『パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉』(11)や『パシフィック・リム』(13)など、ハリウッド大作のキャラクタークリエーションを担当してきた片桐裕司氏の初監督作品『ゲヘナ~死の生ける場所~』が7月30日(月)より渋谷ユーロライブにて公開される。

本作は、サイパン島を舞台に、太古から続く"死よりも恐ろしい「生」の呪い"に翻弄される5人の男女を描いたサバイバル・パニック・ホラーで、物語のカギを握る"不気味な老人"は、片桐氏とも親交が深く、第90回アカデミー賞4冠に輝いた『シェイプ・オブ・ウォーター』(18)の半魚人役など数々のクリーチャーを演じてきたダグ・ジョーンズが演じている。

7月30日(月)から公開される東京上映では上映後に豪華ゲストを招いてのトークライブが開催され、スクリーミング・マッド・ジョージ氏や宮脇修一氏(海洋堂センム)、藤原カクセイ氏が登壇することがすでに決まっている。

今回は追加ゲストとしてマットアーティストの上杉裕世氏と特殊メイクアップアーティストのJIRO氏の登壇が発表された。
上杉氏とは「ハリウッド視点でアナログとCGを語る」をテーマにアナログからデジタルへの転換期を経験した二人の体験談やそこから学んだことなどを語ります。
JIRO氏は先に発表された藤原カクセイ氏と一緒に登壇し「日米の特殊造形最前線」をテーマにトークライブを行います。

ゲストプロフィール

上杉 裕世 氏/マットアーティスト
1964年広島県生まれ。武蔵野美術大学油絵科卒業。
1987年、渡米費用を稼ぐために『欽ちゃんの仮装大賞』に出場し優勝。賞金100万円でアメリカに渡る。1ロッコ.ジョフレ(ブレードランナー、グレムリン等)に師事し、1989年ILM入社。
以後マットアーティストとして活躍。95年『スター・ウォーズ 特別編』で3Dマットペインティング(主観移動表現)を開発し、マットペインティングの表現領域を大きく広げる。代表参加作品に、スター・ウォーズ エピソード1~3、インディー・ジョーンズ3,4。 アバター。アベンジャーズ。エミー賞最優秀視覚効果賞、VESベストマットペインティング賞受賞。
昨年11月にオムニバスジャパンにVFX SUPERVISORとして移籍。

スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐

コメント:「自分の長編作品を撮る」映像制作に関わる仕事に携わる者にとって、一度は胸をよぎる夢ではありますが、強いビジョンや信念、たゆまぬ努力、自分の目標達成のための協力を惜しまない人脈を生み出す人柄、全てが揃っていなければ成し遂げられないハードルの高さゆえに本当に叶えられる人は極めて限られています。 僕自身もこの世界に入るきっかけは8ミリフィルムでの自主映画作りだったのですが、深入りすればするほど自分が「ディテール追求型」の人間であるということが見えてきて、そういう意味では自分は高いレベルで天職とも言える仕事に就くことのできている幸せ者なのですが、僕と同種の「ディテール追求型人間」でないはずのない片桐氏が、どういうバランス配分で長編作品を撮られたのか?非常に興味があります。また、上映後のトークショーで、同時期にハリウッドのデジタル革命の風をもろに受けた者同士の視点でどんなお話が出来るのか?楽しみでなりません。

JORO 氏/特殊メイクアップ・アーティスト
フェイス&ボディペイント/特殊メイク&造形/映像/広告/イベント/ファッション等々、幅広い分野にてデザイン&クリエイティブ制作、およびディレクションを担当。東京芸術大学卒業後、特殊メイクの道に入り、有限会社自由廊を設立。現在では特殊メイク・造形制作にとどまらず、クリエイティブディレクターとしても多方面で活躍中。

【受賞歴】
「TVチャンピオン特殊メイク王選手権」第5回・第6回優勝
「Make-up Artist Magazine」にて「世界の注目アーティスト10人」に選出
日本空間デザイン賞2016 Best50"サイゲームス グランブルーファンタジーブース" 他

コメント:特殊メイクアーティストを目指していた学生時代に片桐さんのサイトを発見し、その彫刻力に魅了されたのを覚えています。憧れの遠い存在だった方と、今では交流を持てるようになり、お互いの表現や目指す道について語り合えることを改めて嬉しく思います。初監督作品である「ゲヘナ」を経て、造る人から創る人へ転身を遂げた片桐さんが、今後どのような未来を見据えているのか...これからも、僕達に良い刺激を与えて下さい。

登壇イベント

  • 開催日
  • トークテーマ
  • 登壇者
  • 7月30日(月)
  • 好きを仕事にする
  • 宮脇修一(海洋堂センム)、片桐裕司
  • 7月31日(火)
  • 日米特殊造形最前線を進む男たち
  • 藤原カクセイ(特殊メイクアップ・アーティスト/ダミーヘッドデザインズ代表取締役)、JIRO(特殊メイクアップ・アーティスト)、片桐裕司
  • 8月1日(水)
  • ハリウッド視点でアナログとCGを語る
  • 上杉裕世(マットアーティスト)、片桐裕司
  • 8月2日(木)
  • 80年代90年代のハリウッド映画SFX
  • スクリ―ミング・マッド・ジョージ(SFXアーティスト)、片桐裕司
  • 8月3日(金)
  • 片桐裕司ハリウッド映画裏話
  • 片桐裕司
  • 8月5日(日)
  • 映画をつくる
  • 立石洋平(撮影監督)、井高まり(メイクアップ)、マシュー・エドワード・ヘグストロム(デイブ役)、ショーン・スプローリング(ぺぺ役)、浦底りちか(コスチューム)、片桐裕司

※8月4日(土)は本編上映のみとなります
※トークテーマと登壇者は予告なしに変更になる場合がございます

上映概要

タイトル:ゲヘナ~死の生ける場所~
公開日:7月30日(月)より渋谷ユーロライブにて公開
監督・脚本:片桐裕司
出演:エヴァ・スワン、ジャスティン・ゴードン、サイモン・フィリプス、ショーン・スプローリング、マシュー・エドワード・ヘグストロム/ダグ・ジョーンズ/ランス・ヘンリクセン 
配給:ファイブツールデザイン
公式サイト:http://gehennafilm.jp

©Hunter Killer Studio

ストーリー:
リゾートホテル建設の為、サイパン島を訪れた土地開発会社の社員ポリーナとタイラー。現地のコーディネーターのアランとペペ、カメラマンのデイブと共に候補地であるジャングルに視察に入り、そこで謎の呪術師に守られた地下に続く階段を見つける。ポリーナたち一行が中に入ると、中で数体のミイラ化した死体があった。そこは米軍も把握していなかった旧日本軍の秘密基地だったのだ。
さらに奥へ進んでいくと突然ゾンビのような不気味な老人に襲いかかられ、驚いたアランは老人を突き飛ばして殺してしまう。その瞬間、謎の爆発が起こり一行は地面に叩きつけられて気絶する。目をさますと転がっていたミイラと不気味な老人はいなくなっており、入り口の扉もふさがってしまった。閉じ込められた5人は太古から続く呪いに翻弄され、誰も予想し得なかった恐ろしい結末に導かれていく。この場所に秘められた謎と不気味な老人の正体とは...。