Houdiniのパイプライン機能を大きく拡張できるアーキテクチャ「PROCEDURAL DEPENDENCY GRAPH(PDG)」。バージョン17.5から搭載された機能だが、まだ認知度はそれほど高くなく、国内での活用事例もそれほど多くない。しかしこのPDG、上手く活用することで生産性の向上が期待できるため、テクニカルアーティスト(テクニカルディレクター)にはぜひ押さえておきたい。

去る2023年2月22日(水)に開催した「PROCEDURAL DEPENDENCY GRAPHセミナー」では、そうした現状を踏まえて、PDGの有用性について入門レベルから実践的な活用事例までを広く紹介。セミナー終了後、PDGのさらなる普及のため、さつき先生による「PDG・TOPS入門」セッション約50分を、3月31日(金)まで限定で無料公開することにした。

本セッションでは、そもそもPDGやTOPとは何かということから、簡単なサンプルを使った活用例までを解説。ぜひこの機会にPDGの根幹をつかんでほしい。

TOPとは? PDGとは?

ここからは、さつき先生のセッションの概要を抜き出していく。

まず、TOPとは「Task Operator」のこと。Houdini上で管理すべき多数のタスクを効率的に処理するためにつくられたオペレータである。Houdiniの他のオペレータ、SOPやDOPなどと同列の言葉だ。

そしてPDGは、「Procedural(プロシージャルな)」、「Dependency(依存関係の)」、「Graph(図示。多数のノードを繋げたもの)」。つまり、各タスクを頂点として、それらの依存関係を辺として構成される図

具体的にどのような使い方をするかということでさつき先生が示した例がこちら。回転記号をまとめたCSVファイルを使って57個のアニメーションを自動生成し、レンダリングまで行うというものだ。

続いて紹介されたのは、パラメータを変えることで模様が変化する例。多数のバリエーションを自動で生成しながら色ごとに大きな一枚の画像にまとめ、書き出したファイル名にはパラメータ情報を記載しつつ、CSV形式でも書き出すように自動設定する。セミナーではTOPノードを使いながら手順を解説している。

最後に、破壊のシミュレーションについて、パラメータを変更した4つのバリエーションを1画面にまとめて、フレーム番号を付記してアニメーションとしてレンダリングするという例。エフェクトのテストですぐに活用できそうなサンプルだ。

さつき先生による他のHoudiniチュートリアル

●ゼロから始めるHoudini – Houdini Fundamentals

さつき先生による、Houdiniのチュートリアル動画16本のYouTube再生リスト。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLAsWwUHApt3P92c3R1VjJrPJQNIfEijrT

CGWORLD関連情報

●PROCEDURAL DEPENDENCY GRAPHセミナー(ボーンデジタル)

動画の元となったセミナーの告知ページ。Houdiniに興味を持った方はぜひボーンデジタルまで問い合わせてほしい。
https://www.borndigital.co.jp/seminar/28787.html