ファッションテック専門教育機関「東京ファッションテクノロジーラボ」(以下、TFL)は、「杉野服飾大学大学院」と教育連携し、衣服造形の大学院としては国内で初めて3Dモデリストの育成を2022年4月から開始する。
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■xTec(クロステック)の「ファッションテック領域」での人材育成
xTech(クロステック)とは、既存のビジネスとAIやIoTといった先進的なテクノロジーが結びつき、新たに形成されるサービス領域を指す。このxTechである「ファッションテック領域」の人材育成は、国内教育機関に先行してTFLが2017年から手がけている。TFLで5年間培ってきた専門教育を、杉野服飾大学大学院の1つの科目として導入することは「服飾造形作品」(身体に装着可能な「衣服形態」のもの)の表現の可能性をバーチャルにまで広げ、フィジカルとバーチャルの両方で新しい時代の服飾文化を創造できる人材育成をする大学院へと進化することになった。
■特定ソフトのオペレーションスキルだけでは表現できないCG・映像領域のカリキュラムまで網羅
「3Dモデリスト」はファッションテック人材の中でも、サプライチェーンのDXにつながる重要な職種として注目されている。しかし、3Dモデリングソフトのオペレーションスキル習得に加えて、テクスチャ、CG、映像領域のソフト連携までができる、幅広い知識と高度なスキル教育が必要なため、3Dモデリストの人材不足が活用のハードルになっている。TFLは創立から5年間でファッションとテクノロジー、CG、映像など複数領域を連携させる独自の教育プログラムを開発してきた。加えて、学内に研究会(AI・バーチャルファッション・デジタルツイン研究会など)をもち、常に新しい技術やノウハウの産業活用を研究し、教育プログラムをアップデートし続けている。今回の教育連携でTFLの複数領域を連携させる教育ノウハウと講師育成を提供することで修士課程の大学院で新しいクリエイター「3Dモデリスト」育成が可能になった。
■TFLと杉野学園が目指す人材イメージ
TFLと杉野学園は「3Dモデリスト」という新しい職種は、専用ソフトを動かすことのできる「オペレーター」ではなくファッション産業の「クリエイター」と位置付けて、デザインやビジネスを生み出す力、創造する力、時代を切り開く挑戦する力をもった人材と位置付けている。ブロックチェーン技術のNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)の発展で、コピー可能なデジタルデータを「偽造不可な所有証明書付きのデジタルデータ」に置き換えることができ、唯一無二の資産的価値をデジタルデータに付与できるようになった。この技術の発展とともに、オリジナリティの高い衣服の3DCGデータも市場価値が高まると言われている。杉野服飾大学大学院の「芸術性」を追求するカリキュラムとTFLのデジタル教育の融合でフィジカルとバーチャル市場両方で活躍可能な新時代のファッション人材育成を実現する。