ミュンヘン工科大学とアウディの研究チームは3月8日(土)、生成AIによりスケッチからインタラクティブにメッシュの作成と編集が可能となる技術「MeshPad」の論文を発表した。大規模なトランスフォーマー(ニューラルアーキテクチャの一種)モデルを利用することで、スケッチによる形状の追加と削除を高品質なメッシュに置き換えることを可能にしている。ソースコードは今後公開予定。
MeshPadのアプローチ
MeshPadは、三角ポリゴンメッシュによるモデリングをスケッチ入力によるADD(追加)とDEL(削除)のふたつの操作に分解し、それぞれAdditionネットワークとDeletionネットワークという大規模なトランスフォーマーモデルにより処理する。
スケッチ入力による追加や削除はリアルタイムで出力メッシュに反映され、さらなる編集を可能にするが、この編集のインタラクティブ性のために、Additive mesh generator(加算的メッシュジェネレータ)上に、vertex-aligned speculative prediction strategy(頂点を整列した推論型予測手法)を導入した。このジェネレータは頂点に対応する複数の出力トークンを予測することから、推論の計算コストが大幅に削減され、編集プロセスの高速化が実現するという。

実験では、既存の最先端のスケッチベースのメッシュ生成手法と比較して、面取り距離で22%以上のメッシュ品質向上を達成したほか、実験参加者による知覚評価では90%に好まれたという。

■MeshPad: Interactive Sketch Conditioned Artistic-designed Mesh Generation and Editing(プロジェクトページ、英語)
https://derkleineli.github.io/meshpad/
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