ポケモン GO』、『ピクミン ブルーム』などの開発で知られるアメリカのテック企業Niantic社は、6月18日(火)からカリフォルニア州で開催された世界最大のXRカンファレンス「AWE USA 2024」で3D/XRコンテンツ作成のためのビジュアルプラットフォーム「Niantic Studio」を発表。パブリックベータ版として一般公開され、無料で利用できる。

Introducing Niantic Studio

Niantic StudioはWebブラウザから利用できる3D/XR制作の統合環境で、3DCGツール利用経験者には馴染みやすいUIを備えている。物理演算やカメラ、ライティング、アニメーション、パーティクル、オーディオ、ゲームトリガーといった要素が内包され、3DCGツールと同様のルック&フィールでアセットの追加・削除やシーン操作が行える。プロジェクトの編集中にはライブプレビューとリアルタイム編集が可能なほか、自動保存機能も備えているため、迅速なイテレーションが期待できる。

左にオブジェクト一覧、右にプロパティ、そしてドラッグ&ドロップによるXYZマニピュレータハンドル操作など、3DCGツール経験者に馴染みやすいUI
物理演算とライブプレビュー(画面右)
ライブプレビュー中のリアルタイム編集にも対応
簡単なチュートリアル動画「Getting Started with Niantic Studio」

また、複雑な開発タスクをシンプルに扱えるようデザインされた独自の新規Webゲームエンジンを搭載。3D/XRコンテンツ開発に必要な多くのインタラクションやゲームプレイを素早くプロジェクトに追加できる、としている。

XR機能としては、フェイスエフェクト(スマートフォンのカメラに写った顔に対してリアルタイムでエフェクトをかけること)、ワールドトラッキング(カメラ越しの空間を使って3Dオブジェクトをトラッキングすること)も備える。

フェイスエフェクト
ワールドトラッキング

プロジェクトの構築後はPC、スマートフォン、XRヘッドセットなど複数のデバイス向けに展開(デプロイ)できる。

Niantic Studioを利用する(Niantic 8th Wall内)

なおNianticは、3Dスキャンツール「Scaniverse」のアップデートも発表。出力オプションにガウススプラッティングを組み込み、デバイス上での処理を高速化するボリュームレンダリング手法を実装している。

CGWORLD関連情報

●3Dオブジェクト生成、動画生成・編集に関するAIモデルが数多く登場。XRとAIに関連した注目論文をピックアップ~SIGGRAPH Asia 2023

2023年12月開催のSIGGRAPH Asia 2023から、XRとAIに関連した注目論文を10本紹介。
https://cgworld.jp/article/202401-sigasia-ai.html

●XRとメタバースがテーマのカンファレンス「XR Kaigi」開催レポートーXR kaigi AwardでAdobe Substance 3DがXR Kaigi Awardを受賞

2023年12月開催のカンファレンス「XR Kaigi 2023」のレポート。
https://cgworld.jp/flashnews/202312-xrKaigi.html

●テキストから3D顔モデル、テクスチャ、アニメーションなどを生成する様々なAIモデルが登場。XRとAIに関連した注目論文をピックアップ~SIGGRAPH 2023(2)

2023年8月開催のSIGGRAPH 2023から、XRとAIに関連した注目論文を10本紹介。
https://cgworld.jp/article/202308-siggraph-ai.html