アメリカTopaz Labsは7月17日(水)、AIを活用した画像のアップスケーリングツール「Gigapixel 7.3」をリリースした。写真はもちろん、グラフィックやアートワークといった多様な画像タイプに対応する8種のAIモデルを備え、ディテールの甘い箇所を強化しながら、オリジナル画像を最大6倍までアップスケールできる。
搭載されるAIモデルは8種類。ハイエンドカメラによる高品質画像用の「High fidelity」、スクリーンショットなど低解像度画像用の「Low resolution」、汎用的な「Standard」、アートワークやイラストレーション、Midjourneyで生成した画像などに適した「Art & CG」、建築物や街並みなどコントラストの強い線が含まれる画像用の「Lines」、グラフィックデザインやタイポグラフィに適した「Text & pattern」、強い圧縮によるノイズが多い画像用の「Very compressed」、不明瞭な箇所をクリエイティブに描き足す「Recovery」。一部のAIモデルはレガシーバージョン(v1とv2など)も併載しており、必要に応じて切り替え可能だ。
また、印刷物への掲載画像のアップスケーリング需要を意識し、入力ファイルのカラープロファイルの保持やプロファイル変換にも対応。変換先のプロファイルにはAdobe RGB(1998)やCMYKのU.S. Web Coated(SWOP)v2もある。CMYKは入出力どちらにも対応する。
なお、公式ページでは様々なサンプルを閲覧できる。
GigapixelはWindows・Mac両対応のスタンドアロンアプリケーション、またはPhotoshop・Lightroom Classic用プラグインとして利用できる。標準ライセンスは買い切りで99ドル(約15,300円)。なお、製品はこちらからダウンロードでき、ライセンス購入前は体験版として試用できる。体験版では処理後のデータ保存は行えないが、機能制限はない。
Gigapixel 7.3の新機能
今回リリースされたバージョン7.3では、AIモデル「Recovery」の使用時にアップスケーリングで生成された「シード」の確認と再生成ができるようになったほか、画像のトリミングによる処理時間の短縮にも対応。また、リアルタイムで出力寸法を調整できる「リサイズモード」、コマンドラインインターフェイス(CLI、Proライセンスのみ)による高速処理なども実装されている。Topaz Labsコミュニティに掲載のリリースノートでは、Gigapixel 7.3の全更新内容が動画付きで解説されている。
なお今回、Gigapixel 7.3の発表と同時に商用ライセンスのGigapixel Proも登場。ライセンス形態はサブスクリプションで、価格は年499ドル(約77,000円)から。
Turn pixels into perfection with Gigapixel Pro! Enjoy high quality upscaling, commercial licensing, and CLI support. Elevate your images today! #topazlabs #gigapixel #pro
— Topaz Labs (@topazlabs) July 22, 2024
Experience Pro Today: https://t.co/Y8xvzy0eM3 pic.twitter.com/MEYbpsoysP
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