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"白組発信のIP創出"を旗印に掲げ、遊技機発のオリジナルコンテンツ『戦国乙女』、オリジナルTVアニメ『えとたま』など、様々なコンテンツに企画・脚本・演出から携わり、制作してきた白組 新規コンテンツ事業部/New Media Development Div.(以下、白組NMD)。そしてこの度、同部が手がけるオリジナルアニメシリーズ『revisions リヴィジョンズ』が、2019年1月からフジTV「+Ultra」にて放送予定、Netflixにて全世界独占配信予定で、その勢いは留まるところを知らない。
今回はそんな白組NMDの井出和哉プロデューサーに、白組NMDはどんな作品を手がけてきたのか、これから何を目指そうとしているのか、求める人材像について話を伺った。
<1>白組発のオリジナルIPならでは、より深みのあるセル調CGアニメ―ションを表現を目指す
「白組NMDでは、自社IPによる収益の拡大という企業戦略の下、オリジナル企画でのヒット作の実現を目指しています。これまで手がけてきた作品ですと、『戦国乙女』シリーズは10年以上続き、業界でも長いIPとして支持をいただいてきましたし、オリジナルTVアニメ『えとたま』は白組NMDの名前を知っていただくきっかけになりました。これらのIPで培ってきたノウハウの蓄積があり、またセル調CGのアニメーションが現在世間的に需要が高まっているという時流を受け、これらをさらに発展させるかたちでオリジナルTVアニメ『リヴィジョンズ』の制作に至りました」。
白組NMDのこれまで辿ってきた道筋と、これから先の展望について、そう井出氏は語った。
数々のオリジナルコンテンツをヒットさせてきた白組NMD、ではその秘訣とは一体何なのだろうか。
「白組のモットーとして『有限なリソースの中で、一番良いものをつくる』というものがあります。作り手として良いものをつくるという目標がある一方で、会社としては、納期を守らなければならないということもあります。そのような状況の中では、やるべきことの優先順位をつけ、限られた時間の中で最高の結果を出すには何をすべきかという取捨選択がとても重要です。特にTVシリーズのアニメは作業工程が非常に多く、スケジュールもとても細かい。そこで作品のクオリティをブレさせずに納期を守っていくためには、クオリティコントロールを自らに課すということが必要なんです」。
それが会社としての物作りのやり方であると、井出氏は言う。
最新作『リヴィジョンズ』では、全要素の約8割を3DCGで描ききるという試みがなされている。白組NMDはセル調CGアニメのプロダクションとしては後発であり、他のプロダクションとの差別化をはかるため、一般的には作画で描かれるキャラクター表現であっても、CGで描くことに積極的に取り組んでいるという。そんな白組NMDは部全体としては80名、3DCGスタッフは約50名が在籍しているが、セル調CGのさらなる需要拡大に応えるべく、現在、積極的にデジタルアーティストを募集中だという。そんな白組NMDが求める人材像について、井出氏に伺った。
「白組全体の信条として、各社員それぞれが2つは得意とするスキルを持とう、ということがあります。例えばアニメーションが得意であれば、もう1つは、リギングも得意になってほしい。2つ得意なことがあれば、各セクションで別れて仕事をする中で、隣のセクションについても理解し、互いにサポートしあうことができますから。その信条を理解していただいた上で、自分の求める表現に全力で取り組みたいと思っている人に来ていただきたいですね。集団でものづくりを行なっていくので、確かに大変な部分もありますが、社としても充分な休暇を確保できる体制を整える取り組みを行なっています」
今後さらなる拡大が予測されるセル調CGアニメ、その制作の最先端の現場で働きたいという方は、是非とも求人情報をご覧になっていただきたい。
<2>Substance Painterを導入し、奥行のあるセル調CGを実現
篠崎徳太郎氏は新卒で白組に入社し、今年で十四年目のベテランCGジェネラリストだ。現在はキャラクターモデルチームのリーダーを務めており、『リヴィジョンズ』では、キャラクターならびにメカのアセット制作にてリードモデラーとして中心的な役割を担ったという。
「『リヴィジョンズ』では、セル調の醍醐味である作画ライクな表現と同時に3DCGの利点を活かしたディテール表現にもこだわっています。例えばメカの質感にはSubstance Painterによる3Dペイントで劣化や汚れの表現を従来以上に高めています。セル調の表現では、作画特有の陰影やシワを表現するために、2D技法と3D技法を複雑に組み合わせることで、セル調CGの表現力をさらに向上させることができました。セル調CGは競争が激しい分野なので、その中でトップにならなくてはという気概を持って取り組んでいます」と、そのこだわりを語ってくれた。
「確かに、物量としても表現としても大変なプロジェクトですが、休暇はちゃんと取れるので安心してください。自分は有給消化率100パーセントです。リーダーである自分が率先して休むことでメンバーも気兼ねなく休みをとってほしいと思っています。働くときはしっかり働いて、休むときはしっかり休む。そんなメリハリの付いた働き方ができる職場ですね」と、就業面の利点も語ってくれた。
▲(左図)主人公・堂嶋大介(CV:内山昂輝)たちを襲撃するリヴィジョンズのメカ/(右図)大介たちが操縦する「ストリング・パペット」。Substance Painterによる3Dペインティングを活用することで、よりリッチな質感を実現
▲本作では、人間キャラクターたちも基本的に3DCGで描かれている。オブジェクトによるCG影と描き影(テクスチャ)を的確に使い分けることで、セル調の魅力とCGの魅力をより高い次元で融合させている
<3>キャリア10年以上のベテランたちに見守られながら、自分の実現したいアニメーションを提案していける
落合舞子氏は大学4年生の終盤にまずはアルバイトとして白組NMDに採用。真摯な姿勢とアニメーションのセンスが評価され、大学卒業後に正社員となった、入社2年目の若手アニメーターだ。
「『リヴィジョンズ』では、主にレイアウトを担当しています。アニメーション作業では、「ニコラス」という、ぬいぐるみのようなデフォルメ頭身キャラの動きを主に手がけています。以前からニコラスのようなコミカルでかわいらしいキャラクターを動かしたいと思っていたのですが、先輩と一緒にディズニーやピクサー作品などを研究しながら細かな動きまでこだわって付けています」
また、落合氏には若手社員としての視点から、白組での働き方についても伺った。「アニメーション班はキャリア10年以上のベテランが中心で、自分はひさしぶりに入ってきた新人という立場でした。ですが、そんな中でも自分の提案や相談を気さくに聞いてもらえるんです。お互いに教え合うという社風のおかげで充実しています」。白組は若手とベテランの間に壁のない、風通しの良い社風であると語ってくれた。
▲リヴィジョンズのひとり「ニコラス・サトウ」(CV:大塚芳忠)は、見た目のとおりデフォルメ頭身。そこで動きとしてもカートゥーン調の誇張モーションが基本となっている
▲落合氏がアニメーション作業を担当した例。フィギュアスケートを滑走するような動きをデフォルメ頭身で成り立たせるためにポーズ等も積極的に提案したという
<4>ヒーローショットのエフェクトにより時間をかけるため、プリセットで時間短縮
織田賢太郎氏は白組では2年目(キャリアのトータルでは4社目)、CGキャリアは14年目のベテランだ。
「『リヴィジョンズ』では、エフェクト表現とコンポジットワークに携わっています。エフェクトを3DCG主体で制作するにあたり、できるだけ作業効率を高めるべく、まずは各キャラクターの武器等で使用するプリセットを準備しました。プリセットを用意することで、各個人でクオリティの差が出にくくなるんです。また、本作はバトルものですので、ヒーローショットのエフェクトに時間をかけたいという思いがありました。プリセットを用意しておくことで時間が短縮できるので、時間をかけるべきところに手間と時間をかけることができました」。
数社のCGプロダクションを渡り歩いてきた織田氏には、白組ならではの特徴についても伺った。「白組は実写VFX、リアル系CG、セル調CGなど様々な表現に取り組んでいるので、人材としても様々なバックグラウンドをもった人たちがいます。そういった他部署の人たちとの交流によって日々刺激を得ることができるところがいいですね」それが、数多くの部署が存在し、様々な表現に日々取り組んでいる白組ならではの長所だという。
▲ 織田氏が作成したエフェクト表現のプリセット例。FumeFXで作成したハンドガンのマズルフラッシュをオブジェクト化して、チーム内に配布。任意のキーフレームを打てば、アニメーションのタイミングを制御できるスクリプトも作成
▲ 劇中に登場する爆破(被弾)エフェクトの例。こちらも同様に、ベースとなるFXシミュレーションをプリセット化することで費用対効果を高めている
<5>効率化のための改善提案を柔軟に採り入れていく職場
入社4年目で、プロダクション・マネージャーを担当する加賀谷理奈氏。白組に入社する以前は、作画アニメのプロダクションなどで制作進行を担当していたキャリアを有している。
「実は一時期、映像コンテンツの制作現場から離れていました。ですが、白組が制作スタッフを募集していると知って、再びこの業界へと戻ってきました。『リヴィジョンズ』では、白組NMDとして初めて全面的に導入したShotgunを使って、プロダクション・マネジメントに携わっています。スケジュール管理や社内外の折衝など、実際に画づくりを行うわけではありませんが、アーティストたちがつくった映像が世に出るのをサポートすることにやりがいを感じています」。
「白組NMDはワンフロアに全セクションのスタッフがいるので、何かあったときにすぐに隣の部署に相談できるところが良いですね。また、自分がやった作業が次々とバトンタッチされていく様子が見られるところもいいです。あと、会社のすぐ近くに素敵な飲み屋があるところも個人的なオススメです(笑)」。加賀谷氏もまた、社内の連携と風通しの良さを魅力に感じている。
▲(左図)Shotgunによる各カットの進捗管理例/(右図)画コンテと相対する背景セットの資料。一連の作業データはShotgunで一括管理されており、全スタッフがいつでも確認できるようになっている(申し送りや修正指示等も同様)
<6>実写的な演出を積極的に導入。よりリッチなアニメCGの画づくりを目指す
高橋氏は2005年に日本電子専門学校を卒業後、白組に入社し、現在は撮影監督として活躍している。
「『リヴィジョンズ』における撮影班の役割は、基本的にはエフェクト表現になるのですが、その前段階のライティングのリグの仕込みであったりとか、ツール周りのワークフローを整えたり、必要なツールは自分で作成したりと、限られた時間の中で出来るだけ良い成果を挙げることを心がけています」。
高橋氏によると『リヴィジョンズ』では、映像演出面の特徴として、CGアニメに実写映像の技法を取り入れる試みがなされているという。「今作で初めてコンポジットにNUKEを使用しました。。必要な素材はOpenEXRで出しているので、前ボケや後ろボケの調整もNUKEではプロシージャルで対応できるので効率良く作業が行えています。こうした表現は2Dではなかなか難しいので、3DCGアニメの魅力のひとつだと思います」。
「白組の良いところは、良い意味で適当なところだと思います。ガチガチにワークフローが固まっている工場のような感じではなく、各自が自分で考えながら仕事をしていくのです」。そんな柔軟性のある働き方が白組の長所であると、高橋氏は語ってくれた。
▲ストリング・パペットを操縦する、張・剴(ガイ)・シュタイナー(CV:島﨑信長)。瞳に対するモニターグラフィックスの反射表現は、NUKEの3D空間上で球体に反射用マップを貼り付け、該当部分に合成処理を施している
▲リヴィジョンズのひとり、ムキュー・イスルギ(CV:田村ゆかり)。セル調のルックと3D空間によるライティングが自然なかたちで一体化されている
■求人情報
白組 新規コンテンツ事業部では現在下記職種を募集中です。
▼募集職種
①アニメーター
②モデラー(キャラクター)
③コンポジット
④エフェクト
⑤制作進行
▼職種内容
①アニメーター
手付けアニメーションの好きな方、得意な方歓迎
②モデラー(キャラ)
主にキャラまわり作業。リグ周り得意な方大歓迎。
③コンポジット
シーンの絵作りなど最終の見た目を担う作業です。エフェクト兼任できる方歓迎。
④エフェクト
プロジェクトに合わせて新しいプラグインも導入します。コンポジット兼任できる方歓迎。
※①~④いずれの職種もテクニカル(スクリプト、ツール開発など)にも強い方大歓迎です。
⑤制作進行
制作チームに所属し、様々なプロジェクトの進行を担って頂きます。作品制作の頭から最後までその成り立ちを見ることのできる遣り甲斐のある仕事です。
▼応募資格・歓迎条件
①②は、いずれかの3DCGソフト使用経験があれば応募時にMaxの経験は問いません。
①~⑤業務経験者歓迎、業務未経験でも応募可。
使用3DCGソフト: 3ds Max,Maya,Unity など
管理ソフト: Shot Gun、HieroPlayer など
>>詳しくはJOBSをご覧ください。