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BTOのPC製造販売「ドスパラ」や「全国高校eスポーツ選手権」などを展開するサードウェーブが、新規事業を推進する「XR部」を起ち上げ、Unreal Engine 4を扱う人材育成サービスやコンテンツ開発を行なっていくための人材募集を開始した。ハードウェア面でCGアーティストを支えてきたPCメーカーが、CGコンテンツ制作側にまわってどのようなことを行うのか? サードウェーブXR部部長の室谷将之氏と課長の山石大樹氏に、XR部の事業目標や求める人材、会社のビジョンや実際の働き方、福利厚生などについて話を聞いた。

TEXT_日詰明嘉 / Akiyoshi Hizume

Unreal Engine 4を用いて創造活動を支える「XR部」

――「ドスパラ」でお馴染みのサードウェーブさんが、このたび「XR部」を起ち上げてUnreal Engine 4(以下、UE4)を扱う人材やコンテンツ開発をする方を求人されていると伺いました。本誌読者の一般的なイメージですと、サードウェーブさんはやはりBTOのPCメーカーとしての印象が第一にあると思いますので、まずはこの「XR部事業」についてのご説明をお願いいたします。

室谷将之氏(以下、室谷氏):「XR部」のバックボーンとして、弊社が2017年9月から運営してきた、UE4の基礎技術習得を目的とした集中スクール「Training Camp」(トレーニングキャンプ)があります。弊社は「人々の創造活動の可能性を最大限にする」というミッションステートメントを掲げ、PCのBTO販売でお客様に認知していただいていますが、それは単なるハードウェア販売ではなく創造活動をする人たちへの"相棒"をご提供しているという認識です。UE4によってフォトリアルで美麗な映像をつくり出すことは、まさに世の中をドキドキ・ワクワクさせる創造活動ですので、われわれはそれをつくり上げる方への備品だったり、エンジニアが困っているであろう学習面からのサポートをしたいと考えています。「XR部」はこれを発展させたもので、2020年9月より事業部門化しました。社内的には新規事業ではありますが、クリエイターやデザイナー、ストリーマーの方々を応援するというミッションに適った事業であるという認識です。

室谷将之氏(XR部 部長)

――「XR部」は現在どのくらいの人数規模でしょうか?

室谷氏:15名です。会社全体ですと従業員は約750名おりますので、まだまだこれからではありますが、中期的なビジョンをもった事業で、今後30~40名規模の「Unreal Engineの専門集団」として発展させていきたい考えです。

――サードウェーブさんは主力としてBTOがあるなかで、新たにUE4の開発・教育に乗り出すのは大きなチャレンジだったかと思います。

室谷氏:仰るとおりです。社員総会では役員からも「挑戦と感動」という言葉が発せられるほど、チャレンジ精神が社風としてあります。社長の尾崎(健介氏)自身がUnreal Engineに成長性を感じており、Unreal Engineが可能にする創造活動の拡がりを最大化するというビジョンをもっています。4年前からEpic Games日本法人の河崎(高之)社長と、トップ同士が話し合い、Unreal Engineを国内で普及していくためには、やはり若い世代のエンジニアの育成が必要だとの結論に至りました。

その中で2つボトルネックがあるとすれば、ひとつはUnreal Engineを扱うためのハイスペックPCというハードウェアの課題。もうひとつはUnreal Engineを教える人材がまだ足りていないという状況です。このうち前者はハードウェアのメーカーとしてしっかり備えていたため、それであれば後者の育成が急務ということで、先の「Training Camp」を進めてまいりました。私自身もそれまでは人事部の教育担当で、新卒から部課長研修のセッティングなどを行なっていたので、エンジニアとなると最初のメンバー集めからカリキュラム作成まで、チャレンジの連続でした。おかげさまで「ドスパラ」や「GALLERIA」での業界的な認知があったので応募は集まり、カリキュラムづくりにおいてはそれまでの教育担当の経験を上手く応用させて進めていくことができました。

「XR部」が求める人材像

――今回、「XR部」の求人とのことですが、それは教育担当の方でしょうか? それともUE4の開発者でしょうか?

室谷氏:今回は、UE4の開発者の方です。「Training Camp」に参加された生徒の方に話を聞くと、 ゲームだけではなく建築や教育系VR、コンフィギュレータを目的としてUE4を扱いたい方が多くいらっしゃいました。われわれも教えながら、学ぶ事も多く、UE4の新しい可能性に気づき自社コンテンツの開発に乗り出した経緯があります。

――では、やがてはゲーム系の案件や建築系、教育VRの案件への展開を考えられているんですね。

室谷氏:それはまだ1年、2年先の話ですね。まずは自社コンテンツの充実を図りたい考えです。

山石大樹氏(以下、山石氏):まさにそのあたりが今回、求人をお願いしようと思った理由なんです。サードウェーブの事業子会社として、サードウェーブソリューションズというシステム開発の会社がありまして、現在はそちら出身のエンジニアが中心となって開発を進めていますが、もともとは業務システム開発の会社ですので、いわゆるCGアーティストではないんです。現状では外部の方にお願いをしていますが、これからは専属となるUE4のアーティストとエンジニアを募集していきたいと思っています。

山石大樹氏(XR部 3Dソリューション課 課長)

――今回募集される方は、それなりのUE4の実務経験があり、マネジメントやクオリティ管理ができるような方という認識で合っていますか?

山石氏:はい。アーティストのチームで、パイプラインから構築できるような方を募集しています。そのため、同業のCGプロダクションと比べて高待遇で迎えたいと考えています。

――求人票に「社内作成のゲームエンジンを使っていた人」とありますが、これはどういう意味ですか?

山石氏:インハウスツールを使われていた会社さんもありますので。レベルにもよりますが、例えば「UE4だったらソースコード読めるよ」というレベルであれば大歓迎です。

XR部が手がける自社コンテンツ

――先ほど室谷さんがおっしゃった、自社コンテンツとはどのようなものでしょうか?

室谷氏:現在展開しているのは「Offima」という空間デザインシミュレーションソフトです。

室谷氏:今の世の中はオフィスの在り方にも多様性がありますが、その設計をする際には従来とおりですと平面図を基にして、備品を家具メーカーのパンフレットを見ながら配置していくかと思います。「Offima」では、CGの3D空間上でレイアウトしながらいろいろ試すことができます。この中にあらかじめオフィス家具を取り込んでおいて、家具オフィスメーカーの営業の方や内装業者の方がお客様に画面を見せながら、リアルタイムでオフィス空間をシミュレートしていき、より満足のいくかたちで購入を促すことができるというコンテンツです。

直感的な操作はもちろん、家具の衝突判定やリアルタイム・レイトレーシング機能、パース図作成のほか、レイアウトした空間をVRで見られるようにもなっています。VRで入ってみると「意外とロッカーが低いことがわかった」とか、「避難経路の確保を再確認」といった気づきにつながるんです。壁紙は数百種類揃えており、自社商品を並べてみたい等の新たなアイテムの取込みについてもサポートしています。CADデータ、BIMデータがあればスムーズですが、写真と商品サイズの情報から作成することも可能で、契約している海外のパートナーに何千個単位で作成していただけるような体制を整えています。

山石氏:他にも多数企画が進行中です。今回募集する方には製品の骨格となるようなビジュアルを作成していただきたいと考えています。現在は私が監督していますが、より専門的にCGアーティスト目線で伝えることによってクオリティを高められる部分があると思います。

――山石さんは転職されて現職を担当されているんですよね。

山石氏:はい。私が入社したのは2021年の2月ですからまだ半年ほどです。前職は自動車系のCGを制作している会社で、私自身はもともとクリエイターの制作環境を整えるシステム管理の人間だったのですが、UE4の需要が高まる中で開発要素が入ってくるようなCGコンテンツの制作にも携わっていました。現在は技術面を主にフォローしつつ、チーム全体のマネジメントと、クオリティ管理の責任者を務めています。

リモートベースの仕事環境

山石氏:それと、これは人に話すとよく驚かれるのですが、まだ一度も出社していないんです(笑)

――フルリモートなんですか!

山石氏:はい。現在は名古屋におります。チームでは割合としては東京近郊が多めではありますが、最近入ったメンバーは北海道から兵庫の人までおり、それぞれリモートで仕事をしています。

室谷氏:これはコロナ禍によるもので、今後収束したあとでは2ヶ月に1回くらいは対面で部内ミーティングをやるつもりではいますが、基本的には在宅ワークで問題ありません。

――開発寄りの方々のPC環境はご自宅に置くのか、リモートデスクトップで繋いでいるのか、いかがでしょうか?

山石氏:物自体は社用PCが自宅にあります。もちろんGALLERIAです(笑)。私がもともとシステムの調達をしていたので、もうそこはクリエイターに合わせて、デュアルモニタはもちろん、必要な環境を用意していこうと考えています。

サードウェーブならではの充実した福利厚生とスキルアップ制度

――ビジュアライズ寄りのお仕事から転職されてきた山石さんからご覧になって、変わったことや印象的だったことは何でしたか?

山石氏:意外にも共通点があるなと思いました。前職もCGプロダクションとはいいつつも、会社自体は製造業と関わりが強く、そのCG制作をするチームだったので、社風としては「しっかりしている感」が強かったんです。今のサードウェーブも自社でパソコンを製造し販売をしている会社なので、そこは空気として共通しているなと思いました。福利厚生についてもしっかりしていて、例えば確定拠出年金制度があるのですが、これを導入できる規模のCGプロダクションは業界でも限られた数だと思います。また、現実的にすごく嬉しいのは食事補助の制度があることですね。電子マネーがチャージされたかたちで、年間最大12万円のうち35%を会社が負担してくれます。あとはやっぱり弊社ならではと言えるのが、ハイスペックPCやPCパーツを社員割引で買えるところですね。クリエイターの方は私用のPCでもけっこうなハイスペックを求める傾向にあるので、そこは福利厚生として価値が高いものになってくると思います。

――CGツールについてはどうでしょうか?

山石氏:まだ特定のものは決めていないんです。なので希望のツールを言ってもらえれば金額に関わらずすべて検討できます。逆に言うと、まだアーティスト専門のチームがないので、自分の"最強のパイプライン"をゼロから構築できるというのは、なかなか他の会社にはない面白さかなと思います。

「3年で40名規模」に向けた今後の展望

山石氏:やはり新規事業なので、自分でつくり上げてやり抜くことができる人。提案してどんどんつくっていかないといけないので、自分の意見やアイディアを出すのが楽しいという人を募集したいですね。もちろん責任とか判断の部分は私と室谷で一緒に考えます。あとはスキル的には、フォトリアルなビジュアライゼーションなので、リアルな表現にこだわりをもてる人。自社製品の場合だと、それこそ自動車系のCGにも共通するような、デザインやブランディングのところにも立ち入ることが今後出てくるので、そういう部分にもきちんとした意識をもてる人がいいですね。

――「3年で40名規模」というお話がありましたが、そこに向けての道筋や具体的なイメージで、現状お話いただけることはありますか?

室谷氏:2020年9月に事業部門化してからの1年目は、以前からあったUE4教育のゲームコースに加えてノンゲームコースの追加やUE4のバージョンアップについていくための準備期間にしました。そして2年目以降は、いよいよ結果を出していくフェーズに入ります。今後は、8月よりオンラインで再開するTrainingCampのUE4の基礎教育サービスをまずスタートし、以降は、UE4を使えるようになった人材を講師やセミナーへと主にリモート派遣する展開を考えています。また、自社コンテンツを市場に投入したときに「こんなコンテンツをつくれるのなら」と、UE4案件の相談が増えることを楽しみにしており、われわれのアクションを基にした反響をしっかり捉えてビジネスサービスを拡大していきたいです。このサイクルがしっかり回ることで、3年目40人規模が現実的な目標として展開できるのではないかと考えています。この事業がまわり始める一番面白いタイミングで是非参加してもらい、変化を楽しみながら活躍していただきたいなと思います。

求人情報

■募集職種
①リードエンジニア
②3DCGアーティスト(ジェネラリスト)

■仕事内容
①Unreal Engineを用いた設計開発、パイプライン構築
②製品ビジュアルの責任者、パイプライン構築

■必須
①Unreal Engine 3年以上、エンジニア歴8年以上
②Unreal Engine or Unity経験1年以上、DCCツール5年以上、CG制作経験

■条件
①②
月給34万円〜44万円(年収459万〜594万)
*応相談
95%テレワーク

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お問い合わせ

株式会社サードウェーブ
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