Adobe社は2月13日(木)、かねてよりアナウンスしていた動画生成AIモデル「Firefly Video Model」をAdobe Firefly Webでベータバージョンとして公開した。他社動画生成AIモデルと同様のクレジット消費制で、各種Creative Cloudプランのユーザーには毎月クレジットが付与されるほか、月額課金プランも用意される。

現在提供されているのは「テキストから動画生成」、「画像から動画生成」、「動画を翻訳」の3種で、今後「音声を自動調節」と「テキストからアバター生成」も追加される予定だ。

  • ▲Adobe Fireflyトップページの動画セクション。Adobe Creative Cloudコンプリートプランのユーザーには毎月1000クレジットが付与される(画面右上)
  • ▲「音声を自動調節」と「テキストからアバター生成」機能も近日公開予定とのこと

動画生成のUIとコントロール

生成にあたっては、縦横比カメラのショットサイズ・アングル・動きを選択可能。日本語のプロンプト文にも対応し、1,920×1,080・24fps・5秒の動画を生成できる。

  • ▲縦横比
  • ▲カメラのショットサイズ
  • ▲カメラアングル
  • ▲カメラの動き

画像からの動画生成にも対応。最初のフレームと最後のフレームに使用する画像を指定することができるため、5秒の動画を繋げて一貫性のある動画を生成する際などに役立つ。

▲JPEGまたはPNG画像のアップロードに対応

なお、コントロール項目の末尾(画面左下)ではシードの設定ができる。これはプロセスの開始をサポートしたり、AIによる生成動画のランダム性を制御するもので、同じシードとプロンプト、コントロール設定を使用することにより、類似のビデオクリップを再生成できる。

音声と動画の翻訳機能

Fireflyでは、動画生成だけでなく、動画の翻訳も行える。MP4またはMOV形式の5秒~10分以内の動画ファイルからオリジナル言語を自動検出し、複数の言語に翻訳した動画を生成できるというもの。文字起こしも同時に生成できる。

▲リップシンクの生成にも対応するが、現在はエンタープライズユーザーのみ利用可能

プランと価格、クレジットについて

Adobe Fireflyの動画生成機能はクレジット消費制となっており、月額課金プランとして月2,000クレジットが付与される「Adobe Firefly Standard」(月1,580円)と、月7,000クレジットが付与される「Adobe Firefly Pro」(月4,780円)の2プランが用意されている。

動画生成にあたっては、1080pで1秒100クレジット(現在は期間限定で1秒20クレジット)が必要となる。

▲消費クレジット一覧(アドビヘルプセンター:生成クレジットの概要より)

なお、各種Creative Cloudプランのユーザーには毎月クレジットが付与される。

▲Creative Cloudプランのユーザー向けクレジット付与(アドビヘルプセンター:生成クレジットに関する FAQより)

■Adobe Firefly
https://firefly.adobe.com/?media=video

■Firefly ユーザーガイドへようこそ
https://helpx.adobe.com/jp/firefly/user-guide.html

■Meet Firefly Video Model: AI-Powered creation with unparalleled creative control(公式ブログ、英語)
https://blog.adobe.com/en/publish/2025/02/12/meet-firefly-video-model-ai-powered-creation-with-unparalleled-creative-control

CGWORLD関連情報

●TiktokのByteDanceらが動画生成AI「Goku」を発表! 動画広告作成に特化した「Goku+」も

香港大学の研究チームとByteDanceが動画生成AI「Goku」の論文を発表。GitHubのリポジトリやサンプル動画を公開した。高速推論を実現する最先端のアルゴリズム「Rectified Flow Transformers」をベースにしたモデルで、テキストや画像からの動画生成、テキストからの画像生成を行える。
https://cgworld.jp/flashnews/202502-ByteDance-Goku.html

●動画生成AI「Pika 2.1」公開! キャラ画像などを動画内に合成できる新機能「Pikadditions」も追加

Mellisが動画生成AIモデル「Pika 2.1」をリリースし、キャラクターやオブジェクトなどの画像をあらゆる動画内に合成し、AIで動画生成できる新機能「Pikadditions」も追加。Pika 2.1モデルの利用には有料プランが必要だが、Pikadditionsは無料プランのユーザーも利用可能。
https://cgworld.jp/flashnews/202502-Pika21-Pikadditions.html

●日本初の日本語対応の動画生成AI基盤モデル「AIdeaLab VideoJP」無償公開! 商用利用可、ライセンスに考慮しゼロから動画学習

AIdeaLabが動画生成AI基盤モデル「AIdeaLab VideoJP」をHugging Faceで公開。日本語および英語のプロンプト文から動画を生成でき、生成動画の商用利用も可能。ライセンスはApache-2.0。
https://cgworld.jp/flashnews/202502-AIdeaLab-VideoJP.html