柔軟な構成と対応力が決め手! MousePro×DAIVでスムーズなリモート移行を実現

リモートワークの重要性が広く認知される中、2019年からフルリモートを想定した準備を進めてきたCGプロダクション、ダイナモピクチャーズ。
ハイスペックなDAIVシリーズを自宅からリモートデスクトップ接続することでフルリモート環境を実現。
機材の選定理由やスペック上のポイントを、同社の開発部部長渡部晃久氏、デザイン部部長住田永司の両氏に聞いた。

TEXT＿神山大輝（NINE GATES STUDIO）

業務用PCに必要なのはスペックだけではない。
包括的なサポートの重要性

ハイエンドな3DCGを基軸としたアニメーション制作を中心に、アミューズメント事業やVR開発を手がけるダイナモピクチャーズでは、2018年よりマウスコンピューターのクリエイター向けPC「DAIV」シリーズを制作におけるメインマシンとして活用している。同社はこれまでインテル搭載の業務用モデルを用いて3DCG制作を行なっていたが、GPU性能に依存するVR開発やUE4を用いたリアルタイム3DCG開発におけるVRAM不足から、オペレーション用のマシンとしてDAIVシリーズを選定。スペックはCPUに10コアのインテル Core i9シリーズを、GPUにGeForce GTX 1080Tiを、メモリに64GBといった構成で、アニメ『モンスターストライク』シリーズで特に負荷の大きかった爆発や崩壊などの物理シミュレーション系エフェクト処理の負荷軽減を実現した。「インテル Core i9 シリーズなどが出始めた頃、コンシューマ向けのPCでも制作が可能ではないかと模索を始めました。同時期、GPUのVRAM不足で作業の滞りが発生する状況もあったため、CPUとGPUのバランスが良く、コスト的にもちょうど良いDAIVシリーズを購入しました」（住田氏）。従来使用していたマシンにGPUを増設する手段もあったが、トラブル時のメーカーサポートの妨げになる点や、相性問題を考慮し新規購入にふみきった。「個人で使うPCと違い、会社で使うPCはバラバラに購入してしまうとトラブルシューティングが困難になったり、メーカーサポートも受けづらくなります。例えばこの20年間、約4年周期でメモリを2倍にするというペースで買い替えを行なっていましたが、過去のマシンにメモリを増設して新規導入マシンと足並みを揃えるためには相応にコストもかかります。マウスコンピューターは、購入やサポートに関して柔軟な対応をしてもらえた点を高く評価しています」（住田氏）。

リモートワークへの取り組み

ダイナモピクチャーズでは、2020年4月中旬より全社的にリモートワークを開始。社員は会社内にあるDAIVシリーズにリモートデスクトップ接続を行い、自宅のMouseProシリーズで作業を行なっている。同社は近年に「ダイナモピクチャーズ沖縄室」を設立しており、沖縄と東京で同じ案件を地続きに行うためにリモート環境での仕事のあり方を模索してきた背景がある。そのため、移行もスムーズだったが、ネックとなったのが社員の自宅用のクライアントPCをどう入手するかだった。
「リモートワークを行う期間の見通しが立たなかったため、レンタルPCではなく購入しました。当時は各社の発注競争で、ハードウェアを人数分手配するために社員への環境のヒアリングとPC発注を同時並行で行うようなスケジュールでした。これまでの実績からマウスコンピューターに相談しましたが、平常時と同じく10営業日以内に納品して頂けました」（渡部氏）。BTOメーカーとしてPC仕様の柔軟性を保ちながら、法人向けの臨機応変な対応が可能な点が、マウスコンピューターの信頼性につながっている。

POINT 1
[ リモートPC ] MouseProシリーズ

各社員の自宅にMouseProシリーズを用意し、会社内にあるDAIVにリモートデスクトップ接続（アプリケーションはSplash Topを使用）を行うことで、完全なリモートワーク環境を実現。クライアント側のPCにMouseProが選ばれた理由は、フルHDで正確なモニターができる点と、4月時点ですぐに必要台数が入手可能だった点だ。「マウスコンピューターはクリエイター向けのPCも数多く販売していますし、これまでDAIVを使っていても問題は一度も起きていなかったので、品質を信頼してスピード優先で動きました」（渡部氏）。セキュリティ面は運用ルールでカバーしており、どのアカウントがどの筐体でリモート接続するかの認証は社内で行い、ローカルにデータを一切置かないことで問題を未然に防いでいる。

OS
Windows 10 Pro

CPU
インテル Celeron プロセッサー（2コア / 2スレッド 1.8GHz）

GPU
インテル UHD グラフィックス 610

メモリ
8GB

ストレージ
240GB（SSD）

POINT 2
[ 社内PC ] DAIVシリーズ

ヘビーなエフェクト処理も◎
『モンストアニメ』におけるヘビーなエフェクト表現も最新CPU及びGPU搭載のDAIVでストレスなく制作できた。下はモンストアニメ『ルシファーウェディングゲーム』の最終話、主人公であるルシファーの獣神化シーン。このショットから始まる、ルシファーが敵のラスボス（ケテル）を葬るまでの一連のシーンでは、Mayaを使った破壊、FumeFXを使った流体煙、Houdiniを使ったキャラクターの崩壊などエフェクトが盛りだくさんだったそうだ。