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4つのマシンで徹底検証!<br /> 世界的After Effectsアーティストが導き出す制作環境に最適なマシンとは

4つのマシンで徹底検証!
世界的After Effectsアーティストが導き出す制作環境に最適なマシンとは

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あのカイル・クーパー氏の下、Prologue Filmsにてキャリアを重ねてきたビジュアルアーティスト・佐藤隆之氏。After Effectsの第一人者である佐藤氏が、その多忙な時間を割き、非常に貴重な検証を行なってくれた。マウスコンピューターのフラッグシップ・デスクトップ機をベースに、特長の異なる様々なマシンで同一のレンダリングや物理演算系をテストしてくれたのだ。実務感覚に近いこの性能比較は、まちがいなくマシン選びの参考になる。必見だ。

体感では掴めない差を
数値化することで"見える化"

「映像制作に用いるような"本質的に重い"アプリケーションは、どんなマシンを使っても待ち時間が必ず発生します。それが5分なのか8分なのかはさておき、いずれにしても待っている身としては、体感ではだんだんわからなくなってくるんですよね」。
佐藤氏はそう語り、今回の検証について解説する。「だからどうせやるなら、自分のためにも数値で一度出してみたかったんですよ。今はなんとなくで処理を待っているけど、実は体感以上に待ちが長くなっていて、作業効率が良くないといったこともあり得る。これが洗い出せれば今後の業務効率の改善にも繋がるわけで」。
普段の佐藤氏の制作環境は、デスクトップ機が2台と、モバイル機(Mac)が1台。それぞれに特長をもったマシンとなっている。これらと今回の検証機、マウスコンピューター「MDV-QX9500SH5-WS」をアプリケーション処理のレベルで比較すれば、より実務環境に近しい処理性能のベンチマークが得られ、利用シーンごとに最適なスペックが導き出せるはず。レンダリングにはCPUのクロック数が大事なのか、それともコア数か。GPUはどのタイミングで何の処理に効くのか、またメモリ容量は何に影響をおよぼすのか......。体感としてはイマイチ掴めないこのあたりのポイントが、数値化されることにより確かに"見えて"きた。

徹底比較で見えてくる、
AE&CGツールに最適な環境

今回検証したマウスコンピューター製マシンには、NVIDIA Quadro K5200というハイエンドGPUが搭載されていたため、CINEMA 4Dにおいてはリアルタイムプレビュー表示など、体感的にも高速化を大きく感じた部分があった。しかし、今回はそのあたりの話はひとまず、数値的に示せるものに絞って深堀りしていく。
まずは最もわかりやすいのがレンダリングテストだ。仕上げのタイミングだけではなく作業中にも随時チェックを行うため、作業効率にも大きく影響する。制作マシンの性能を計るのにこの検証は欠かせない。また特にAfter Effectsは、レンダリング時にマルチコアCPUをフル活用するために設定上のコツが必要で、そこまで踏まえた比較検証結果というのはほとんど存在していない。この情報だけに絞っても、本記事は有益なものとなっているはずだ。
加えて行なったのが、CPUだけでなくGPU性能も大きく影響するテスト。CINEMA 4Dでは、レンダリング時にCPU/ソフトウェア/ハードウェア処理が選択できるが、CPU設定以外はGPUを大きく使うため面白い結果が出ている。さらにGPUのパフォーマンスを比較するために、流体シミュレートプラグインを用いた物理演算処理も比較した。この結果がCUDA性能を物語っていると思ってよいだろう。
4つのマシン環境の数値がここまで出揃ってくると、おまけとしてメモリ容量やストレージ構成の影響を受けている部分などもアタリがつき、総合的な理想環境も見えてくる。では早速、次項より詳しく検証していこう。

特長の異なる4つのマシンによる、
After Effects/CINEMA 4Dの性能ベンチマーク



AEはレンダリング設定時、「マルチプロセッシング」処理が行えるが、実際にはタスクマネージャーなどでCPU負荷を見ても100%は使われておらず、処理時間で考えてもマルチコアが活かされていない。現状、AEにてマルチコアを最大限活かすには、拡張AEスクリプトの「BG Renderer」を導入し、TIFF連番にてフレームスキップ設定で複数起動してレンダリングする手法を用いる。この処理と通常のシングルコア設定のレンダリング結果と合わせてグラフにまとめたのが上図。シングルコア設定になると、ほぼCPUクロックがレンダリング時間に直結するが、マルチコアを活用し始めると、CPUコア数とメモリ搭載量の多いマシンがどんどん高速化し逆転する。4ウィンドウ以降、高速化の割合が低くなってくることを考えると、6コアクラスのCPUが現実的なパフォーマンス発揮ポイントだ。
※1 テスト詳細:佐藤氏自主作品『The Moment of Beauty』のAEプロジェクトより、一部(24フレーム)をレンダリングし、要した時間を計測(複数回。平均時間を掲示)
※2 ③デスクトップBと④モバイル機(Mac)は3つ起ち上げた時点で高速化が見られなくなり、テストを終了


C4DのようなCPUをフル活用するCGツールのフィニッシングの場合、クロックの高さではなく、多コアCPU搭載マシンが圧倒的に速くなる。「標準レンダリング」の比較では、16コアを搭載するデスクトップAが圧勝し、続くのは6コアのマウス機。4コア搭載の2機は大きく離される結果となった。しかしおもしろいことに、作業中には確認レベルでわりきって「ソフトウェア/ハードウェアレンダラを使う」という処理内容に限れば、一気に逆転が起こり、CPUクロック/GPU性能のバランスが良いマウス機とデスクトップBが優位に立つのだ。モバイル(Mac)も、それなりのGPUを積むためか予想外に健闘している。ただいずれにせよ、どちらもバランスがとれているのはやはりマウス機。レンダリングの仕上げにも、作業にも使う個人/小規模体制の制作機材としては、良いバランスだ。
※3 テスト詳細:佐藤氏制作のC4D R16新機能であるモーショントラッカーチュートリアルを用いて、168フレームをレンダリングし、要した時間を計測(複数回。平均時間を掲示)。ただし標準設定はレンダリングが長いため25フレーム分。このチュートリアルはwww.maxonjapan.jpで公開中


物理演算に関しても、レンダリングと同様の傾向が見られる。CPU処理ではコア数が多いマシンが優位となり、GPUを活用する処理、いわゆるCUDAを活かせば、GPU性能が処理時間に直結する。結論から言うと、ここでもマウス機がトータルで優秀な結果を残している。NVIDIA Quadro K5200は、K4000との比較なら倍の速度である。最速の組み合わせとしては、コア数重視型のデスクトップAにK5200を差せば、このあたりのCGテストでは最も優秀な結果を残すだろう。ただ、多コアCPUは基本クロックが低いため、AEとの親和性も加味すると、一概にそれも最適解とは言い難い(何より、多コア設計のXeonは極めて高価格帯の製品)。自分の作業スタイルや望む処理がどのベクトルで速度を活かしたいか、で選んでいきたいところだ。
※4 テスト詳細:C4Dプラグインの「TurbulenceFD体験版」を利用して、82フレームの流体シミュレートに掛かる処理時間を比較(複数回。平均時間を掲示)

総括
①CPUはコア数とクロックのバランスで選ぶ
②CG /物理演算系ならGPU強化の見返りは大きい
③メモリは32GB以上、ストレージはSSDがベター

Xeonなどの2桁を超える多コアCPU構成は、レンダリングマシンに特化するならば有益だが、After Effectsを主体とした作業用PCとして考えるならやや行き過ぎ。コアの多さは、CG業務を考えればもちろん一定数欲しいが、現状のAEの挙動上、動作クロックの高さの方がモノをいう状況が多い。価格性能比で考えると、自分は6~8コアで高クロックのものを選びたい。メモリも16GBと32GB以上の環境では、レンダリング直前のシーン読込み等で速度差が見られるため、32GB以上を選ぶ。加えてCUDAコア数を多く搭載するNVIDIA製GPUを選択しておけば、しばらくは作業環境に思い悩む必要はないだろう。今回検証したマウスコンピューター機はその理想に近いスペックであり、価格性能比で見てまず検討に値する存在だ(佐藤氏)

文・構成_高木貞武
PHOTO_大沼洋平

Information

マウスコンピューター
NVIDIA Quadro K5200搭載
ハイエンドデスクトップ
MDV-QX9500SH5-WS

OS:Windows 8.1 Update 64bit
CPU:Core i7-5820K (6コア/3.3GHz)
MEM:32GB (PC4-17000)
SSD:240GB / HDD:2TB (7200rpm)
VGA:NVIDIA Quadro K5200/8GB
PWR:700W (80PLUS BRONZE)
※ディスプレイはオプション
参考価格:410,000円(税別・送料別途)
※BTOを含む
問:(株)マウスコンピューター
TEL(法人): 03-6739-3808
(平日:9~18時、土日祝:10 ~20時)
TEL(個人): 03-6833-1010
(10~20 時 ※年末年始を除き無休)

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Profileプロフィール

TAKAYUKI SATO a.k.a OTAS

TAKAYUKI SATO a.k.a OTAS

佐藤隆之氏
1978年千葉県生まれ。99年専門学校を卒業後、イメージスタジオ109、ユナイティア(現IMJ)を経て、04年渡米、ロサンゼルスの美術大学でモーショングラフィックスを学び、アメリカの映像プロダクションに就職。その後Prologue Filmsにて映画のタイトルシーケンス、VFX、TVCF、番組用グラフィック制作などを手がける。最近の主な参加作は映画『オブリビオン』(タイトルロゴとED)、『G.I.ジョーバック2リベンジ』(OP)。
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