ポケモン GO』、『ピクミン ブルーム』などの開発で知られるアメリカのテック企業Niantic社は、11月12日(火)、新プラットフォームとして「Niantic Spatial Platform」を発表した。

「Niantic Spatial Platform」は私たちのプラットフォーム製品を統合したもので、世界を認識するための地理空間AIモデルです。その中核となるのは、私たちが来たるべき新世代のARグラスを動かすために構築している第3世代の3Dデジタルマップです。



■Niantic VPSは、現在100万以上のロケーションをフルプロダクション、ロケーションベースの没入型体験のために利用可能です。



■Niantic Spatial Platformは現在、空間プランニング&デザイン倉庫管理&ロジスティクスオーディエンス・エンターテインメント&エンゲージメントリモートコラボレーションといった様々なビジネスケースに対応するソリューションを提供しています。



■Lightshipの開発者は、引き続きUnity用のSDKを使用してビルドできます。



■Niantic Studioは今後も進化を続け、開発者にWebXR向けの最も幅広い機能を提供します。

Niantic Spatial Platformは、同社のキャプチャソリューション「Scaniverse」やロケーションシステム「Niantic VPS(Visual Positioning System)」、ARソリューション「Niantic Studio」などといった技術を統合し、空間コンピューティングによるビジネスソリューションを提供するもの。ソリューションの多くはNianticのUnity用SDK「Lightship ARDK」の基盤ツールがベースとなっており、Niantic Spatial Platformの導入に伴って、ツールやサービスのブランド名は変更となった。

Niantic Spatial Platformがビジネスユースケースとして想定するのは、次の4つのカテゴリ。

空間プランニング&デザイン

ロケーションを3Dの複雑な形状で表示できることにより、世界中のどこからでも各プロフェッショナルがそれぞれの専門性を発揮できる。

倉庫管理&ロジスティクス

実際の場所に動的な情報フローを追加することで、保管や配送のシナリオを最適化する。

オーディエンス・エンターテイメント&エンゲージメント

Niantic Studioに完全に統合された「Niantic VPS for Web」により、開発者は高精度のロケーションベースWebARエクスペリエンスの構築・テスト・デプロイが行える
Wonderment by DesignによるWebアプリ「Moodometer」。Niantic VPSでキャプチャした3D Gaussian SplatsとNiantic Studioで制作したコンテンツを掛け合わせたAR体験コンテンツ

デジタルオーバーレイ、ゲームの共有、コネクテッド・エクスペリエンスにより、人々が集まるあらゆる場所に新しいサービスを付加できる。

リモート・コラボレーション

Sphere社がNiantic Spatial Platformを組み込んで開発したリモートコラボレーションデモ「Sphere XR」

携帯電話からMR/ARヘッドセットまで、様々なハードウェアのフォームファクターで、チームやプロフェッショナルが場所の垣根を越えて、より良い共同作業ができるよう支援する。

■Niantic Spatial Platform公式サイト
https://www.nianticspatial.com/

■Introducing Niantic Spatial Platform(Niantic News、英語)
https://nianticlabs.com/news/nianticspatial

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https://cgworld.jp/flashnews/202411-Niantic-spz.html

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