Adobe社は1月28日(火)、同社Substance 3Dファミリーのデスクトップ&VR対応モデリングツール「Substance 3D Modeler V1.19」をリリースした。エクスポートモードに新しいアセットワークフローとして「Projecct Assets」が導入されたほか、プリミティブのShell(空洞)パラメータ、インポートメッシュのアダプティブなサブディビジョンなどを新たに搭載している。

エクスポートモードに「Projecct Assets」が導入

シーン内のひとつまたは複数のオブジェクトをアセットとして定義し、エクスポート設定を保存することで、ひとつのシーンで複数のエクスポート設定セットを管理できるようになった。個々のオブジェクトの反復処理や再エクスポートの簡素化に役立つ。

▲公式リリースノート(下記)に掲載されている解説動画より。橋のモデルの柱・橋桁・道路の3つのオブジェクトをアセットとまとめてアセットとして定義し、それぞれ指定したフォルダにUSD形式でエクスポートする設定を組んでいる。モデルごとにターゲットポリカウントやアダプティブトポロジーなどを設定し、エクスポート設定に保存しておくことができる

▲エクスポート後、ターゲットフォルダ内に保存された3つのUSDファイル
▲一度エクスポート設定を組んでおけば、柱だけUVの生成が必要な場合には柱を選択して「Generate UVs」にチェックを入れてエクスポートするだけで追加のUVが生成される

また、エクスポートのオプションとして、数値ではなくパーセントでポリカウントを決定できるようになった。アセットのエクスポートポリカウントを大幅に変更する場合でもポリゴン密度を一定に保つことができる。

プリミティブにShellパラメータが追加

プリミティブの形状を空洞にするShellパラメータが追加。この値をゼロ以外に設定すると、プリミティブが選択された際、プリミティブの視覚化ラインにその効果が表示される。なお本パラメータは、グループの結合(Combine)モードをNoneに設定したグループにも使用できる。

また、プリミティブのグループに対するアウトラインの表示方法が変更され、グループ内のオブジェクトがX・Y・Z平面と交差するように配置されていない場合、指定されたグループのアウトラインが表示されなくなった。

インポートメッシュのサブディビジョンがアダプティブに

インポートメッシュをSubstance 3D Modelerが3D空間内で扱うSDFs(Signed Distance Fields)に変換する際のサブディビジョンでは、メッシュ全体を均一に細分化するのではなく、クレイの解像度に応じて必要な領域だけを細分化するようになった。

また、クレイに変換(Convert to clay)ボタンを右クリックすることで、メッシュのサブディビジョン設定にアクセスできるようになったほか、メッシュのインポート時に、インポートしたメッシュをすぐにクレイに変換するオプションが追加された。

その他、VRでのカメラプレビュー追加、カメラの動きを滑らかにするオプション追加、キーボードショートカットのカスタマイズ対応などの更新を実装している。

全更新内容はこちら。

■Substance 3D Modeler V1.19.0 Release notes(英語)
https://helpx.adobe.com/substance-3d-modeler/release-notes/v1-19-release-notes.html

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