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昨今、世界中で新たなVRコンテンツが制作されているなか、マネタイズに課題を抱えているものは少なくない。そこで、CADデータをVR体験できるソフトウェア『SYMMETRY alpha』を開発したDVERSE Inc.の沼倉正吾氏にVRビジネスについてお話を伺った。

▲『SYMMETRY alpha』

CADデータを「無償で」VRコンテンツ化するビジネス

――『SYMMETRY alpha』は、どのような製品ですか?

沼倉正吾氏(以下、沼倉氏):建築・設計などで使われるCADデータ(skpファイル)をVR空間上に実寸スケールで出力し、自由なインタラクションを可能にするアプリケーションです。VR空間内で実際に歩き回れることから、HTC Vive向けに無償配信を開始しました。今後モバイルも含めて、対応機種を増やしていく予定です。

――なぜ無償配信なのでしょう?

沼倉氏:Adobe社の『Acrobat 』のように、ビューワ機能は無償で、編集・制作機能は有償というビジネスモデルを展開する予定だからです。まずは無償版を普及させ、グローバルスタンダードを確立したいと思います。



――どういった活用シーンが考えられますか?

沼倉氏:例えば家を建てる際に、顧客が図面上でしか完成形を確認できなかったものがVR空間内で実際の広さや雰囲気を実寸で確認できるようになります。30センチ天井が高くなると部屋のイメージが大きく変わることが直感的にわかるようになります。

――製品の企画意図はどこから?

沼倉氏:もともと弊社ではエンターテインメント向けのVRコンテンツをつくっていました。そのひとつとして試作したところ、デザイナーや設計士をはじめ、建築・土木関係の問い合わせが大きく、開発にいたりました。イチから発注するのはコストがかかりますから、普段使用しているCADデータでビジュアライズできる点が刺さったのだと思います。

VRコンテンツは導入しやすい環境づくりが重要

――今回サードウェーブデジノスと提携された理由は何でしたか?

沼倉氏:VRコンテンツには「体験しないと価値がわからない」、「どのPCを買えば良いかわからない」、「設置が難しい」という課題があります。そこでBTOパソコンで長年実績があり、秋葉原に体験施設「VRパラダイス」を展開し、数多くのソフトウェア専用PCを販売するサードウェーブデジノス様に提携を打診しました。VRコンテンツは、それを導入しやすくする環境づくりも重要だと考えています。



――VRの可能性をどう見ますか?

沼倉氏:現在はゲームやエンターテインメント用途が中心ですが、今後は社会の様々な分野で利用が拡大していきます。『SYMMETRY alpha』についても、教育関係者からの引き合いが強く、驚きました。太陽と地球の大きさや、分子の構造なども、VRコンテンツであれば直感的に理解できます。歴史上の建造物の中を歩き回ることもできます。

――可能性がさらに広がっていきますね。

沼倉氏:個人的にはVRエディタの進化で、マウスとキーボードに代わる新たな「絵筆」の登場を期待したいですね。カジュアルからハイエンドまでユーザー層が重層的な広がりを見せる中で、社会に定着していくのではないでしょうか。

SYMMETRY alphaについて

Trimble社製のSketchUpで使用されるskpファイルを直接インポートし、VRコンテンツ化できるアプリケーション。開発にはゲームエンジンのUnityを使用しており、2017年2月14日(火)にHTC Vive向けにSteamで無償版の配信が開始されると、20日間で世界72カ国・地域でダウンロードされた実績を持つ(現在もダウンロード数は増加中)。

「デザイナー・設計士・営業マンといった、VRに不慣れなユーザーが顧客に対して簡単にデモを行い、設計図の内容をVR空間内で直接チェックしてもらう」ことが開発コンセプトで、HTC Viveのコントローラで直感的に操作できるように配慮されている。

▲【左】VRに慣れていなくとも一目で分かるフォルダ構造のUI【右】俯瞰視点

▲【左】実寸で出力されたデータ内を自由に移動し確認できる【右】skpデータのレイヤー情報も保持されている

▲【左】壁や床にマークを付けることができる【右】室内の風景を写真に撮影し、音声メモを残すことができる

今後は室内のドアを開ける、電灯のスイッチを入れるといったインタラクション性の強化や、ネットワーク上での複数人(顧客と担当者など)同時体験といったアップデートも予定されている。無償版の配信に加えて、編集機能やモデル生成の機能を強化した有償版の販売も予定されている。まず無償版を普及させ、グローバルスタンダードを確立したところで、有償版で回収する戦略だ。またSketchUpはGoogle Earthとも連動することから、ユーザーコミュニティが活発で、ネット上に大量のskpファイルがアップロードされている。これら を自由にダウンロードしてVRコンテンツにすることも可能だ。

TEXT_小野憲史
PHOTO_弘田 充

raytrek-V ZG SYMMETRYalpha 動作確認済みモデル

■OS Windows 10 Pro 64bit
■CPU インテル Core i7-7700K (クアッドコア/HT対応/定格4.20GHz/TB時最大4.50GHz/L3キャッシュ8MB)
■グラフィック NVIDIA GeForce GTX1080 8GB
■メモリ 32GB DDR4 SDRAM(PC4-19200/16GBx2/デュアルチャネル)
■ハードディスク 【SATA3】 2TB HDD (SATA6Gb/s対応)
■SSD 500GB SSD
■光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
■マザーボード インテル Z270 チップセット ATXマザーボード
■保証 持ち込み1年保証
■価格   249,980円(税別)

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※マシン構成は2017年3月27日のものです
※構成、価格は変更になる場合があります

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