Thinkineticは1月27日(月)、Maya用ダイナミクスプラグイン「Pulldownit 6 For Maya」をリリースした。新たな破壊機能の追加、パフォーマンス・操作性向上などを実装している。価格はノードロックの1年ライセンス(WindowsまたはMac)が290ユーロ(約46,600円)、フローティングの1年ライセンスは360ユーロ(約57,900円)。
粉砕関連の新機能
Edge Fractureツールが新搭載となり、選択した破片の内側の境界を視覚的に削ることができるようになった。本ツールは非破壊でインタラクティブに動作することから、破片の再破砕と迅速なシミュレーション再生、操作のアンドゥ、オリジナルの破片の復元が行える。
また、パスベースの粉砕品質が前バージョン(Pulldownit 5)から改善され、粉砕がパス全体に丸みを帯びた破片を生成。これにより、石のようなマテリアルのダイナミクスにおいて、よりリアルな結果が得られるようになった。
また、Auto replace cut material(カットされたマテリアルの自動置換)がジャギーな破片に対応。破壊シーンのどの段階でもカットされたマテリアルを置換できるようになった。これは選択した破片グループだけに影響し、ジャギーな破片やベイクした破壊オブジェクトもサポート。さらに、新しいマテリアルには異なるベースカラーが設定されるため、影響を受ける破片のチェックがより簡単になった。
ダイナミクス関連の新機能
ダイナミクス関連では、インスタンス化されたリジッドボディのパフォーマンスが最大30%向上。数千の形状のシミュレーションが数分で完了するという。
また、新しいクラスターオプションとして 「Relative to Mass(質量に相対的)」が追加。これにより、大小の破片を含むクラスターがチッピングエリアで最初に破壊される。そして、破壊される物体の「Relative to Mass」はhardness(硬度)で調整でき、脆い物体が破壊された際は、衝撃を受けたエリアにより多くの破片が入りやすくなる。
クラスタライズのパターンも改善され、パラメータが非整列のクラスタを生成することで、自動クラスタでオブジェクトを破砕する際に、ブロックのような外観になるのを防ぐことができるようになった。
その他、新しいクラスターオプションとして「Excluded from Cracks Propagation(ひび割れの伝播から除外)」が追加。これは、クラスターが直接衝突した場合だけ強制的に破壊するオプション。ひび割れの伝播や破壊される物体全体に影響するフォースフィールドにより、クラスターが事前に切り離されることを防ぐ。
全更新内容についてはこちら。
■Pulldownit 6 for Maya released(公式ブログ、英語)
https://thinkinetic.blog/2025/01/27/pulldownit-6-for-maya-released/
CGWORLD関連情報
●無料のMaya用モジュラー式キャラクターリギングツール「Mansur-Rig 2.6」リリース! Maya 2025対応、Wingモジュール更新
イスラエルのリギングアーティスト兼開発者のAsaf Ben Zur氏が、Mayaのキャラクターリグ構築用モジュラー式ツールセット「Mansur-Rig 2.6」をリリース。新バージョンではWingモジュールの更新によるコウモリの翼のサポート、既成リグライブラリへのハヤブサの追加、Maya 2025のサポート、PyMELモジュールへの依存解消などが実装されている。
https://cgworld.jp/flashnews/202501-Mansur-Rig26-Maya.html
●Mayaの標準サーフェスをBlenderのプリンシプルBSDFに! オープンソースのスクリプト「Import-Maya-Shaders」リリース
カナダのVFXディレクターRobert Rioux氏が、MayaのサーフェスをBlenderにエクスポートするためのスクリプトパッケージ「Import-Maya-Shaders」をGitHubで公開。
https://cgworld.jp/flashnews/202501-Import-Maya-Shaders.html
●Maya用マッスル&スキン・フェイシャルシミュレーションツール「AdonisFX 1.4」リリース! 脂肪組織シミュレーション用デフォーマ、筋肉接着用ノードの新搭載など
イギリスInbibo社がMaya用のマッスル&スキン・フェイシャルシミュレーションツール「AdonisFX 1.4」をリリース。脂肪組織シミュレーション用デフォーマ「AdnFat」や筋肉接着用ノード「AdnGlue」、筋肉同士のコンストレイント機能などを新たに実装する。対応するMayaは2022〜2024。
https://cgworld.jp/flashnews/202412-AdonisFX14-Maya.html