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設立からわずか3年で、社員・外部協力者を含め約100名の体制にまで急拡大しているアニメーションスタジオがある、ENGIだ。
同社は出版・映像を中心に豊富なIPを有するKADOKAWAと、アニメや漫画を原作とする遊技機を数多く手掛けるサミー、そして有力なアニメーションスタジオを数多く傘下に持つウルトラスーパーピクチャーズの三社によって設立された。
「グローバル市場におけるスタジオブランドの確立」をビジョンに掲げ、その為のミッションとして「リアルタイムCGを活用した新機軸のワークフローの構築」を進めている同社の3DCG部には、現在、国内外のアニメ・ゲーム業界出身のアーティスト・エンジニアが次々に参加している。
ENGIの掲げるビジョンについて、そして、現在彼らが求める人物像について伺った。
TEXT_神山大輝
PHOTO_弘田 充
EDIT_池田大樹(CGWORLD)
グローバル市場で "ENGI" というアニメスタジオブランドを確立したい
ENGIはデジタル作画と3DCGを組み合わせた高品位な映像制作を得意とするアニメーションスタジオで、これまでにTVアニメ『宇崎ちゃんは遊びたい!』、『旗揚!けものみち』などの作品を制作してきた。今後もビッグタイトルの制作を控えている。2018年設立とまだ若いスタジオながら、社員数は東京本社だけで3DCG部30名、デジタル作画部40名と約70名以上の社員を抱えている。とくに3DCG部署では、スタッフの約2割が外国籍ということもあり、国際色豊かな制作環境が特徴だ。
当然これは偶然の結果ではなく、国内の3DCG業界を長年見つめ続けた吉岡宏起氏(同社代表取締役専務)ならではの企業方針によるもの。
「今現在伸びている中国市場や、今後ターミナル的な役割を果たす北米市場を考慮すると、単純に国内市場を対象に新しいスタジオを作るだけでは競争力を維持するのが難しい。そこで、豊富なIPを有し北米市場への進出を狙うKADOKAWAやメディアミックスを狙うサミーのバックアップを受ける形で『海外で戦えるスタジオ』としてENGIを起ち上げました。
世界に向けて発信していくアニメを作る以上は、日本だけでなく、海外の方の知見、経験を取り入れながら、独自のコンテンツを作っていきたい。そこで海外スタッフの採用にも力を入れており、現在は、北米のゲーム会社出身であり、日本のアニメに熱い情熱を持ったスタッフを中心としてワークフローとパイプライン構築を進めているところです」(吉岡氏)。
驚くべきは海外スタッフの募集要件として日本語の能力を課していない点だろう。日本人を主体とするスタジオの多くでは、海外スタッフの受け入れを行う際、最低限の日本語能力を必要とする場合が多いが、同社の場合、社内にトランスレーターを複数採用することで、このハードルを解消。トランスレーターを介し、日本人は日本語で、海外スタッフは英語でコミュニケーションを取るスタイルが定着している。
また、吉岡氏はグローバルなアニメーションスタジオを目標にする理由として次のようにも説明する。
「日本のアニメーション業界の根本的な課題は、世界基準で知名度の高いアニメーションスタジオが少ない点だと思います。質の高いコンテンツを制作しスタジオの知名度が世界水準になれば自然と海外向けライツ収入の道がひらける。そうなると、作品の質を担保するために、給与水準を上げ腕のいいスタッフ呼び込み、さらに良い作品を作り上げる......これをスパイラル構造として成立させなければ国際競争を勝ち抜けません。まずはENGIから始めてますが、国内各地でこの枠組みを広げていき、いずれは日本のアニメ業界全体を元気にしたい」と説明する通り、根幹にあるのはアニメ産業全体を盛り立てたいという強い想いだ。
ワンクールのアニメーションシリーズをUnreal Engineで作り切る体制を目指す
吉岡氏のビジョンを実現に導くために取り組んでいる方策の一つが、Unreal Engineを活用し「待ち時間を減らす」、「後戻りをなくす」という2つに軸をおいたワークフローの構築だ。技術開発をリードするのは3DCG/VFX部ラインプロデューサー の飯島 哲氏。吉岡氏のビジョンに惹かれ入社してきた一人である。
「実は、Unreal Engineをアニメ制作のワークフローに取り入れること自体は、あまり高いハードルだとは考えていません。なぜなら、Unreal Engine自体が非常にユーザーフレンドリーなツールであるとともに、既にゲーム業界を中心に多くの実績があるツールだからです。そして何より、ENGIではシステムの〝切り替え″を考える必要はなく、〝構築″に集中することが出来るからです」新興のスタジオでありながら、強力なバックアップの元、元請け作品の制作に注力できるENGIだからこそ採れる戦略であると語っている。
「トップブランドの1つとして、世界中の人の心に響くアニメ作品をつくり出せるようなスタジオになるために、如何にして作品の質を上げ、スタジオの独自性を獲得し、成長し続ける体制を構築していくのか。それを真剣に考え、積極的に取り組んでくれる仲間を増やすことが、今最も直面している課題です」
そんな、同社はENGIのビジョンに共感する、アート・テクニカルスタッフを募集中だ。アニメ作品が好きでリアルタイムCGへの知見が深いゲーム業界関係者はもちろんのこと、これまでのアニメーション制作の常識に疑問を持ち、グローバルな市場で競争力を持つための新たなスタジオ体制の構築に興味が有る方は大歓迎だという。
「アート・テクニカルの両面に強いアーティストの方々や、日本のカルチャーを好きになってくれて来日している外国籍のクリエイターの皆さんにも、是非参加してもらいたいですね。日本語を話せるかどうかは必須の条件ではありませんので、ぜひ、気軽に問い合わせください」(飯島氏)
現在、様々な職種を募集中だが(記事最下部リンク先参照)、特に ■ 1.アニメーションスペシャリスト/アニメーションリード、■ 2.モデリングスペシャリスト/モデリングリード。 ■3. テクニカルアーティスト ■4. エフェクトスーパーバイザーの4職種について積極採用中とのこと。
「弊社ではタスクベースでの業務管理を推進しています。そして、モーションはモーションだけ、ライティングはライティングだけ、と作業範囲を細分化しています。ゼネラリストとして活躍できる人材になるためにはとても時間がかかるため、まずは
2、3年を掛けて特定のスキルに対する「1人前」になっていただき、その後はそのまま続けても良いし、別の作業工程へシフトしても良い、というキャリアステップを考えております」(飯島氏)。同社のビジョンや、それを叶えるため新たな技術的アプローチへ取り組む姿勢に共感を覚える方は、ぜひ門をたたいてはいかがだろうか。以下では、ENGIに集うスタッフ達の声を紹介する。参考にしてもらいたい。
「UE4だけでアニメ作品を作り切る」という、前例の無い挑戦が可能
横川和政氏は、『楽園追放』や『HELLO WORLD』などのフル3DCG作品で造形ディレクター、アートディレクターを歴任しており、ENGIでは現在モデリングスーパーバイザーとして業務を行っている。モデリングチームは現在10名程度で、今後はプロジェクトに応じて人員を強化したい考えだ。
「新しいことにチャレンジする姿勢と、グローバルな視点で仕事ができる点に惹かれて入社しました。英語が堪能でなくても、3DCGに理解のある通訳スタッフの方がいてくださるので、コミュニケーションにストレスがありません。会社自体もまだ3年目と若く、スタッフの皆さんも伸びしろが大きいです。世界に通用するようなスタジオにしていきたいですね」(横川氏)。
また、UE4の活用については、「モデリングからLookDevまでをやってきた人間としては、最終的な画がリアルタイムで確認できるのは大きな利点です。ゲーム開発の現場ではUE4を使うこともありましたが、自分自身映像制作でのUE4経験はありませんし、業界的に見ても「UE4で一本アニメーションを作り切る」というのは前例がないので、チャレンジしがいがある環境だと思います」と語っている。
北米のゲーム・VFX制作で培った経験を活かしながら、
日本のアニメ作品に合った新たなワークフロー・パイプラインを作っていく
3DCG部のチーフスーパーバイザーを務める元木パウロ氏は業界歴29年の大ベテランで、広告デザイナーから映像制作、テレビや映画、ビデオゲーム開発を経て、現在はENGIでアニメ制作に携わっている。パウロ氏はチリ出身で、もともとは物語をつくる仕事を志望していたものの、マーケットが少なかったためにデザイナーとしてキャリアをスタートし、その後Mayaや3ds Maxなど新たな技術を習得し続けて現職へと至っている。
「チリからバンクーバーへ移ったあと、2017年3月に来日しました。その際、縁があって吉岡さんから声を掛けていただき、彼のヴィジョンに共感し入社しました。子どもの頃からアニメ制作に関わる仕事がしたいと考えていたので、夢が叶って嬉しく思います」(元木パウロ氏)。
ENGIのヴィジョンとは、もちろん「国際的に著名なスタジオを目指す」というもの。世界に向けたコンテンツを制作するためには、ワークフローも世界基準でなければならない。その意味では、既にやり方が固まっている歴史の長いアニメ会社に入社するよりも、まっさらな状態から試行錯誤して最適な作業環境の構築が出来ることは大きなメリットとなる。
「昔ながらのやり方に固執するのではなく、常に新しい技術を取り入れて行きたいです」(パウロ氏)。これまでのやり方を否定するのではなく、アニメ作品を日本の文化として尊重しながら、コストやスケジュールにおける課題を改善していきたいと語った。
ルックやアニメーションに、ENGIの個性が色濃く現れる作品を手掛けたい
テクニカルスーパーバイザーのセス氏は、2016年と2019年の2度の来日を経て、技術的に挑戦しがいのあるENGIに興味を持って入社した。セス氏は現在はリグ、シェーディング、パイプライン、R&Dなど、ENGI社内の技術に関する要素全てを監修している立場となる。
「元々日本のアニメ作品は、スタジオの個性がルックやアニメーションに色濃く現れていました。ただ、2D作画から3DCGへ転換したとき、スタジオ毎のルックの独自性は弱くなってしまった印象です。ENGIでは、「この作品、ENGIが作っているんだ!」と思って貰えるような作品を作って行きたいです」(セス氏)。
ENGIは新しい会社であり、ゼロからパイプラインやインフラ構築ができる点も魅力だという。歴史の長い会社であればもともとあった慣習を捨てる必要があるが、ENGIはそういった要素がなく、非常にやりがいを持って技術検証やインフラ構築が出来ているとのことだ。
システマティックな制作体制の骨組みを作りたい
帆苅氏は今年度の新入社員である。京都大学で数学を学んだのち、バンタンゲームアカデミーを経てENGIに入社した。専門学校で行われたENGIの会社説明会を見て直感的に「面白いことをやりそうだ」と惹かれ、熱意的なアピールをして入社したという。
「今はセスと一緒に会社のインフラ構築を行っています。ファイル構造などから全てゼロからやっているところで、まずは会社の制作体制の骨組みをしっかり作るところが仕事です。長年数学を学んでいたこともあってか、不合理を排して合理的なものを目指したくて。きちんとシステマイズされていない、みんなが良く分かってないけどなんとなくやっている、という状況ではなく、合理化されたシステムの上で作業をして頂けるように努力しています」(帆苅氏)。
なお、帆苅氏はセス氏と働くようになってから英語力がかなり上達したという。通訳スタッフが常に社内にいることもあり、日本語でのコミュニケーションも可能だが、「毎日、会社にくるたびに英会話を習っているような気分です」と、日常的に外国人のスタッフと協業することで3DCG技術だけでなく数多くの学びを得ているとのことだ。
募集職種(3DCG部)
1. アニメーションスペシャリスト/アニメーションリード
2. モデリングスペシャリスト/モデリングリード
3. テクニカルアーティスト
4. エフェクトスーパーバイザー
5. エンバイロンメントアーティスト
6. コンポジット・ライティングスーパーバイザー
7. 3DCGプロデューサー/3DCGアシスタントプロデューサー
8. 3DCGプロダクションマネージャー
9. 社内システムエンジニア
応募はコチラから
https://engi-st.jp/recruit/ (日本語)
https://engi-st.jp/en/recruit-2/ (English)
募集職種詳細
1.アニメーションスペシャリスト/アニメーションリード
採用積極度 : ★★★★★
主要ソフトウェア : MAYA
採用対象 : 経験者
採用基準 : アニメーターとしてのスキルと経験(5年以上の実積)を重視します。技術面で若手スタッフを導きながら、弊社のメインアニメーターとして魅力に溢れたアニメーションを付けていただける方を探しております。特に3Dアニメにおけるレイアウトやカメラワークに熟達した方を歓迎いたします。
2.モデリングスペシャリスト/モデリングリード
採用積極度 : ★★★★★
主要ソフトウェア : MAYA/ZBrush/Substance
採用対象 : 経験者
採用基準 : モデラーとしてのスキルと経験(5年以上の実積)を重視します。3Dアニメのモデリングディレクター/スーパーバイザー/リード経験がある方を歓迎します。コンシューマーゲームの業務経験があると尚望ましいです。また、3Dアニメのキャラクターモデラーと背景モデラーを優先しますが、ハードサーフェス系も募集中です。
3.テクニカルアーティスト
採用積極度 : ★★★★★
主要言語 : Python Python/MEL (必ずしも必要ではないが業務上で活用可能な言語: C++,QT, HLSL, GLSL, OSL, JavaScript)
採用対象 : 経験者
採用基準 : モデリング/テクスチャリング/シェーダー/リギング/アートの最適化に習熟していること。アートとアニメーションのパイプラインに関する確かな理解があること。キャラクターやクリーチャーのリギングを作成した経験があり、会社の基準に合わせた調整もできること。
以上のような、テクニカルアーティストとしての経験の幅を重視いたします。なお、将来的にテクニカルアーティストを目指しているが、今はリガー/セットアッパーとしての経験しか無い、という方も歓迎いたします。
※NEW:Unreal Engineのシステム開発・機能拡張が出来る方も是非ご応募ください。
4.エフェクトスーパーバイザー
採用積極度 : ★★★★★
主要ソフトウェア : MAYA/Houdini FX/Unreal Engine
採用対象 : 経験者
採用基準 : エフェクトアーティストとしてのスキルと経験(5年以上の実積)を重視します。エフェクトアーティストとしての画面作りに対するこだわりの強さと、それをイメージ通りに実現させるためのテクニカルスキルの高さを重視します。
5.エンバイロメントアーティスト
採用積極度 : ★★★★☆
主要ソフトウェア : Photoshop/MAYA/ZBrush/Substance
採用対象 : 経験者
採用基準 : 背景美術のスキルと経験(5年以上の実績)を重視します。特に、美術監督の経験がある方を優遇します。3Dソフトへの理解があると尚望ましいです。ライティングやマットペイントも含めた、映像制作におけるエンバイロメント構築全般に、強く興味を持った方を歓迎します。
6.コンポジット・ライティングスーパーバイザー
採用積極度 : ★★★★☆
主要ソフトウェア : After Effects/Nuke/Unreal Engine/Houdini
採用対象 : 経験者
採用基準 : コンポジット・ライティングアーティストとしての画面作りに対するこだわりの強さ・内容を重視します。アニメ案件経験者を優先しますが、未経験者も歓迎いたします。
7.3DCGプロデューサー/3DCGアシスタントプロデューサー
採用積極度 : ★★★★☆
採用対象 : 経験者
採用基準 : 下記3つのポイントを総合的に判断させていただきます
a.優れたコミュニケーション能力を持ち、会社の顔として窓口に立てる人物である
b.プロダクションマネージャーとしての経験(5年以上の実積)がある
c.日常会話レベル以上の英語スキルを持っている(必須ではない)
8.3Dプロダクションマネージャー
採用積極度 : ★★★☆☆
主要ソフトウェア : Shotgun/G Suite (gmail/spreadsheet/document等)
採用対象 : 経験者/未経験者
採用基準 :下記2つのポイントを総合的に判断させていただきます
1.優れた情報処理能力とコミュニケーション能力を有している
2.ビジネスレベルの英語スキルを持っている
9.社内システムエンジニア
採用積極度 : ★★★☆☆
採用対象 : 経験者
採用基準 : 社内システムエンジニアとしての経験の幅を重視いたします。CG会社での業務経験がある方を優先します。また、社内環境整備のためのツール開発が出来る方を広く歓迎いたします。
なお、優遇する人材の具体例としては、Maya/C ++/shell/Pythonなど、何らかのプログラミング言語が扱えること(必須ではないが業務上で活用可能な言語としてHTML/JavaScript/PHPもあります)、該当するソフトウェアプラットフォームに関する知識があること、Shotgunの活用経験があること、です。