アメリカTopaz Labsは2月6日(木)、低品質な動画のディテール復元などのエンハンスを行うAI拡散モデル(Diffusion Model)「Project Starlight」を発表した。「Video AI 6」の有料ユーザーは、バージョン6.1ベータ版で毎週3回、10秒間のプレビュー生成を無料で利用できる。

▲Sony RX10で撮影された映像の復元。センサーラインサンプリングとハイフレームレートモードを使用したもの

「Project Starlight」は拡散ベースの新アーキテクチャで構築されたモデルで、従来のVideo AIに搭載されているモデルとは大きく異なる。60億以上のパラメータと最新のNVIDIA GPUでトレーニングされた本モデルは、Topaz Labsにおける最もダイナミックで広範囲にわたる動画エンハンスメント手法。


本モデルでは、何百ものフレームを分析し、各フレームがもつ固有の破損の問題(圧縮アーティファクトやぼかし、エイリアシング、ノイズ、大気の歪み、欠落ピクセルなど)を解決しながらディテールを正確に復元するという。これらの処理は完全自動で行われ、手動調整やパラメータのチューニングは必要ない。また、本モデルはプロユースのカメラで撮影された映像の復元にも対応している。

Video AIユーザーにアーリーアクセス機能として提供

本機能は「Video AI 6.1」ベータ版でVideo AIの有料ユーザーに対してベータ機能として提供されており、10秒間のテスト復元を毎週3回まで無料で利用できる。

また、アプリ内クレジットを用いることで、5分・1080pまでの動画をエンハンス可能だ。さらに、Video AI Pro Enterpriseプランのユーザーはさらに長時間かつ高解像度の動画の復元が可能となる。

ただし現時点で「Project Starlight」は従来のモデルよりも著しく実行速度が遅く(10秒・1080pで約20分)、処理コストも高いため、サーバグレードのGPUによるクラウド処理が必須となっている。

■Project Starlight - Video AI 6.1 Beta(Topaz Labs Community、英語)
https://community.topazlabs.com/t/project-starlight-video-ai-6-1-beta/87108

Video AI 6のライセンスと価格

ライセンスは永久ライセンスで価格は299ドル(約45,660円)、ライセンスには12ヶ月分のアップデート権が含まれる。アップデート権のリニューアル費用は年間149ドル(約23,300円)。トライアル版も用意されている。なお、商用利用の場合はVideo AI Proの購入が必要となる。

対応OSはWindowsとmacOS。詳細は下記を参照してほしい。

■System Requirements(Topaz Labs Docs)
https://docs.topazlabs.com/video-ai/system-requirements

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