ポケモン GO』、『ピクミン ブルーム』などの開発で知られるアメリカのテック企業Niantic社は、10月28日(月)、ボリュームレンダリング手法の3D Gaussian splats用の新しいファイルフォーマット「.SPZ」を発表した。現在の主流である「.PLY」形式よりも低容量でメモリ消費も少ないコンパクトな仕様で、業界標準を目指すという。GitHub上でオープンソース(MITライセンス)として公開されている。

ゲームやアプリ開発で使用するSplatsのアップ/ダウンロードを高速化するフォーマットを開発しました。デバイスのストレージやメモリの使用量も削減します。SPZはオープンソースでもあります。SPZは、3D Gaussian SplatsのJPGのようなものです。

NianticはScaniverseのブログで新フォーマット「.SPZ」発表の経緯と性能についてこう記している。

Currently, the output of most splats is a PLY file, in which a detailed splat of an outdoor scene might exceed 250 MB. This makes downloading and uploading painfully slow, especially when not connected to Wi-Fi. Enter .SPZ, a new file format created just for splats.



In the same way that JPG makes it easy to store, share, process and use files in just about any program that edits photos, SPZ is intended as a universal format for splats. (Unlike JPG, which offers variable compression, SPZ has a single degree of compression that has been optimized for a filesize/quality tradeoff.)



We've been using it within the app since the launch of Gaussian splatting in Scaniverse earlier this year; in August, we enabled SPZ export from Scaniverse and SPZ import to Niantic Studio, our free, web-based 3D and AR content creation tool.



現在、ほとんどのSplatsの出力はPLY形式ですが、屋外シーンの詳細なSplatsは250MBを超える場合があり、ファイルの送受信に非常に時間がかかります。そこでSplatsのための新ファイルフォーマットSPZの登場です。



JPGがあらゆる写真編集ツールでファイルの保存・共有・加工・使用を簡単にしたのと同様に、SPZはSplatsのためのユニバーサルフォーマットを目指しています。


※可変圧縮形式のJPGとは異なり、SPZはファイルサイズと品質のトレードオフに最適化された単一の圧縮度を備えています



8月にはScaniverse」からのSPZエクスポートと、無料のWebベースの3D&ARコンテンツ作成ツールNiantic Studio」へのSPZインポートに対応しました。

SPZとPLYの仕様比較表

■SPZ(GitHub)
https://github.com/nianticlabs/spz

■Open-sourcing .SPZ: it’s .JPG for 3D Gaussian splats(Scaniverse Blog)
https://scaniverse.com/news/spz-gaussian-splat-open-source-file-format

Scaniverseについて

iOSデバイスまたはAndroidで利用できる、3D Gaussian splatsを利用した3Dスキャンアプリ。現在のバージョンは4。撮影デバイス内での処理は1〜2分で完了し、スキャンデータはマップへの投稿、リンク共有、動画生成、モデルデータのエクスポートができる。

■Scaniverse
https://scaniverse.com/

CGWORLD関連情報

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Niantic社は、3D/XRコンテンツ作成のためのビジュアルプラットフォーム「Niantic Studio」を発表。パブリックベータ版として一般公開され、無料で利用できる。
https://cgworld.jp/flashnews/202406-NianticStudio.html

●NeRFとGaussian Splattingで画像/動画から3Dシーンを生成できる「Postshot v0.4」リリース! 品質向上、カメラターゲットのトラッキング、HDR映像のトレーニングなど

Jawset Visual Computing社は、3D Gaussian SplattingとNeRF(Neural Radiance Field)技術を使用して、画像または動画から3Dシーンを生成するツール「Postshot v0.4」をベータ版として公開。動作環境はWindows 10以降、GeForce RTX 2060以降またはQuadro T400/RTX 4000以降。現在は無料で利用できる。
https://cgworld.jp/flashnews/202408-Postshot.html

●機械学習を使った新しいレンダリング技術3D Gaussian Splattingを扱えるオープンソースのツール「SuperSplat 1.0」リリース! ブラウザから利用可能

Playcanvas社は、3D Gaussian Splatsの編集&最適化ツール「SuperSplat 1.0」をリリース。Webブラウザベースのオープンソースツールで、キャプチャしたデータを手軽に最適化し、PLY形式などで保存できる。
https://cgworld.jp/flashnews/202408-SuperSplat.html