されており、執筆時の最新バージョンは4.1.1。なお、今回のファンムービーやGACCHI氏のポストはmGear Framework公式Xでもリポストされている。