Adobeは2月21日(金)、同社Substance 3Dファミリーの3Dスキャンツール「Substance 3D Sampler 5.0」をリリースした。レンダラが新しいマテリアルプロパティとパストレーシングをサポートしたほか、主要なワークフローをワンクリックで開始してレイヤースタックを作成できるクイックアクションボタン、HPとAdobeが共同開発したマテリアルキャプチャデバイスシステム「HP Z Captis」との統合などを実装している。

パストレーシングによるフォトリアルなマテリアルのレンダリング

Substance 3D Samplerの3Dビューポートにパストレーシングのオンオフを切り替えるボタンが追加され、フォトリアルなマテリアルのレンダリングに利用できるようになった。また、シャドウのオンオフも切り替え可能。レンダリング結果はスナップショット画像として保存できる。

▲「3D/2D」ビュー。2Dか3D、または2Dと3Dの同時表示を行う際に利用するモード。他に「3D only」と「2D only」がある

■2D and 3D Viewport(Adobe Help、英語)
https://helpx.adobe.com/substance-3d-sampler/interface/2d-and-3d-viewport.html

定番のワークフローを簡素化するクイックアクション

クイックアクションは、クイックアクションパネルに用意されたテンプレートから、数回のクリックだけでアセットを作成したり、必要なレイヤーをスタックに追加できるシステム。

▲クイックアクションパネル内のアクションの一部。例えば「Adjust image」を実行すると、「Input」、「Crop」、「Tiling」、「Brightness/Constrast」、「Hue/Saturation」、「Color replace」という6レイヤーのスタックが自動で作成され、フィルタによる画像の微調整をしやすい下準備を整えてくれる

■Quick actions(Adobe Help、英語)
https://helpx.adobe.com/substance-3d-sampler/features-and-workflows/quick-actions.html

マテリアルキャプチャデバイスシステム「HP Z Captis」との統合

HPとAdobeが共同開発したマテリアルキャプチャデバイスシステム「HP Z Captis」と統合されたことにより、キャプチャのプレビューと起動、PBRチャンネルの自動処理、デジタルマテリアルのエクスポートが行えるようになった。

新しいホーム画面のレイアウト

ホーム画面が刷新され、新規プロジェクトの作成や既存のプロジェクトのオープン、動画チュートリアルや学習コンテンツへのアクセスなどがしやすいレイアウトに変更された。

その他、全更新内容はこちら。

■Version 5.0 | Substance 3D Sampler(Adobe Help、英語)
https://helpx.adobe.com/substance-3d-sampler/release-notes/version-5-0-substance-3d-sampler.html

CGWORLD関連情報

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https://cgworld.jp/flashnews/202502-Substance-Modeler119.html

●「Substance 3D Designer 14.1」リリース! 親スプラインに沿ってスプラインを分配配置できるScatter Splines on Splinesノードや新ツール群が追加

Adobeがノードベースのプロシージャルテクスチャ作成ツール「Substance 3D Designer 14.1」をリリース。スプラインを利用した成長や分布の表現が可能なScatter Splines on Splinesノードの追加やMask to Pathsノードの強化など、スプラインとパス機能が更新された。また、Node Alignment(ノード整列)ツールやColor Sampler(カラーサンプラー)ツールの追加、パラメータのコピー&ペースト、ノード検索ツールの改良なども実装されている。
https://cgworld.jp/flashnews/202501-SubstanceDesigner141.html

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Adobeが最新のPhotoshopベータ版の機能「パラメトリックフィルタ」をアナウンス。本機能はSubstanceのSBSAR(Substanceアーカイブ)形式のフィルタをPhotoshopのワークフローに統合するもので、パラメトリック(パラメータ操作により)にフィルタを適用できる、プロシージャル(非破壊)フィルタとテクスチャとなる。
https://cgworld.jp/flashnews/202412-Photoshop-filter.html