株式会社セルシスは3月12日(水)、イラスト・マンガなどの制作ツール「CLIP STUDIO PAINT Ver.4.0」をリリースした。パペット変形、色調補正やフィルター、加工関連機能の強化、オブジェクト配置のスナップ対応、3Dデッサン人形や3Dプリミティブへの描画などの新機能を搭載している。

3D関連機能の強化

Ver.4.0では3Dデッサン人形3Dプリミティブに対して、ブラシツール(ペン、スケッチ、筆、消しゴム、エアブラシ、デコレーション)による描画が行えるようになった。3Dプリミティブについては展開図を書き出し、平面で続きを描画することもできる。描画済みのオブジェクトは「素材」として登録し、必要に応じて呼び出すことができる。

■3Dテクスチャペイントでパーツや模様を描き込む(CLIP STUDIO TIPS内の公式記事)
https://tips.clip-studio.com/ja-jp/articles/10495


また、3D素材から他の3D素材に対して落ち影の投影が可能となったほか、読み込み可能ファイル形式として新たにSTL、BVH(モーション)、VRM(表情)に対応している。

▲3D素材からの落ち影が他の3D素材にも投影されるように

▲VRMの表情シェイプに対応し、シェイプキーを操作して表情付けを行えるようになった

キャラのポーズを簡単に調整できるパペット変形

画像にメッシュを作成し、固定したい箇所にピンを打つことで、ポーズ変更が行える機能が搭載された。

オブジェクトのスナップ機能

オブジェクトや制御点を移動してスナップする際にガイドが表示されるようになり、均等配置や中央揃え配置などがしやすくなった。

新フィルター「レンズぼかし」と「水晶」

カメラのレンズを模した「レンズぼかし」や、結晶や宝石のような質感表現が行える「水晶」フィルターが追加された。

投げなわ機能の改善

投げなわ塗りや投げなわ選択を行う際に、選択中のレイヤーまたは参照レイヤーにスナップができるようになった。また、いくつかのツールでは、ドラッグとクリックを切り替えながらフリーハンドと折れ線を組み合わせた選択範囲の作成も可能となった。

サブツールの複数選択と一括処理に対応

サブツールを複数選択して、移動・削除・書き出しなどの一括処理が可能になった。

メッシュ変形が高速化

メッシュ変形実行時、ハンドルの操作中は一時的に低画質のプレビューが表示されることで、変形の動作速度が高速化した。

その他、全更新内容はこちら。

■CLIP STUDIO PAINTリリースノート
https://www.clipstudio.net/ja/dl/release_note/latest/

■CLIP STUDIO PAINT Ver.4.0を提供開始 作品の仕上げや加工関連、3D関連、アニメーション制作機能など、多数のアップデートや新機能を搭載(セルシス公式ニュース)
https://www.celsys.com/topic/20250312

■バージョン4.0おすすめ新機能(公式サイト内)
https://www.clipstudio.net/ja/functions/latest/

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