一般社団法人VRMコンソーシアムは10月24日(木)、同法人が開発・提唱する3Dアバター向けファイル形式「VRM」の国際標準化に向けて、その基盤技術である「Khronos glTF 2.0」を開発したThe Khronos Group社と協力し、共同でVRMとglTFフォーマットの開発を進めていく、と発表した。
VRMコンソーシアムは、3Dアバターファイル形式「VRM」の国際標準化を目指し、アメリカ・KHRONOSグループとの共同声明を発表しました
— VRMコンソーシアム (@vrm_pr) October 24, 2024
VRMの基盤技術を開発したKHRONOSグループと協力・連携し、国境のないメタバースの実現に貢献してまいりますhttps://t.co/LID0ULy7Oz
VRMは、glTFをベースに人型のキャラクターを扱えるようにしたプラットフォーム非依存型、日本発の3Dアバター規格。メタバース時代のインターオペラビリティ(相互運用性)を想定してVRMコンソーシアム技術委員長・岩城進之介氏が提唱し、開発・運用が進められている。「バーチャルキャスト」や「VRoid Studio」、「cluster」などで広く利用されており、国内では事実上、プラットフォーム間でアバターを連携する際の業界標準である。
VRMコンソーシアムでは、クリエイターやエンジニアがVRMを扱うことを目的に、Unity用のVRMフォーマット実装「UniVRM」をGitHubで公開している。これを導入することにより、ヒューマノイド型の3DモデルをUnity内でVRMとしてセットアップし、読み書きが行えるようになっている。
glTFフォーマットは、オープンソース・クロスプラットフォームのWeb上の3D表示(WebGL)における事実上の標準フォーマット。現行のglTF 2.0はISO/IEC規格(ISO/IEC 12113:2022)でもある。
今回のVRMコンソーシアムとKhronos Groupsの連携の目的と展望について、VRMコンソーシアムはプレスリリース上で下記のように述べている。
現在、両社はVRMの機能をKhronos glTFの公式拡張機能「Ratified Khronos Extensions」に統合する調整を進めています。
glTFは高い拡張性を有しており、特にKhronosに承認された拡張機能の多くは幅広いプロダクトで採用され、glTFの更新時にglTFのコア仕様として取り込まれてきました。VRMについても同様にglTF仕様として承認されることにより、日本国内に留まらず、世界中のメタバース業界において認知度が向上し、VRMに対応するサービスの増加を期待することができます。
また、glTF 2.0 は ISO/IEC 規格(ISO/IEC12113:2022)であり、VRMが Khronos glTF Ratified Extensionsに採用されることで、VRMが ISO/IEC規格として国際的に認知される道が開かれます。
VRMがKhronos、さらにはISO/IECに採択されることにより、長期にわたる規格の継続性と安定性が保証され、VRMのユーザー、クリエイター、デベロッパーは安心してVRMを利用・流通させることが可能になります。
■米国・KHRONOS グループ×VRM コンソーシアム 3D アバターファイル形式「VRM」の国際標準化に向けて協力・連携(プレスリリースPDF)
https://vrm-consortium.org/common/pdf/ja_release_20241024.pdf
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