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一見すると難易度が高く感じられるが、遊びこむごとにプレイの幅が広がる骨太アクションRPGとして、全世界で高い評価を受けた『DARK SOULS』。その続編として、2014年春にPS3・Xbox 360・PCで発売が予定されているのが『DARK SOULS II』だ。2013年6月には開発スタジオのフロム・ソフトウェア主催で流通・報道関係者向けに体験会を開催。シリーズでおなじみのゴシック・ファンタジー的な世界観や、美しいグラフィック、濃密なゲーム体験などに、大きな注目が寄せられていた。

一方で、今年はPS4とXbox ONEという次世代ゲーム機が発表され、ハードの世代交代が本格的に始まる。これに伴い同社でも「次世代」プロジェクトが進行中で、シリコンスタジオの協力のもと、3Dアーティストの募集が開始された。次世代ゲーム機での開発に必要な、「次世代アーティスト」とは何か。フロム・ソフトウェアで開発全般を統括する竹内将典氏、次世代プロジェクトでグラフィックの研究開発を務める佐藤 誠氏、『DARK SOULS II』でリードグラフィックデザイナーを務める小川啓一郎氏、そしてシリコンスタジオで3Dグラフィックス関連の研究・開発案件の渉外やミドルウェアの販促・販売を行う部門とクリエイター専門の人材紹介・派遣部門を統括する伊藤佳輝氏に、同社で求められる人材像について伺った。

成熟した大人のユーザーを中心に、
ブレないゲーム作りを継続

流通・メディア関係者向けに開催された『DARK SOULS Ⅱ』体験会の様子

「『DARK SOULS II』では次世代機に見劣りしない印象を与えられるように苦心しました。特に前作と比べて光と影の映像演出や、それに関連するゲーム体験を高められるように注力しています」と小川氏は切り出した。前作でリードグラフィッカーをつとめた佐藤氏も「自分たちがやり残したことに果敢に取り組んでいる」と評価。体験会版でも薄暗い城の中からスタートし、松明をかざしながらモンスターと戦闘を繰り広げるという、シリーズ本来のゴシック・ファンタジー的な世界観がゲームプレイを通して伝わってきた。

世界のゲーム市場がAAAタイトルとカジュアルゲームに二極化し、国内でもモバイル・ソーシャルゲーム市場が急増する中で、多くのゲーム会社が岐路に立たされている。これに対して伊藤氏は人材供給側の立場から「家庭用ゲーム機のコアユーザーをメインターゲットに、骨太なゲーム作りを続ける数少ない企業」と同社の戦略を分析。竹内氏も「もともと弊社は『成熟した大人のユーザー向けに、どっぷり楽しんでもらえるゲーム』を中心に作ってきた。次世代機でもその方針は変わらない」という。

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求められるのは周囲を巻き込んでゲームが作れる人間力

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一方でハードの進化に伴い、ゲームグラフィックが持つ意味や、アーティストに求められる資質もより高度になってきたと竹内氏は語る。1994年に発売されたPlayStationでは、家庭用ゲーム機で本格的な3DCGが可能になり、3Dアーティストという職種が生まれた。それがハードの世代交代に伴い、よりグラフィックの精度が向上。これが次世代機では「意図を持ったグラフィックが求められる」時代になるという。

たとえば建物を例にとっても、それらしい背景を3Dで描くだけで限界だった時代から、次第に温度、湿度といった空気感から、そこで暮らす人々の生活感に至るまで、フォトリアルに表現できる時代になってきた。その上で今後はアイテムや仕掛け、進むべき順路、松明をかざすと浮かび上がるモンスターの影といった、ゲーム的な要素も違和感なく織り込み、プレーヤーの没入感を高めていく必要がある。これは綺麗な映像を作れば良いという単純な話ではない。小川氏いわく「画面の情報量が多くなりすぎると逆効果。時にはメリハリをつけて整理する必要も出てくる」というほどだ。

そこで求められるのが「映像ではなく、ゲームを作っている」という目的を共有できるアーティストだ。以前から言われていることだが、映像品質が高くなったぶん、さらに俯瞰した視点が必要なのだという。またチーム作りに対する意識も必要だ。現世代機での解像度は720Pが主流。これが次世代機では1080Pが標準となり、単純に総画素数だけでも約2.3倍。同社でも開発チームの増加は織り込み済みで、そのための体制づくりも進んでいる。逆にアーティスト側も、単に「早く高品質な映像が作れる人材」から「周囲を巻き込んで、部署横断的にゲーム作りが進められる人材」(佐藤氏)が求められているという。

今回の募集では中途採用で約30名の3Dアーティストを募集しており、中でも背景アーティストとモーションアニメーターが求められている。同社ではモデリングツールに3ds Maxを採用しているが、ツールの習熟度もさることながら、求められるのは一人ひとりの人間性であり、熱意だ。

提出書類でも「応募者が考える以上に、我々は履歴書やポートフォリオを重要視しています。応募者の生き様が感じられる作品が見たいですね」(竹内氏)、「せっかく背景とキャラクターがあるのなら、別々の作品にせず、背景の上にキャラクターを立たせて、ポーズを決め、ライティングをして、一つの映像にまで昇華してはどうでしょう。いろんな意味で『惜しい』ポートフォリオが目立ちます」(佐藤氏)、「ポートフォリオには『スキル』『本能』『美学』が重要だと思います。クオリティが高いこと、やりたいことが明確であること、見る側がどう思い、感じるかを配慮して作品を作ること、という意味です」(小川氏)というアドバイスが返された。

また竹内氏はフロム・ソフトウェアから他社に転職したスタッフに対して、しばしば「仕事の進め方をはじめ、社会人としてしっかりしている」といった評価をいただくことがある、と語る。前述の竹内氏の言葉を借りると「成熟した大人向けのゲームを、大人のクリエイターが作るスタジオ」と言えそうだ。またリアルタイムCGによるカットシーンが拡大する一方で、まだまだプリレンダーCGによる高品位なムービー制作も求められている。そのため映像業界などからの応募も歓迎だ。このほかメカやゴシックファンタジーが得意というイメージのためか、全社的に女性の割合が少ないのも事実。とはいえ同社の作風に共感できる人なら、性別を問わず幅広く応募して欲しいと語られた。



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開発と人材紹介・派遣を兼務するシリコンスタジオの強みとは

対談写真

こうした転職活動に際して力になるのがシリコンスタジオだ。同社は開発部門もあり、PS3向けに2009年にフロム・ソフトウェアから発売されたアクションゲーム「3Dドットゲームヒーローズ」を開発したのは、実はシリコンスタジオだったという縁もあるほど。またシリコンスタジオ製のミドルウェア採用実績も多く、密接な協力体制にある。人材紹介・派遣業務にとどまらず、ゲーム開発を知り尽くした企業ならではのサポートが受けられるのだ。

肝心の人材供給についても、キャリアコンサルタントによって応募者一人ひとりのヒアリングが実施され、時には自分でも気づかなかった資質や特性が引き出されることもあるという。数多くのクライアントを抱える同社だけに、企業情報についても潤沢。いざ入社してみて、もともと抱いていたイメージとは違った、などの失敗も最小限に抑えられる。

伊藤氏は「特に転職が初めてというクリエイターの方は、最初に入社した企業の慣習や環境が業界の常識だと思いがちです。転職後のミスマッチを防ぎ、且つ自分を客観視する意味でも、ぜひ登録をお勧めします」と語った。個性的な企業が多い業界だけに、こうしたサービスを適切に活用する意義は高そうだ。


DARK SOULS II
©2013 NAMCO BANDAI Games Inc. ©2011-2013 FromSoftware, Inc.

TEXT_小野憲史